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統計的検定よりグラフを!p 値(有意確率)は,数学上のモデルと現実のデータが両立するか矛盾するかの度合を確率のことばで表したものである。2組のデータが近いか遠いかを表すものではない。たとえばタコとイカの重さの違いは p = 0.05 であるなどとは言わない。ところが,これに近い研究報告があった。度数分布図を描くだけでいいのに。 x と y を測定しながら,x の上位群・下位群について y の平均値の差を t 検定したものもあった。せっかくの測定値を上位群・下位群に分けるだけに使うのは情報の無駄だ。散布図を描くほうがはるかに多くの情報を伝えられるのに。 理解できていない統計的方法を使うよりも,コンパクトで情報量のあるグラフを描く努力をするほうが報われる気がする。
言葉の乱れ「インターネットとメール」(ウェブとメールの意),IP(IPアドレスの意)などは古典的だが,最近はUSB(USBメモリの意)というのが目につく。先日も某所で「ウィルス対策が施されたUSB」または「書き換えを防止するためのスイッチがついているUSB」を使えというお触れ書きを目にした。
学費安い大学に?国公立大2次試験に不況の影 学費安い大学に(中日),「親に家計が厳しいと言われた。何とか国公立大に合格しないと」といった声を紹介しているが,記者に先入観があったのではないか。実際には国公立大志願者数も倍率も昨年より減っているようだ。私学はもっと減っているのかもしれないが。いずれにしても新聞は思い込みではなくデータを報道してほしい。
ハイパーネットワーク社会研究所の情報モラルワークショップハイパーネットワーク社会研究所の情報モラルとガバナンスに関するワークショップin別府のページからリンクされたINTERNET Watchの記事群にワークショップの詳細が載っている。どれもおもしろい。 最初の記事「間違いだらけのケータイ議論」千葉大の藤川准教授が指摘のスライドにある「なりすまし禁止」は,受信・拒否設定(NTTドコモ)の一つで,送信ドメインとFrom:のドメインが違っているメールを拒否するもののようだ。これを読んで,ある子から「メーリスが届かない」という相談を受けたことを思い出した。さらによく考えたら,私の超いいかげんなomlでは
納税者番号今日の日経の社説:電子納税の普及へ国民番号の導入を。住民票コードはあるが納税者番号としては使えないことになっている。納税者番号導入の議論は過去に何度もある。最近では納税者番号制度、自民が検討開始(2009-01-28朝日)。
Bill Gatesの教育論教育の本質は?にたくさんコメントをいただいた。「教師の質が悪い」というご意見もいただいたが,現状はうちの情報教育課程では企業より教職のほうが狭き門だ。優秀な人材がこれだけ教育界に行って,なぜ教育が改善されないのか。構造的な問題があるのではないか。 Bill GatesのTEDでの講演 Bill Gates unplugged の前半は発展途上国の医療の話で,生きた蚊を会場で放って話題になったが,後半は教育の問題を熱く語っている。スライドは以前よりシンプルで良くなったが,まだ改良すべき点がある。 このスライドは教師のパフォーマンスを決める4要因を挙げたものだ。いまいち意味不明で,字も小さいが,上から順に Past Performance, Math Major, Teach for America, Masters Degree in Education とある。要は教育学の修士号を取っても教師としてのパフォーマンスは上がらないし,(このグラフにはないが)年齢もほとんど関係ないが,残念ながら教師の給料を決めるのは修士号と年齢だという。 Gatesは成功例として KIPP を挙げ, Work Hard. Be Nice. という本を薦めている。さっそく注文した。
2009年2月の麻生内閣支持率
日テレ 13-15日 9.7% 日テレの9.7%が特に低いが,日本テレビ世論調査によれば回答数576であり,576人中56人が支持と答えたのであろう。 binom.test(56,576) 95%信頼区間は7.4%から12.4%だ。小数点以下に意味はなく,9.7%とか1ケタ台という日テレの書き方は要注意。 [追記] RDDによるこの手の世論調査の一般的な回答数は1000程度。日経は今回960。朝日は見忘れたがいつもは2000程度。
教育の本質は?今朝の朝日,三村明夫新中教審会長へのインタビュー:
行動分析学と統計的な考え方杉山尚子『行動分析学入門――ヒトの行動の思いがけない理由』(集英社新書,2005年)p.138〜,フィッシャーの数理統計学のおかげで「複数の人を集めてグループを作り、その平均値をとれば、たまたま起こった偶然の予期しない要因も相殺されるから、1人を対象にした研究では保証しえない結果の普遍性が得られると考えたのである」とし,統計学を用いる方法は統制群を置くので倫理的な問題を起こすといった批判が書いてあるように読める。 実際は,フィッシャーが統計的仮説検定の説明に使った紅茶の味の実験は被験者が一人である。1回の測定では誤差がわからないので何回か測定し,誤差と効果を比較しないと,効果があるかどうかは言えないというのが統計的な考え方だ。これは行動分析学でも物理学でも同じはずだ。
祝:毎日137歳毎日新聞は応援しているのだが,創刊137年記念号,9ページの円グラフは3Dだし,そもそも複数回答のときは円グラフにしてはいけない。
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