歯みがき・舌みがきでインフルエンザは減らせる

ためしてガッテン:緊急生放送! インフルエンザ最新対策:「日頃からの丁寧な歯磨きや舌磨きの指導を行ったところ、インフルエンザの発症率が10分の1に激減した」。

S. Abe (阿部修@東京歯科大) et al. (2006), Professional oral care reduces influenza infection in elderly. 週1回のデイケアサービスを受ける老人190人からランダムに選んだ98人に口腔ケアを指導し,残り92人には指導しなかったところ,追跡期間中インフルエンザに罹患したのは前者が1人,後者が9人であった。

fisher.test(matrix(c(1,9,97,83),nrow=2))

p = 0.008

library(Epi)
twoby2(matrix(c(1,9,97,83),nrow=2))

相対リスク0.1,95%信頼区間0.01-0.81

でも相対リスクの信頼区間ってどうやって求めるのだろう。少なくとも4通りの計算法がありそうだ。R-helpの Confidence interval for relative risk というスレッドの Summary からリンクされているPDFファイルに詳しく要約されている。

下手な散布図

体力と学力に相関関係も 秋田ともに上位、大阪は危機感(朝日),とりあえず小学校:

体力 = c(105.48, 110.1, 111.34, 107.63, 116.1, 110.72, 110.12, 114.21, 109.96, 107.24, 111.97, 113.26, 106.26, 105.41, 114.52, 111.64, 112.38, 116.79, 108.68, 109.33, 109.83, 111.63, 106.31, 105.61, 105.98, 108.84, 105.6, 106.64, 105.7, 108.49, 112.04, 112.41, 112.66, 109.66, 109.23, 105.41, 109.89, 109.52, 103.8, 106.2, 108.47, 111.33, 111.78, 106.64, 112.43, 107.77, 107.75)
学力 = c(221, 256.8, 246.8, 235.1, 276.9, 244.9, 239.9, 238.3, 235.9, 239.7, 242.8, 244.1, 252.5, 240.5, 240.7, 254.2, 252.3, 262.8, 236, 241, 240.7, 241.1, 238.1, 230.6, 230.8, 250.7, 230.8, 242.1, 243.1, 233.3, 245.2, 232.3, 231.2, 249, 228.8, 240.5, 249.4, 236.9, 234.6, 231.6, 235.4, 230.5, 242.2, 232.5, 238.9, 238.1, 214.4)
県名 = c("北海道", ...)
plot(学力, 体力, pch=県名)

[2009-02-07追記] 要するに,各県を1文字であいまいなく表す方法はないものか。

平均値とメジアンの違いを文科省もわかっていなかった

メジアンを使おうの「平均値以下は71.9%」で朝日新聞の取り上げ方を批判したが,実は文科省の発表そのものがおかしかった。2009-01-21に発表された 平成20年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果 の下のほうのPDFのp.25,p.27にこの種の記述がある。p.27には中学校について「男女とも,全ての種目において,50%以上の生徒が昭和60年度の平均値を下回っている。」と書かれている。

一般に非対称な分布では平均値は全体を50:50に分けない。メジアン(中央値)は全体を50:50に分ける(それがメジアンの定義だ)。だから,この場合は,平均値どうしを比べるか,メジアンを使うべきであった。

ゆとり教育で現学習指導要領の中学校数学から統計分野が全廃されている。高校数学でも統計分野はほとんど履修されていない。新学習指導要領で復活するが,しばらくは後遺症が続きそうだ。

厚生労働省の外国語ページの非常識

厚生労働省:Para as pessoas que estao sem emprego e que estao a procura/  Hacia uno y la busqueda para eso el trabajo perdio は Shift JIS で ○()/〜、 のような全角の約物や全角空白を使っている。alt="..." も日本語だ。何と非常識な!

「ご意見」フォームを見つけたので,書いてみよう。

フィッシング?

ここ,単に個人情報を盗むための偽サイトのようだ:

非常事態での情報の集約

Nature 457, 376-378 (2009), Social networking: Crisis communication,バージニア工科大で乱射事件が起きたとき,学生たちはただちに32人の死者の情報をFacebookで集約した。当局の発表は翌日である。

日本のいくつかの大学でも災害時の安否情報確認システムが構築されつつあるが,仕様を見てもあまり役立ちそうにないものがある。でも,学生たちはきっとmixiか2ちゃんねるで自分たちで情報を集約するであろう。

湯温を40℃に下げた

ためしてガッテン お風呂大変身! 超快感・安全入浴術を見てガッテンし,今日は湯温を40℃に下げた。

番組では湯温47℃の銭湯が紹介されたが,その後で右のようなグラフが示されて,実は47℃は事故が少なく,一番危険な湯温は42〜43℃だと説明があった。なんで44℃以上だと逆に安全になるのか不思議に思って,ネットで探したところ,同じグラフを 東京ガス 話のたまご/1999.12. などで見つけた。横浜市立大医学部の相原弼徳先生の調べられた事故発見時の浴槽内温度のグラフだ。つまり44℃以上が安全なのではなく,44℃以上に設定していた人が少ないだけという可能性が高い。

「情報科教育法」教科書の決定版!

久野先生・辰己先生がまとめられた『情報科教育法』(改訂2版)がもうすぐ出る。著者のお一人の天才なかの先生の研究室日記/09年1月26日に素敵な広告が掲載されている。^^;

アルゴリズム特許ならぬ相関関係特許

JSTの情報管理2009年1月号,名和小太郎「相関関係の特許」は SCIENCE AND LAW: When Patents Threaten Science -- Andrews et al. 314 (5804): 1395 -- Science の紹介。血中ホモシステインとビタミンB欠乏症との相関関係を利用した診断の特許を連邦最高裁も切り崩せなかったという事例。

朝日新聞はどうやって見つけたんだろう?

厚労相らの論文を無断転載 民主・山岡氏側の塾経営会社(朝日),山岡氏の報告書が舛添要一「鷹の目 第21回 医療の合理化と医療レベルの維持」(この雑誌の一番下よりさらに二つ古い号らしい)の盗用であった。でもGoogleで見つからない。朝日新聞はどうやって探したんだろう?

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