Re: オフトピ:表記の哲学(Re: “txfonts.sty,”...)

名前: Tackaschi
日時: 2006-08-28 23:56:32
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>>44475 > 「なければ作る」しかないのでしょう. いや,まさにおっしゃる通りです。 > #amsmathに関しては個人的には使いません. > #あまりにおせっかいなのと,内部仕様の変化が激しいので. > #何回か痛い思いもしてますしね(-_-;; なるほど,それで『LaTeX2e 標準コマンド ポケットリファレンス』の中では 独自に \bmath コマンドを定義されていたのですね。 確かに amsmath パッケージは他のパッケージや個人設定と 色々衝突することが多々ありますし……。 bm パッケージはどうなのでしょう? > #すでに\ldotsと\cdotsはそうなってますね。。。 周りだけでなく,一般にそういう傾向にあったんですね(汗 > 冗談じゃなくって, > $log_{10}f(x)$のようなの多いですよ. ……確かに多いですね。 他に,“const.”をイタリック体で(しかも \mathit ではなく \mathnormal の OMLエンコーディングフォントで)書いているのをよく見かけます。 > 投稿規定って。。。読まない人は読まないですよね。。。 確かに,読まない人は読まないですね……。 # 投稿する前に一度ぐらいは軽く目を通して頂きたいと思いますが……。 >>44480 > #10年近くもTeXを利用していますが、今回、こちらのFAQを拝見しまして > #\boldsymbolコマンドをはじめて知りました(汗)。 そうですか。やはり,ご存じない方が多いのでしょうか……。 > 以下のようなテストファイル(texファイル)を作成してみましたが、 > いかがでしょうか?(少し自信はないですが、間違いなどがございましたら > ご指摘くださいませ。) サンプルありがとうございます。いい感じですね,このサンプル。 真に勝手で申し訳ないのですが,色々と申し上げたいことを加えたり修正したりして, 下の方に改めて貼らせて頂きました。 本人の独断なる解釈が含まれている可能性も否めませんので, # 寝不足なんです……。 何かご意見がございましたら,是非ご忠告お願いします。 >>44485 > ``chaos''とまで書かれてるのがなんとも(^^;;; “chaos”ですか……。 # ダメだ,表現がすごすぎて,コメントの仕様が無い……。 >>44490, >>44492-44493 > #あと、これは完全にさらにオフトピですが、以前 "v"(ヴィ)のボールドフォントを > #"\nu"のボールドフォントに見間違われて、かなり困ったことがあります(^^;;。 確かに Times-Italic の“v”は \nu とそっくり(と言うか,もうそのまま)ですね。 私の場合は意識的に“v”と \nu (に限らず,見間違える可能性のある文字同士)を 同時に使わないようにしています。同時に使いそうになったら, 別の文字に意識的に変えています。どうしても同時に使わないといけないのなら, [varg] オプションを使ったり,プリアンブルに例えば %%---------------------------------------------- \re@DeclareMathSymbol{v}{\mathord}{lettersA}{51} %%---------------------------------------------- と書いたり,さらには フォントを pxfonts や Computer Modern に変えるという手もあると思います。 以下,>>44480 の nmtさんのものを元に作ったサンプルです。 %%-- math-bold.tex ----------------------------------------------------------- \documentclass[a4paper,12pt,disablejfam]{jsarticle} \usepackage{amsmath} %\usepackage{type1cm}\usepackage[psamsfonts]{amssymb} \usepackage{txfonts} \usepackage{bm} \usepackage[T1]{fontenc}\usepackage{textcomp} \usepackage{ascmac} %\usepackage[deluxe,multi]{otf} \begin{document} %文書環境の始まり \section{数式モードでのボールド体表記のテスト} \subsection{\textbf{\texttt{\textbackslash bm}} (in \texttt{bm.sty})} 数式ボールド体の表記のテスト(その1)として, まずパッケージ\texttt{bm.sty}の\verb|\bm|コマンドを使用して書いています。 \[ \bm{x}, \bm{A}, \bm{0}, \bm{\alpha}, \bm{v}, \bm{\nabla} \] 上記(1つ目)のソースは以下の通りです。 \begin{itembox}[l] {\textbf{【数式モード内でのボールド体表記のソース(その1)】}} \begin{verbatim} \[ \bm{x}, \bm{A}, \bm{0}, \bm{\alpha}, \bm{v}, \bm{\nabla} \] \end{verbatim} \end{itembox} \verb|\bm|は,その文字にボールド体のフォントが用意されていれば そのボールド体を使い,用意されていなければ重ね打ち (後述の\verb|\pmb|と同じ動作)で擬似的にボールド体にします。 \subsection{\textbf{\texttt{\textbackslash boldsymbol}} (in \texttt{amsmath.sty})} 次に,\AmS-\LaTeX のパッケージ\texttt{amsmath.sty}の \verb|\boldsymbol|コマンドを使用した例を示します。 \[ \boldsymbol{x}, \boldsymbol{A}, \boldsymbol{0}, \boldsymbol{\alpha}, \boldsymbol{v}, \boldsymbol{\nabla} \] 上記(2つ目)のソースは以下の通りです。 \begin{itembox}[l] {\textbf{【数式モード内でのボールド体表記のソース(その2)】}} \begin{verbatim} \[ \boldsymbol{x}, \boldsymbol{A}, \boldsymbol{0}, \boldsymbol{\alpha}, \boldsymbol{v}, \boldsymbol{\nabla} \] \end{verbatim} \end{itembox} \verb|\boldsymbol|は,その文字にボールド体のフォントが用意されていれば そのボールド体を使い, 用意されていなければボールド体にせずに元の太さのままで出力します。 余談ですが,Wikipediaでの\TeX 記述法による数式編集でも この\verb|\boldsymbol|コマンドが使えます。 \subsection{\textbf{\texttt{\textbackslash pmb}} (in \texttt{amsmath.sty})} 今度は,\AmS-\LaTeX のパッケージ\texttt{amsmath.sty}の \verb|\pmb|コマンドを使用した例を示します。 \[ \pmb{x}, \pmb{A}, \pmb{0}, \pmb{\alpha}, \pmb{v}, \pmb{\nabla} \] 上記(3つ目)のソースは以下の通りです。 \begin{itembox}[l] {\textbf{【数式モード内でのボールド体表記のソース(その3)】}} \begin{verbatim} \[ \pmb{x}, \pmb{A}, \pmb{0}, \pmb{\alpha}, \pmb{v}, \pmb{\nabla} \] \end{verbatim} \end{itembox} \verb|\pmb|は,その文字にボールド体のフォントが用意されているかいないかに かかわらず,重ね打ちによって擬似的にボールド体にします。 \subsection{\textbf{\texttt{\textbackslash boldmath}}} さらに,\verb|\boldmath|コマンドを使用した例を示します。 \[ \mbox{\boldmath $x$}, \mbox{\boldmath $A$}, \mbox{\boldmath $0$}, \mbox{\boldmath $\alpha$}, \mbox{\boldmath $v$}, \mbox{\boldmath $\nabla$} \] 上記(4つ目)のソースはこちらです。 \begin{itembox}[l] {\textbf{【数式モード内でのボールド体表記のソース(その4)】}} \begin{verbatim} \[ \mbox{\boldmath $x$}, \mbox{\boldmath $A$}, \mbox{\boldmath $0$}, \mbox{\boldmath $\alpha$}, \mbox{\boldmath $v$}, \mbox{\boldmath $\nabla$} \] \end{verbatim} \end{itembox} \verb|\boldmath|の動作は, ボールド体にする点について言えば基本的に\verb|\boldsymbol|と同じです。 (本田氏のご指摘通り,\verb|\boldsymbol|は\verb|\boldmath|の動作に加え, 「数式スタイルによる分岐」と「アキの調整」がなされます。) 記述方法は少々煩雑ですが,何もパッケージを読み込まなくても使えるという利点が あります。しかし,本来\verb|\boldmath|は 「数式モードの外から」数式全体をボールド体にするのが目的のコマンドなので, 次の例のような使い方が本来の使い方だと言えます。 {\boldmath \[ x, A, 0, \alpha, v, \nabla \] } 上記(5つ目)のソースはこちらです。 \begin{itembox}[l] {\textbf{【数式モード内でのボールド体表記のソース(その5)】}} \begin{verbatim} {\boldmath \[ x, A, 0, \alpha, v, \nabla \] } \end{verbatim} \end{itembox} 細かいことですが, コンマ (``,'') までもがボールド体になっていることがおわかりでしょうか? \subsection{応用例} 例えば,応用例として,こういう場合に使用してみると よいかもしれません。 \vspace{\baselineskip} \noindent{\textbf{【応用例】}} $\bm{x}=(x_1, x_2, \ldots, x_n)$を未知の$n$次元ベクトルとし, $\bm{b}=(b_1, b_2, \ldots, b_n)$を定数のベクトルとする。 このとき,$n$次元正方行列$A$に対して, 式(\ref{eqn:a1})が成り立つものとする。 \begin{align} \label{eqn:a1} A\bm{x} = \bm{b} \end{align} \subsection{\textbf{\texttt{\textbackslash mathbf}}} 最後に,\verb|\mathbf|を使用した場合の例を示します。 \[ \mathbf{x}, \mathbf{A}, \mathbf{0}, \mathbf{\alpha}, \mathbf{v}, \mathbf{\nabla} \] 上記(6つ目)のソースは以下の通りです。 \begin{itembox}[l] {\textbf{【数式モード内でのボールド体表記のソース(その6)】}} \begin{verbatim} \[ \mathbf{x}, \mathbf{A}, \mathbf{0}, \mathbf{\alpha}, \mathbf{v}, \mathbf{\nabla} \] \end{verbatim} \end{itembox} $\mathbf{x}$, $\mathbf{A}$, $\mathbf{v}$がボールドローマン体に なっていること,$\alpha$, $\nabla$がボールド体になっていないことが おわかりでしょうか? このように, \verb|\mathbf|ではラテンアルファベットがボールドローマン体になってしまい, さらにOT1エンコーディング以外の文字をボールド体にすることができません。 \vspace{0.5\baselineskip} 上記の5つのコマンドの動作の違いを分かって頂けると,とても嬉しいです。 \end{document} %%---------------------------------------------------------------------------- ┬>>44253 Tackaschi / “txfonts.sty,” “pxfonts.sty” の数式グループ {italic} について └┬>>44256 本田 └┬>>44321 Tackaschi └┬>>44327 本田 ├┬>>44335 uchiyama │├┬>>44336 本田 └┴┴┬>>44462 Tackaschi ├┬>>44475 本田 / オフトピ:表記の哲学(Re: “txfonts.sty,”...) │└┬>>44480 nmt │ ├─>>44481 nmt / 一部訂正(Re: オフトピ:表記の哲学(Re: “txfonts.sty,”...)) │ ├┬>>44485 本田 │ │├─>>44489 nmt │ │├┬>>44490 nmt / [追記] Re: オフトピ:表記の哲学(Re: “txfonts.sty,”...) │ ││├┬>>44492 本田 │ │││├┬>>44493 nmt └─┴┴┴┴┴─>>44520 Tackaschi

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