SIGMA DP1s

昨年11月にPowerShot G11を買ったばかりなのに,昨日,SIGMA DP1s33800円で注文し,さきほど届いた。昨日の時点でアマゾン扱いジョーシンは37000円だった。価格.comの最低価格はやや高かったが今は1円刻みで上から37000円に近づいている。DP1x発売前夜で在庫一掃したいのだろうか。

このカメラの特徴は,コンパクトデジカメの筐体に一眼レフ並みの撮像素子(フォーサーズとAPS-Cの中間くらいのサイズ)を載せたこと。しかも,通常の撮像素子は各ピクセルがRGBのうち一つを担当し,残りの色は周囲から補間しているのに,このカメラの撮像素子Foveon X3は全ピクセルがRGBの3色に対応している。データ量としては3倍だ。最終的なピクセル数は2640x1760で他のコンデジと比べてかなり少ないが,この理由のためカタログ上のピクセル数は2640x1760x3=1.4Mピクセル14Mピクセルと書かれている。

純正の現像ソフトSIGMA Photo Pro(SPP)はあまり使いやすくないが,自動で色調を整える機能は優秀だ。でもAdobe Camera Raw(ACR)のほうが使いやすい。SPP(→ACR)→Photoshopがベストか。

なお,センサが大きい利点は,遠近感をボケで表しやすいことである。センサの小さなカメラでは接写時以外はボケ感を出しにくい。

[2010-05-05追記] 以上,昨日書き始めて少しずつ加筆している。

[2010-05-06追記] 友人がRICOH CX3を買った。良い選択だ(私もCXの前身のR10を持っている)。CX3とDP1sで迷ってDP1sを買ってしまった人が結局CX3を買い直した話がここに載っている。DP1sは光学ズームも接写も手ぶれ補正もなく,ユーザインターフェースは無骨で,1枚写すとしばらく待たなければいけないという酷いカメラだ。間違えて日常使うスナップカメラとして買わないように。私だけの宝物にしたい。ついでにこの掲示板にはGRD3とDP1sを両方持っている人が2人も!

[2010-05-07追記] 比較のための画像。

ひどいグラフいろいろ

最近Twitterで教えていただいたことの備忘録。

まず12月29日の「池上彰の学べるニュース」から[2010-06-05: リンク先が別内容に変わっていたのでリンクを外しました。旧内容の片鱗は下のコメントで書いていただいたリンク先に残っているようです]の写真をクリックしてよく見ていただきたい。

こういう情報操作はビジネスのグラフではよくあるようだ。有名なのが早稲田アカデミーが毎年出しているこういう感じのグラフ。ひどいグラフを集めた日本図表審査機構 [JGRO]というサイト(個人ブログ)もある。私のブログでも「3D」とか「グラフ」で検索すればいろいろ見つかる(例えばこんな驚異の3D)。

インチキグラフを揶揄したアスキーアートのPS3とWiiは有名。

3Dグラフといえば,Excelの積み重ね棒グラフに,円錐・角錐がある。これは上ほど小さく見せたいインチキグラフ作成用。CE97の発表でも取り上げたが,Pyramid Perversion - More Junk Chartsに実例がある。

ついでにとんでもない勘違いニュースの話:平均年収が300万を切ったって? それ間違いですから。ありがちな間違いなので,私の授業メモのグラフの例:賃金の分布からもリンクしておいた。

本をカメラで電子化 2

昨日の本をカメラで電子化の続き。

たくさんのJPEGファイルを結合して一つのPDFにしたい。ImageMagickconvert *.jpg hoge.pdf とすればいいと思ったが,何百枚のJPEGをメモリに読み込んだのか,他の作業ができないほど遅くなり,いくら待っても終わらないので,中断した。

次に jpeg2pdf というRubyのプログラムを試した。開発サイトは消失していたが,キャッシュに残っていたものをいただいてきてインストール。これならほぼ一瞬で数百枚のJPEGをマージしたPDFができる。やってみたが,元のJPEGファイルがやや暗かったので,ImageMagickのconvertも併用して,次のようなことをした。

mkdir hoge
for x in *.jpg; do convert $x -normalize hoge/$x; done
jpeg2pdf hoge hoge.pdf

これで約200MバイトのPDFが完成。

ただ,ScanSnapで作るPDFより読みにくい。2値画像(PNGかGIFかJBIGか…)に直してPDFにマージできたらいいのだが。そういう話は以前も書いた。Snapter(Windows専用,$49),scanR(Web),Qipit(Web)のようなソフトやサービスがあるようだ。MacかLinuxで使えるオープンソースのものがあればいいのだが。

カメラをマウントする方法も改良を要する。例えばこんな方法とか。

[2010-04-04追記] ハードウェアについては,コメントで教えていただいた マインドストームNXTで作る自動ページめくりブックスキャナ はすばらしい。ほかには corrugate iPhone document scanner - free template! というのも見つけた。

ソフトウェアについては,Javaで書かれていてMacでも使える Cam to Scan というシェアウェアを見つけて試してみたが,あまりしっくり来ない。やはり本命は Snapter かというわけで渋々Windowsを立ち上げて試してみたが,使い方が悪いのか,グニャグニャになってしまう。

やっぱりオープンソースでないと不具合があっても中を見て調整することもできない。というわけで Scanning and Photocopying Documents With a Digital Camera のシェルスクリプトを参考にして,次回は自前で工夫してみよう。

これを卒業研究にしてくれる学生いませんか?

[2010-04-04追記2] 上の convert の使い方を少し手直しして for x in *.jpg; do convert -colorspace gray -quality 40 $x -normalize -level 40,60% hoge/$x; done のようにすると格段と見やすくなった。数値は適宜調整する。

[2010-04-04追記3] HoverCamという製品を見つけた。これを買えば解決なのか。日本ではまだ売っていないようだ。

[2010-05-14追記] Willard Cope BrintonのGraphic Methodsというすばらしい本をスキャンしたものがArchive.orgにある(使用カメラはCanon 5D)。同じ本の一部をコンデジFinePix F100fdで見開きごとに撮影したものがFlickrにある。比較するとおもしろい。

[2010-12-11追記] SourceForgeに jpeg2pdf というプロジェクトができていた。これはWindows用コマンドラインツールのようだ。

[2012-08-03追記] SourceForgeの jpeg2pdf を久々に見に行ったら,gccで簡単にコンパイルできるようになっていた。使ってみたらたいへん高速軽快。

[2013-03-19追記] @tay07212さんがいろいろ参考になることをつぶやいておられる。ImageMagickのconvertにlocal adaptive thresholdのオプション -lat があった。各種2値化の比較Image Threshold Research and Testingも参考になる。

[2013-06-14追記] ScanSnap SV600 の登場で非破壊電子化はトリビアルになった。

本をカメラで電子化

本をカメラで電子化する実験をした。

452ページの本を見開き226枚の写真に。カメラはPowerShot G11,3648×2736ピクセル,JPEG高圧縮率,モノクロ。200×106バイトに収まる。平均887600バイト/枚程度。マクロモード,距離固定,露出は+1/3にしたがもっと明るくしたほうがよかった。解像度は300dpi程度,もう1段階低くしてもよかった。

かかった時間は追加撮影を除いて18分22秒。1枚5秒弱。慣れてくると1枚1〜2秒でできる。ただし,あとで調べたら1枚足りなかったので追加撮影。ページのめくり過ぎがないように急がず作業すべきだった。

本はパソコンデスクの中の段に置き,上の段にミニ三脚を横にしてカメラを設置。距離は50cmほどなのでマクロにする必要はなかったかも。

追記:携帯で撮った写真:

[2010-07-09追記] Simply Scanという製品が出るようだ。これは以前TwitterでもつぶやいたHoverCamと類似のもので,「本を裁断せずに電子書籍化できるスキャナー」と銘打っているが,要は書画カメラ。

[2010-10-12] 書き忘れていたが,この記事は 本をカメラで電子化 2 に続く。なお,Canon RS-60E3 リモートスイッチというものも買ったので,シャッターを押すのが楽になった。

今年の夏は伊香保温泉で!

情報処理学会の情報教育シンポジウムSSS2010,今年は群馬県の伊香保温泉,2010年8月18日(水)〜20日(金)。詳細はプログラム委員長の辰己先生のブログにもあります。私も参加します。皆様もぜひご参加ください。

日経BPが変なマナーを広めている

マナーのあるメールの書き方 | キャリワカ:コミュニケーション | nikkei BPnet 〈日経BPネット〉,To: には様などの敬称を付けろ,だって。

以前にも同様な「マナー」が日経パソコンに載ったことがあって,呆れたことがある(メールの宛先に敬称をつけないと失礼?)。ようやく「ホームページにリンクするときは許可を得よう」という「マナー」が下火になったと思ったら,また新発明された「マナー」と戦わなければならないのか。

[2010-03-26追記] /.J でも取り上げられた。

足腰を痛めて迷惑をかけています

2010年2月11日夜から椎間板ヘルニアで腰・足が不自由な状態が続いております。不思議と自転車は平気なのですが歩くのに苦労します。徐々に回復していますが,2月〜3月の出張はほぼ全部キャンセルしてしまいました。

Wordでまともな文書を作る方法

日経パソコン2010-03-08特集1「魅せる文書の勘所」すばらしい。Wordでペラもの作らせるならこういう指導を。ただ文字色をグレーにするのは網掛けになって読みにくくなる場合があるので注意。サンプル文書は日経パソコン Onlineからダウンロードできる。

左は稚拙な例,右は良い例。

この特集記事に相当する本は私の知る範囲では次のものくらい(やや古い本):

Wordでマスターする 使えるビジネス文書 レイアウトの極意

実際に次の本はWordで組まれている:

Moodle入門 オープンソースで構築するeラーニングシステム

逆にTeXで組まれていてもどうしようもない文書もある。伝えるためのルールを知らなければいくらマクロをハックしても自己満足に終わる。

[2010-03-09追記] 上は昨日Twitterでつぶやいたことのまとめのつもりで書いた。Twitter経由でいくつかお礼をいただき恐縮。Wordの授業で取り上げていただくなら,技巧的なところよりは,なぜワードアートの文字がみっともないかとか,フォントの使い分けや,段落配置のゲシュタルト心理学的なことを扱うといいと思う。原理的なことは次の本がお薦め。

ノンデザイナーズ・デザインブック

[2010-06-22追記] ネットでも公開された:魅せる文書の勘所。Thanks: 落伍弟子のブログ : 魅せる文書の勘所。なお,WordはしょせんWordである。この記事の模範作例をMacのWord 2008で読み込むと無残なレイアウトになる。この記事では使っていないが数式もMac版では読めない。Windowsで作ったものはWindowsで印刷またはPDF化するしかない。

PDFのフォント制限は無意味

情報処理学会全国大会の原稿送信要項には,原稿(PDF)の日本語フォントはWindowsではMS明朝またはMSゴシック,Macでは細明朝または中ゴシック・平成明朝または平成角ゴシック,英字フォントはArial,Century,Times,Times New Roman,Helvetica,Symbolに限定するように書かれている。TeXではこれだけに限定することは至難の業である。ちょっとした数式を書けば数式用フォントが使われてしまう。そもそもなぜ「これ以外のフォントを使用されると,DVD-ROMを利用する環境によっては文字化けや表示エラーを起こすことがあります」なのか理解ができない。

情報処理学会の研究報告原稿(PDFファイル)作成についてには,LaTeXのスタイルとWordのテンプレートが用意されており,PDFファイルには必ずフォントを埋め込むよう指示がある。この「必ずフォントを埋め込む」が今では正しい指示だ。全国大会の原稿でも,この流儀で提出しても断られることはない(丸投げ業者はそこまでチェックしない)。

ブロードバンドが普及していなかったころは,理系のPDFは少しでも軽くするために基本フォントは埋め込まないのが流儀であった。今は違う。

ちなみに,情報処理学会のペーパー類はすべて電子化され,通常のディスプレイ上で読みやすいA4横置きに統一されたと思っていたが,全国大会はまだA4縦置きであった。

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