小学生が描いたミッキーマウスをディズニーが消させた話

安藤健二『封印されたミッキーマウス 美少女ゲームから核兵器まで抹殺された12のエピソード』(洋泉社,2008)を県立図書館で見つけたので借りてきた。講義で著作権の話をしているので「ミッキーマウスのタブー 大津市プール事件と著作権問題」(pp.124-145)を参考にするため。

滋賀県大津市立晴嵐小学校の6年生が卒業記念にプールの底にミッキーマウスとミニーマウスの絵を描いた(読売新聞滋賀県版1987-03-13朝刊)。ところが,ディスニー社の抗議により学校側が絵を消した(産経新聞(当時はサンケイ新聞)1987-07-10朝刊)。その後,子どもたちは東京ディズニーランドに招待された(『週間金曜日』2000-11-03),そうではなく社長がお詫びに訪れてディズニーの本を寄贈した(兜木励悟『ディズニー批判序説』データハウス,2001)といった矛盾した情報が。そこで,本書の著者は現地を取材。結果は……(ネットを検索されたい)。

チャイルドシート使用状況

セキュリティホール memo

チャイルドシートの使用状況について (警察庁, 6/10)。なぜ 1 歳未満だけ減るかなあ。この程度は誤差なのか、それとも意味があるのか。

# この警察庁のPDFのグラフ,最初Macのプレビューで見たら目盛りが見えない。Adobe Readerならちゃんと見えた。PDFの作り方が悪いのだろうか。

JAFの調査データ以下に詳しいデータがあった。1歳未満のチャイルドシート利用は,2009年は1557人中1204人,2008年は1831人中1449人。仮にランダムサンプルとした場合,79.1%から77.3%への減少がどれくらい有意かは,Rなら次のようにして調べられる:

fisher.test(matrix(c(1449,(1831-1449),1204,(1557-1204)),nrow=2))

p値は0.2ほどで,あまり有意とは言えないようだ。

もっと簡単にはsqrt(p(1-p)/n)で2項分布の標準誤差が出せる。sqrt(0.773*(1-0.773)/1557)は1%程度だから,95%信頼区間は±2%程度。

Bcc:が第3者に届く

初歩的ミスによるメールアドレス漏えい相次ぐ(/.J)の「Re:BCCはどこまで危険?」という題のコメント群がちょっとだけおもしろかった。

これで思い出したが,PukiWikiでブログを書いていたころの 2004年12月19日「BCC漏洩」 にBcc:が漏れた友人の話を書いた。コメント欄も参照。

Outlook Expressに「BCC」を表示する新たな不具合,MSはパッチを公開:ITpro も参照。/.J には Windows Live メールで BCC を付けると という話も紹介されている。

「ITホワイトボックス」のトラックバックの説明

NHKのITホワイトボックス,やっと視聴が録画に追いついた。

第7回 ブログはなぜ流行しているの? でトラックバックの説明がやや微妙。この「リンクしたいな」「OK!」の図のナレーションは,「それまでホームページ同士でリンクを張る場合,メールや電話で連絡を取り,相手の了解を得る手続きが必要でした。トラックバックという機能を双方が使っていれば,こうした煩わしさから解放されます」である。どこがおかしいか。

パソコンでメールする親の子優秀

本読む親の子優秀 下位はワイドショー ベネッセ調査(朝日),詳細はどこに載っているのだろう? そういうポインタがない新聞記事は使いにくい。

本を読む親の子だけではなく,パソコンでメールをする保護者の子も優秀だ。国語の成績上位1/4の5年生の保護者の35.6%がパソコンでメールをするのに対し,成績下位1/4の子の保護者では23.8%だった。もちろんパソコンでメールをしたから子どもの成績が伸びたわけではない(相関≠因果)。

それにしても,上位1/4と下位1/4の中での割合で云々するのはわかりづらいし,1/4という値を変えれば結果も変わる。パソコンでメールをする保護者の子の成績が,そうでない保護者の子の成績より偏差値にして何点高いというほうがわかりやすいように思う。検定もt検定で簡単にできるし。

Google ブック検索和解

日経パソコン2009-05-25の勝谷誠彦のコラムを読んで,私も Google ブック検索和解 に登録してみる。「奥村晴彦」で検索したら,9編がGoogleによりデジタイズされているようだ(以下はGoogleによる表記のまま):

  • C言語による最新アルゴリズム事典
  • Erueichiē to jippu
  • Jaba ni yoru arugorizumu jiten.
  • LATEX2ε 美文書作成入門(初版〜第4版)
  • Mūdoru nyūmon
  • 基礎からわかる情報リテラシー

特に何もしないでおく。

対話型プロット

RやAsymptoteやAdobe Illustratorでいろいろグラフを描いているが,最終産物がスタティックな図になってしまうのはおもしろくない。Rなら identify() などを使えばクリックした点の情報がわかる対話型のプロットができる()が,Webに載せる段階で固定されてしまう。それではおもしろくないので,JavaScriptで簡単な対話型プロットを作ってみた。

これはJavaScriptとHTML 5の canvas 要素を使っている。これについては少し前に グラフを描く(canvas編) という短い解説を書き,昨年度の卒業生の一人が卒研でこの技術を使って子どもに幾何学を教えるツールを作った。他の例としては Blob Sallad という物理シミュレーションがおもしろい(作者による解説)。

おもしろい応用があったら教えてください。

新型インフルエンザのウソとホント

三重大は大丈夫だが,我が子の大学は休校のようだ。私は過労(夏バテ?)で充電中。

ウイルスおらんか、念には念 休校の教室で再開準備(朝日),新型インフルエンザで休校中の学校が再開するにあたり,とっくに死滅しているはずのウイルスを消毒する作業をしている。非科学的な人を納得させるための儀式らしい。

日本人はマスクが好きだが,米国ではほとんどマスクをしていないようだ。WHOの資料(PDF,英文)は,医療現場等で正しく使われれば効果があるが誤用は逆効果だと警告する。では正しく使えばどのくらい効果があるのか。WHOの資料の脚注2にあるメタ解析 Physical interventions to interrupt or reduce the spread of respiratory viruses: systematic review のまとめとなる または を見れば一目瞭然だ。マスク利用によるオッズ比は0.32(95%信頼区間0.25-0.40)だ。頻繁な手洗い(>10回/日)によるオッズ比0.45よりも小さい。N95マスクなら0.09だ。かなり効果があるのだろう。

[追記] 洗足学園高に中傷電話約50件(スポーツ報知),インフルエンザより人間のほうが怖そうだ。

ブードゥー相関

Voodoo Correlations in Social Neuroscience という題の論文が,出版される前からネットで話題になっていた。Nature などでも取り上げられた。「Voodoo correlations」で検索すれば山ほど出てくる。結局,この挑発的な題名は Puzzlingly High Correlations in fMRI Studies of Emotion, Personality, and Social Cognition に改められて,Perspectives in Psychological Science, Volume 4, Issue 3 (May 2009) に掲載された。エディタのコメントと,6本のコメント,そのコメント返しも付いて,まるで Voodle 特集号だ。三重大学はこのジャーナルを購読しているので全部ダウンロードできた。購読していなくても,探せばPDFが見つかる。

「相関のウソ」といえば,相関は必ずしも因果関係ではないといった話がよく取り上げられるが,これはまた別の相関(に限らず統計)のウソの話。

首相にふさわしいのはどっち?

新聞各社の5月16-17日(産経は17日)の世論調査:

            麻生 鳩山
毎日         21% 34%  (1009人)
朝日         29% 40%  (1123人)
読売         32% 42%
日経・TV東京 16% 29%
産経・FNN    33.1% 37.7%
コンテンツの配信