verbatim内で、全角文字と半角文字を混在して出力したいのですが、等幅で揃える、何か良い方法がないでしょうか?
現在は、jverbatimを利用しているのですが、
用紙幅を超えた分は改行されないため、切れて出力されてしまいます。
verbatimは、用紙幅を超えたら、改行してくれるので、
全角、半角の幅が2:1の比率にできれば良いのですが...
ご質問はこちらへ
質問用フォーラムです。ご質問の前に質問のしかたをご覧ください。
TeX Wiki の 「メンテナンス」 について
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Wiki の 「メンテナンス」 をしてくださっている 「中の人」 にはとても感謝していますが、随分と大ナタを振るわれているのですね…。
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Last-modified: 2013-05-07 (火) 20:20:09 (1d)
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もちろん、すべてお一人の方がなさっているのではないのでしょうが、 「国内リンク」 のページからも dviout なども削除されてらっしゃるのですね…。
もちろん、必要ならば必要な者が新たに書けばよい、というのももっともではあるのですが、書いても、要らないと思われる方が再度削除されてしまうのでは、堂々巡りのような気もしないではありません。
どうするのがいいのでしょうか?>みなさん
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(現在の返信数: 10)
jsarticle (tombow 付)のページの位置を直したい
- 匿 名 の投稿
こんにちは
たびたび恐れ入ります.山下と申します.
jsarticle に tombow オプションをつけたところ,ページがトンボの外側に出てしまいます.
ページの出力位置をトンボの内側(内側ギリギリ?)に直すためには何らかの寸法を調整する必要があるのでしょうが,どこを直したらよいのかが分かりません.
直し方をご存知の方,ご教示お願い致します.
\documentclass[a4j,12pt,twoside,tombow]{jsarticle}
\pagestyle{headings}
\paperwidth = 148.0truemm
\paperheight = 211.0truemm
\hoffset = 105.0truemm\advance\hoffset-.5\paperwidth\advance\hoffset-1in
\voffset = 148.5truemm\advance\voffset-.5\paperheight\advance\voffset-1in
\textwidth = 110.0truemm
\textheight = 165.0truemm
\oddsidemargin = 23.0truemm\advance\oddsidemargin-1in
\evensidemargin = 15.0truemm\advance\evensidemargin-1in
\topmargin = 17.0truemm\advance\topmargin-1in
\headheight = 4.0truemm
\headsep = 7.0truemm
\topskip = 0.0truemm
\begin{document}
夢十夜
夏目漱石
青空文庫より頂いたものです.
\section{第一夜}
\subsection{こんな夢を見た。}
腕組をして枕元に坐っていると、仰向に寝た女が、静かな声でもう死にますと云う。女は長い髪を枕に敷いて、輪郭の柔らかな瓜実顔をその中に横たえている。真白な頬の底に温かい血の色がほどよく差して、唇の色は無論赤い。とうてい死にそうには見えない。しかし女は静かな声で、もう死にますと判然云った。自分も確にこれは死ぬなと思った。そこで、そうかね、もう死ぬのかね、と上から覗き込むようにして聞いて見た。死にますとも、と云いながら、女はぱっちりと眼を開けた。大きな潤のある眼で、長い睫に包まれた中は、ただ一面に真黒であった。その真黒な眸の奥に、自分の姿が鮮に浮かんでいる。
自分は透き徹るほど深く見えるこの黒眼の色沢を眺めて、これでも死ぬのかと思った。それで、ねんごろに枕の傍へ口を付けて、死ぬんじゃなかろうね、大丈夫だろうね、とまた聞き返した。すると女は黒い眼を眠そうに見張ったまま、やっぱり静かな声で、でも、死ぬんですもの、仕方がないわと云った。
じゃ、私の顔が見えるかいと一心に聞くと、見えるかいって、そら、そこに、写ってるじゃありませんかと、にこりと笑って見せた。自分は黙って、顔を枕から離した。腕組をしながら、どうしても死ぬのかなと思った。
しばらくして、女がまたこう云った。
「死んだら、埋めて下さい。大きな真珠貝で穴を掘って。そうして天から落ちて来る星の破片を墓標に置いて下さい。そうして墓の傍に待っていて下さい。また逢いに来ますから」
自分は、いつ逢いに来るかねと聞いた。
「日が出るでしょう。それから日が沈むでしょう。それからまた出るでしょう、そうしてまた沈むでしょう。――赤い日が東から西へ、東から西へと落ちて行くうちに、――あなた、待っていられますか」
自分は黙って首肯いた。女は静かな調子を一段張り上げて、
「百年待っていて下さい」と思い切った声で云った。
「百年、私の墓の傍に坐って待っていて下さい。きっと逢いに来ますから」
自分はただ待っていると答えた。すると、黒い眸のなかに鮮に見えた自分の姿が、ぼうっと崩れて来た。静かな水が動いて写る影を乱したように、流れ出したと思ったら、女の眼がぱちりと閉じた。長い睫の間から涙が頬へ垂れた。――もう死んでいた。
自分はそれから庭へ下りて、真珠貝で穴を掘った。真珠貝は大きな滑かな縁の鋭どい貝であった。土をすくうたびに、貝の裏に月の光が差してきらきらした。湿った土の匂もした。穴はしばらくして掘れた。女をその中に入れた。そうして柔らかい土を、上からそっと掛けた。掛けるたびに真珠貝の裏に月の光が差した。
それから星の破片の落ちたのを拾って来て、かろく土の上へ乗せた。星の破片は丸かった。長い間大空を落ちている間に、角が取れて滑かになったんだろうと思った。抱き上げて土の上へ置くうちに、自分の胸と手が少し暖くなった。
\subsection{自分は苔の上に坐った。}
これから百年の間こうして待っているんだなと考えながら、腕組をして、丸い墓石を眺めていた。そのうちに、女の云った通り日が東から出た。大きな赤い日であった。それがまた女の云った通り、やがて西へ落ちた。赤いまんまでのっと落ちて行った。一つと自分は勘定した。
しばらくするとまた唐紅の天道がのそりと上って来た。そうして黙って沈んでしまった。二つとまた勘定した。
自分はこう云う風に一つ二つと勘定して行くうちに、赤い日をいくつ見たか分らない。勘定しても、勘定しても、しつくせないほど赤い日が頭の上を通り越して行った。それでも百年がまだ来ない。しまいには、苔の生えた丸い石を眺めて、自分は女に欺されたのではなかろうかと思い出した。
すると石の下から斜に自分の方へ向いて青い茎が伸びて来た。見る間に長くなってちょうど自分の胸のあたりまで来て留まった。と思うと、すらりと揺ぐ茎の頂に、心持首を傾けていた細長い一輪の蕾が、ふっくらと弁を開いた。真白な百合が鼻の先で骨に徹えるほど匂った。そこへ遥の上から、ぽたりと露が落ちたので、花は自分の重みでふらふらと動いた。自分は首を前へ出して冷たい露の滴る、白い花弁に接吻した。自分が百合から顔を離す拍子に思わず、遠い空を見たら、暁の星がたった一つ瞬いていた。
「百年はもう来ていたんだな」とこの時始めて気がついた。
\section{第二夜}
\subsection{こんな夢を見た。}
和尚の室を退がって、廊下伝いに自分の部屋へ帰ると行灯がぼんやり点っている。片膝を座蒲団の上に突いて、灯心を掻き立てたとき、花のような丁子がぱたりと朱塗の台に落ちた。同時に部屋がぱっと明かるくなった。
襖の画は蕪村の筆である。黒い柳を濃く薄く、遠近とかいて、寒むそうな漁夫が笠を傾けて土手の上を通る。床には海中文殊の軸が懸っている。焚き残した線香が暗い方でいまだに臭っている。広い寺だから森閑として、人気がない。黒い天井に差す丸行灯の丸い影が、仰向く途端に生きてるように見えた。
立膝をしたまま、左の手で座蒲団を捲って、右を差し込んで見ると、思った所に、ちゃんとあった。あれば安心だから、蒲団をもとのごとく直して、その上にどっかり坐った。
お前は侍である。侍なら悟れぬはずはなかろうと和尚が云った。そういつまでも悟れぬところをもって見ると、御前は侍ではあるまいと言った。人間の屑じゃと言った。ははあ怒ったなと云って笑った。口惜しければ悟った証拠を持って来いと云ってぷいと向をむいた。怪しからん。
隣の広間の床に据えてある置時計が次の刻を打つまでには、きっと悟って見せる。悟った上で、今夜また入室する。そうして和尚の首と悟りと引替にしてやる。悟らなければ、和尚の命が取れない。どうしても悟らなければならない。自分は侍である。
もし悟れなければ自刃する。侍が辱しめられて、生きている訳には行かない。綺麗に死んでしまう。
こう考えた時、自分の手はまた思わず布団の下へ這入った。そうして朱鞘の短刀を引き摺り出した。ぐっと束を握って、赤い鞘を向へ払ったら、冷たい刃が一度に暗い部屋で光った。凄いものが手元から、すうすうと逃げて行くように思われる。そうして、ことごとく切先へ集まって、殺気を一点に籠めている。自分はこの鋭い刃が、無念にも針の頭のように縮められて、九寸五分の先へ来てやむをえず尖ってるのを見て、たちまちぐさりとやりたくなった。身体の血が右の手首の方へ流れて来て、握っている束がにちゃにちゃする。唇が顫えた。
短刀を鞘へ収めて右脇へ引きつけておいて、それから全伽を組んだ。――趙州曰く無と。無とは何だ。糞坊主めとはがみをした。
奥歯を強く咬み締めたので、鼻から熱い息が荒く出る。こめかみが釣って痛い。眼は普通の倍も大きく開けてやった。
懸物が見える。行灯が見える。畳が見える。和尚の薬缶頭がありありと見える。鰐口を開いて嘲笑った声まで聞える。怪しからん坊主だ。どうしてもあの薬缶を首にしなくてはならん。悟ってやる。無だ、無だと舌の根で念じた。無だと云うのにやっぱり線香の香がした。何だ線香のくせに。
自分はいきなり拳骨を固めて自分の頭をいやと云うほど擲った。そうして奥歯をぎりぎりと噛んだ。両腋から汗が出る。背中が棒のようになった。膝の接目が急に痛くなった。膝が折れたってどうあるものかと思った。けれども痛い。苦しい。無はなかなか出て来ない。出て来ると思うとすぐ痛くなる。腹が立つ。無念になる。非常に口惜しくなる。涙がほろほろ出る。ひと思に身を巨巌の上にぶつけて、骨も肉もめちゃめちゃに砕いてしまいたくなる。
それでも我慢してじっと坐っていた。堪えがたいほど切ないものを胸に盛れて忍んでいた。その切ないものが身体中の筋肉を下から持上げて、毛穴から外へ吹き出よう吹き出ようと焦るけれども、どこも一面に塞がって、まるで出口がないような残刻極まる状態であった。
\subsection{そのうちに頭が変になった。}
行灯も蕪村の画も、畳も、違棚も有って無いような、無くって有るように見えた。と云って無はちっとも現前しない。ただ好加減に坐っていたようである。ところへ忽然隣座敷の時計がチーンと鳴り始めた。
はっと思った。右の手をすぐ短刀にかけた。時計が二つ目をチーンと打った。
\section{第三夜}
\subsection{こんな夢を見た。}
六つになる子供を負ってる。たしかに自分の子である。ただ不思議な事にはいつの間にか眼が潰れて、青坊主になっている。自分が御前の眼はいつ潰れたのかいと聞くと、なに昔からさと答えた。声は子供の声に相違ないが、言葉つきはまるで大人である。しかも対等だ。
\end{document}
たびたび恐れ入ります.山下と申します.
jsarticle に tombow オプションをつけたところ,ページがトンボの外側に出てしまいます.
ページの出力位置をトンボの内側(内側ギリギリ?)に直すためには何らかの寸法を調整する必要があるのでしょうが,どこを直したらよいのかが分かりません.
直し方をご存知の方,ご教示お願い致します.
\documentclass[a4j,12pt,twoside,tombow]{jsarticle}
\pagestyle{headings}
\paperwidth = 148.0truemm
\paperheight = 211.0truemm
\hoffset = 105.0truemm\advance\hoffset-.5\paperwidth\advance\hoffset-1in
\voffset = 148.5truemm\advance\voffset-.5\paperheight\advance\voffset-1in
\textwidth = 110.0truemm
\textheight = 165.0truemm
\oddsidemargin = 23.0truemm\advance\oddsidemargin-1in
\evensidemargin = 15.0truemm\advance\evensidemargin-1in
\topmargin = 17.0truemm\advance\topmargin-1in
\headheight = 4.0truemm
\headsep = 7.0truemm
\topskip = 0.0truemm
\begin{document}
夢十夜
夏目漱石
青空文庫より頂いたものです.
\section{第一夜}
\subsection{こんな夢を見た。}
腕組をして枕元に坐っていると、仰向に寝た女が、静かな声でもう死にますと云う。女は長い髪を枕に敷いて、輪郭の柔らかな瓜実顔をその中に横たえている。真白な頬の底に温かい血の色がほどよく差して、唇の色は無論赤い。とうてい死にそうには見えない。しかし女は静かな声で、もう死にますと判然云った。自分も確にこれは死ぬなと思った。そこで、そうかね、もう死ぬのかね、と上から覗き込むようにして聞いて見た。死にますとも、と云いながら、女はぱっちりと眼を開けた。大きな潤のある眼で、長い睫に包まれた中は、ただ一面に真黒であった。その真黒な眸の奥に、自分の姿が鮮に浮かんでいる。
自分は透き徹るほど深く見えるこの黒眼の色沢を眺めて、これでも死ぬのかと思った。それで、ねんごろに枕の傍へ口を付けて、死ぬんじゃなかろうね、大丈夫だろうね、とまた聞き返した。すると女は黒い眼を眠そうに見張ったまま、やっぱり静かな声で、でも、死ぬんですもの、仕方がないわと云った。
じゃ、私の顔が見えるかいと一心に聞くと、見えるかいって、そら、そこに、写ってるじゃありませんかと、にこりと笑って見せた。自分は黙って、顔を枕から離した。腕組をしながら、どうしても死ぬのかなと思った。
しばらくして、女がまたこう云った。
「死んだら、埋めて下さい。大きな真珠貝で穴を掘って。そうして天から落ちて来る星の破片を墓標に置いて下さい。そうして墓の傍に待っていて下さい。また逢いに来ますから」
自分は、いつ逢いに来るかねと聞いた。
「日が出るでしょう。それから日が沈むでしょう。それからまた出るでしょう、そうしてまた沈むでしょう。――赤い日が東から西へ、東から西へと落ちて行くうちに、――あなた、待っていられますか」
自分は黙って首肯いた。女は静かな調子を一段張り上げて、
「百年待っていて下さい」と思い切った声で云った。
「百年、私の墓の傍に坐って待っていて下さい。きっと逢いに来ますから」
自分はただ待っていると答えた。すると、黒い眸のなかに鮮に見えた自分の姿が、ぼうっと崩れて来た。静かな水が動いて写る影を乱したように、流れ出したと思ったら、女の眼がぱちりと閉じた。長い睫の間から涙が頬へ垂れた。――もう死んでいた。
自分はそれから庭へ下りて、真珠貝で穴を掘った。真珠貝は大きな滑かな縁の鋭どい貝であった。土をすくうたびに、貝の裏に月の光が差してきらきらした。湿った土の匂もした。穴はしばらくして掘れた。女をその中に入れた。そうして柔らかい土を、上からそっと掛けた。掛けるたびに真珠貝の裏に月の光が差した。
それから星の破片の落ちたのを拾って来て、かろく土の上へ乗せた。星の破片は丸かった。長い間大空を落ちている間に、角が取れて滑かになったんだろうと思った。抱き上げて土の上へ置くうちに、自分の胸と手が少し暖くなった。
\subsection{自分は苔の上に坐った。}
これから百年の間こうして待っているんだなと考えながら、腕組をして、丸い墓石を眺めていた。そのうちに、女の云った通り日が東から出た。大きな赤い日であった。それがまた女の云った通り、やがて西へ落ちた。赤いまんまでのっと落ちて行った。一つと自分は勘定した。
しばらくするとまた唐紅の天道がのそりと上って来た。そうして黙って沈んでしまった。二つとまた勘定した。
自分はこう云う風に一つ二つと勘定して行くうちに、赤い日をいくつ見たか分らない。勘定しても、勘定しても、しつくせないほど赤い日が頭の上を通り越して行った。それでも百年がまだ来ない。しまいには、苔の生えた丸い石を眺めて、自分は女に欺されたのではなかろうかと思い出した。
すると石の下から斜に自分の方へ向いて青い茎が伸びて来た。見る間に長くなってちょうど自分の胸のあたりまで来て留まった。と思うと、すらりと揺ぐ茎の頂に、心持首を傾けていた細長い一輪の蕾が、ふっくらと弁を開いた。真白な百合が鼻の先で骨に徹えるほど匂った。そこへ遥の上から、ぽたりと露が落ちたので、花は自分の重みでふらふらと動いた。自分は首を前へ出して冷たい露の滴る、白い花弁に接吻した。自分が百合から顔を離す拍子に思わず、遠い空を見たら、暁の星がたった一つ瞬いていた。
「百年はもう来ていたんだな」とこの時始めて気がついた。
\section{第二夜}
\subsection{こんな夢を見た。}
和尚の室を退がって、廊下伝いに自分の部屋へ帰ると行灯がぼんやり点っている。片膝を座蒲団の上に突いて、灯心を掻き立てたとき、花のような丁子がぱたりと朱塗の台に落ちた。同時に部屋がぱっと明かるくなった。
襖の画は蕪村の筆である。黒い柳を濃く薄く、遠近とかいて、寒むそうな漁夫が笠を傾けて土手の上を通る。床には海中文殊の軸が懸っている。焚き残した線香が暗い方でいまだに臭っている。広い寺だから森閑として、人気がない。黒い天井に差す丸行灯の丸い影が、仰向く途端に生きてるように見えた。
立膝をしたまま、左の手で座蒲団を捲って、右を差し込んで見ると、思った所に、ちゃんとあった。あれば安心だから、蒲団をもとのごとく直して、その上にどっかり坐った。
お前は侍である。侍なら悟れぬはずはなかろうと和尚が云った。そういつまでも悟れぬところをもって見ると、御前は侍ではあるまいと言った。人間の屑じゃと言った。ははあ怒ったなと云って笑った。口惜しければ悟った証拠を持って来いと云ってぷいと向をむいた。怪しからん。
隣の広間の床に据えてある置時計が次の刻を打つまでには、きっと悟って見せる。悟った上で、今夜また入室する。そうして和尚の首と悟りと引替にしてやる。悟らなければ、和尚の命が取れない。どうしても悟らなければならない。自分は侍である。
もし悟れなければ自刃する。侍が辱しめられて、生きている訳には行かない。綺麗に死んでしまう。
こう考えた時、自分の手はまた思わず布団の下へ這入った。そうして朱鞘の短刀を引き摺り出した。ぐっと束を握って、赤い鞘を向へ払ったら、冷たい刃が一度に暗い部屋で光った。凄いものが手元から、すうすうと逃げて行くように思われる。そうして、ことごとく切先へ集まって、殺気を一点に籠めている。自分はこの鋭い刃が、無念にも針の頭のように縮められて、九寸五分の先へ来てやむをえず尖ってるのを見て、たちまちぐさりとやりたくなった。身体の血が右の手首の方へ流れて来て、握っている束がにちゃにちゃする。唇が顫えた。
短刀を鞘へ収めて右脇へ引きつけておいて、それから全伽を組んだ。――趙州曰く無と。無とは何だ。糞坊主めとはがみをした。
奥歯を強く咬み締めたので、鼻から熱い息が荒く出る。こめかみが釣って痛い。眼は普通の倍も大きく開けてやった。
懸物が見える。行灯が見える。畳が見える。和尚の薬缶頭がありありと見える。鰐口を開いて嘲笑った声まで聞える。怪しからん坊主だ。どうしてもあの薬缶を首にしなくてはならん。悟ってやる。無だ、無だと舌の根で念じた。無だと云うのにやっぱり線香の香がした。何だ線香のくせに。
自分はいきなり拳骨を固めて自分の頭をいやと云うほど擲った。そうして奥歯をぎりぎりと噛んだ。両腋から汗が出る。背中が棒のようになった。膝の接目が急に痛くなった。膝が折れたってどうあるものかと思った。けれども痛い。苦しい。無はなかなか出て来ない。出て来ると思うとすぐ痛くなる。腹が立つ。無念になる。非常に口惜しくなる。涙がほろほろ出る。ひと思に身を巨巌の上にぶつけて、骨も肉もめちゃめちゃに砕いてしまいたくなる。
それでも我慢してじっと坐っていた。堪えがたいほど切ないものを胸に盛れて忍んでいた。その切ないものが身体中の筋肉を下から持上げて、毛穴から外へ吹き出よう吹き出ようと焦るけれども、どこも一面に塞がって、まるで出口がないような残刻極まる状態であった。
\subsection{そのうちに頭が変になった。}
行灯も蕪村の画も、畳も、違棚も有って無いような、無くって有るように見えた。と云って無はちっとも現前しない。ただ好加減に坐っていたようである。ところへ忽然隣座敷の時計がチーンと鳴り始めた。
はっと思った。右の手をすぐ短刀にかけた。時計が二つ目をチーンと打った。
\section{第三夜}
\subsection{こんな夢を見た。}
六つになる子供を負ってる。たしかに自分の子である。ただ不思議な事にはいつの間にか眼が潰れて、青坊主になっている。自分が御前の眼はいつ潰れたのかいと聞くと、なに昔からさと答えた。声は子供の声に相違ないが、言葉つきはまるで大人である。しかも対等だ。
\end{document}
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(現在の返信数: 5)
pdf ファイルの指定方法、includegraphics
- 佐藤 禎宏 の投稿
質問内容を説明するために test.tex を書きます。
\documentclass{jsarticle}
\usepackage[dvipdfmx,hiresbb]{graphicx}
\usepackage{amsmath,amssymb}
%\newcommand{\file}{lognmame.pdf}
\begin{document}
\begin{figure}[htbp]
\begin{center}
\includegraphics[width=10cm]{./grf/a/longname.pdf}
% \includegraphics[width=10cm]{./grf/a/\file} % error
\end{center}
\caption{\textsf{/a/longname} }
\end{figure}
\begin{figure}[htbp]
\begin{center}
\includegraphics[width=10cm]{./grf/b/longname.pdf}
\end{center}
\caption{\textsf{/b/longname }}
\end{figure}
\end{document}
2回 longname.pdf が現れます。(簡単にするため 2回にしています。)
この longname.pdf を短い file で置き換える方法をお尋ねします。
よくわからずに \newcommand{\file}{longname.pdf} で試みたのですがエラーでした。
シェルの場合、 file=longfile.pdf をセットして、$file で使えます。
この機能を LaTeX で使えれば便利と思い質問した次第です。よろしくお願いします。
このトピックを読む
(現在の返信数: 7)
luaotfload v2.2 で TrueType フォントの表示が乱れる
- 北川 弘典 の投稿
先日更新された luaotfload を使うと
一部の TrueType フォントで
指定サイズより著しく大きく/小さく表示されてしまいます.
下のソースを処理させてみると,「あいうえお」が
IPA・CODE2000 は小さく,
HGゴシックE は大きく表示されてしまいます.
(添付した tar.gz 中にも含めました)
------
%#!lualatex
\documentclass{article}
\usepackage{fontspec}
\begin{document}\fontspec{KozMinPro-Regular.otf}
\begin{tabbing}
ああああああああああ\=\kill
小塚明朝 Pro R \>\vrule{\fontspec{KozMinPro-Regular.otf}あいうえお}\vrule\\
小塚明朝 Pr6N R \>\vrule{\fontspec{KozMinPr6N-Regular.otf}あいうえお}\vrule\\
IPA明朝 \>\vrule{\fontspec{ipam.ttf}あいうえお}\vrule\\
IPAex明朝 \>\vrule{\fontspec{ipaexm.ttf}あいうえお}\vrule\\
IPAゴシック \>\vrule{\fontspec{ipag.ttf}あいうえお}\vrule\\
IPAexゴシック \>\vrule{\fontspec{ipaexg.ttf}あいうえお}\vrule\\[2\baselineskip]
HGゴシックE \>\vrule{\fontspec{hgrge.ttc}あいうえお}\vrule\\[.2\baselineskip]
HGゴシックE (04)\>\vrule{\fontspec{hgrge04.ttc}あいうえお}\vrule\\
和田研細丸ゴチ04\>\vrule{\fontspec{wlcmaru20044u.ttf}あいうえお}\vrule\\[.2\baselineskip]
CODE2000 \>\vrule{\fontspec{code2000.ttf}あいうえお}\vrule
\end{tabbing}
\end{document}
------
小塚の em size が 1000 なのに対し,
IPA・CODE2000 の em size は 2048,
HGゴシックE の em size は 256 になっているので,
em size に比例して小さく表示されているような気がします.
一部の TrueType フォントで
指定サイズより著しく大きく/小さく表示されてしまいます.
下のソースを処理させてみると,「あいうえお」が
IPA・CODE2000 は小さく,
HGゴシックE は大きく表示されてしまいます.
(添付した tar.gz 中にも含めました)
------
%#!lualatex
\documentclass{article}
\usepackage{fontspec}
\begin{document}\fontspec{KozMinPro-Regular.otf}
\begin{tabbing}
ああああああああああ\=\kill
小塚明朝 Pro R \>\vrule{\fontspec{KozMinPro-Regular.otf}あいうえお}\vrule\\
小塚明朝 Pr6N R \>\vrule{\fontspec{KozMinPr6N-Regular.otf}あいうえお}\vrule\\
IPA明朝 \>\vrule{\fontspec{ipam.ttf}あいうえお}\vrule\\
IPAex明朝 \>\vrule{\fontspec{ipaexm.ttf}あいうえお}\vrule\\
IPAゴシック \>\vrule{\fontspec{ipag.ttf}あいうえお}\vrule\\
IPAexゴシック \>\vrule{\fontspec{ipaexg.ttf}あいうえお}\vrule\\[2\baselineskip]
HGゴシックE \>\vrule{\fontspec{hgrge.ttc}あいうえお}\vrule\\[.2\baselineskip]
HGゴシックE (04)\>\vrule{\fontspec{hgrge04.ttc}あいうえお}\vrule\\
和田研細丸ゴチ04\>\vrule{\fontspec{wlcmaru20044u.ttf}あいうえお}\vrule\\[.2\baselineskip]
CODE2000 \>\vrule{\fontspec{code2000.ttf}あいうえお}\vrule
\end{tabbing}
\end{document}
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小塚の em size が 1000 なのに対し,
IPA・CODE2000 の em size は 2048,
HGゴシックE の em size は 256 になっているので,
em size に比例して小さく表示されているような気がします.
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(現在の返信数: 1)
新聞とウェブサイトの参考文献リストの書き方
- 匿 名 の投稿
こんにちは,
山下と申します.文献データベースを作る際の新聞とウェブサイトの書き方について,アドバイスをお願い致します.
参考文献に記載すべき事項としては,新聞の場合
・著者名(署名記事の場合)
・新聞名
・掲載日付,朝夕刊の別
・記事タイトル
ウェブサイトの場合,
・作者名(分かる場合)
・ページタイトル
・URL
・アクセス年月日
でよかろうと思っています.
これを bib ファイルにする方法がよく分かりません.例えば,
@misc{shinmai001,
journal = "信濃毎日新聞",
year = "2013年5月6日",
number = "朝刊1面",
note = "「南ア高山帯 銃でシカ駆除」"}
のように書いたのですが,なぜか journal と pages がリストに出ません.year に日付を書くのも若干気持ち悪い.「南ア…」は title として書くべきなのかもしれませんが,そうすると末尾に出ません.
ウェブサイトは,例えば
@misc{yakyu001,
author = "日本プロ野球機構",
title = "2013年度公式戦成績",
note = "\url{http://bis.npb.or.jp/2013/stats/}",
year = "(2013.5.4アクセス)"}
のように書いたのですが,アクセス日付の前の「,」を取り,かつ末尾に回せないものかなと思います.
上の疑問にお答え頂く形でも,そもそも全く別にこうすればいいというアドバイスでも,どちらでも構いませんので,ご教示お願い致します.
山下と申します.文献データベースを作る際の新聞とウェブサイトの書き方について,アドバイスをお願い致します.
参考文献に記載すべき事項としては,新聞の場合
・著者名(署名記事の場合)
・新聞名
・掲載日付,朝夕刊の別
・記事タイトル
ウェブサイトの場合,
・作者名(分かる場合)
・ページタイトル
・URL
・アクセス年月日
でよかろうと思っています.
これを bib ファイルにする方法がよく分かりません.例えば,
@misc{shinmai001,
journal = "信濃毎日新聞",
year = "2013年5月6日",
number = "朝刊1面",
note = "「南ア高山帯 銃でシカ駆除」"}
のように書いたのですが,なぜか journal と pages がリストに出ません.year に日付を書くのも若干気持ち悪い.「南ア…」は title として書くべきなのかもしれませんが,そうすると末尾に出ません.
ウェブサイトは,例えば
@misc{yakyu001,
author = "日本プロ野球機構",
title = "2013年度公式戦成績",
note = "\url{http://bis.npb.or.jp/2013/stats/}",
year = "(2013.5.4アクセス)"}
のように書いたのですが,アクセス日付の前の「,」を取り,かつ末尾に回せないものかなと思います.
上の疑問にお答え頂く形でも,そもそも全く別にこうすればいいというアドバイスでも,どちらでも構いませんので,ご教示お願い致します.
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(現在の返信数: 2)
TeX Live 2013 pretest + luaotfload + TFM
- 北川 弘典 の投稿
TeX Live 2013 pretest (x86_64-linux) で,
以下のソースをタイプセットさせました:
=== a.tex ===
%#!luatex
\input luaotfload.sty
\font\G=cmtt10
\G a
\end
===
pdf 自体は生成されますが,どうやら毎回
フォント名データベースを作りにいっているようです:
$ luatex a | grep luaotfload ; luatex a | grep luaotfload
(./a.tex (/opt/texlive/2013/texmf-dist/tex/luatex/luaotfload/luaotfload.sty
(/opt/texlive/2013/texmf-dist/tex/luatex/luaotfload/luaotfload.lua)(using write
Module luatexbase-mcb info: creating 'luaotfload.patch_font' type 4
Module luatexbase-mcb info: inserting 'luaotfload.pre_linebreak_filter'
Module luatexbase-mcb info: inserting 'luaotfload.hpack_filter'
Module luatexbase-mcb info: inserting 'luaotfload.define_font'
Module luatexbase-mcb info: inserting 'luaotfload.find_vf_file'
(luatexbase-mcb) at position 1 in 'luaotfload.patch_font'
luaotfload | Font names database loaded: /home/h7k/.texlive2013/texmf-var/luatex
luaotfload | Updating the font names database:
luaotfload | Scanning TEXMF fonts...
luaotfload | Scanning OS fonts...
luaotfload | Font names database saved: %s
(以下,全く同じ内容が繰り返される.略)
これでは大変不便です.
なぜこのような挙動になってしまうのでしょうか?
なお,使用している luaotfload は v1.28 (2013/04/11) で,
scripts/oberdiek/oberdiek.luatex.lua に次の修正を加えています:
55c55
< table.insert(package.loaders, kpse_module_loader)
---
> table.insert(package.searchers, kpse_module_loader)
以下のソースをタイプセットさせました:
=== a.tex ===
%#!luatex
\input luaotfload.sty
\font\G=cmtt10
\G a
\end
===
pdf 自体は生成されますが,どうやら毎回
フォント名データベースを作りにいっているようです:
$ luatex a | grep luaotfload ; luatex a | grep luaotfload
(./a.tex (/opt/texlive/2013/texmf-dist/tex/luatex/luaotfload/luaotfload.sty
(/opt/texlive/2013/texmf-dist/tex/luatex/luaotfload/luaotfload.lua)(using write
Module luatexbase-mcb info: creating 'luaotfload.patch_font' type 4
Module luatexbase-mcb info: inserting 'luaotfload.pre_linebreak_filter'
Module luatexbase-mcb info: inserting 'luaotfload.hpack_filter'
Module luatexbase-mcb info: inserting 'luaotfload.define_font'
Module luatexbase-mcb info: inserting 'luaotfload.find_vf_file'
(luatexbase-mcb) at position 1 in 'luaotfload.patch_font'
luaotfload | Font names database loaded: /home/h7k/.texlive2013/texmf-var/luatex
luaotfload | Updating the font names database:
luaotfload | Scanning TEXMF fonts...
luaotfload | Scanning OS fonts...
luaotfload | Font names database saved: %s
(以下,全く同じ内容が繰り返される.略)
これでは大変不便です.
なぜこのような挙動になってしまうのでしょうか?
なお,使用している luaotfload は v1.28 (2013/04/11) で,
scripts/oberdiek/oberdiek.luatex.lua に次の修正を加えています:
55c55
< table.insert(package.loaders, kpse_module_loader)
---
> table.insert(package.searchers, kpse_module_loader)
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\hbox{\kern0pt (}M とした時の括弧とMの空き
- Akira Kakuto の投稿
pandoc で PDF変換 エラー
- 浮亭 夢介 の投稿
lualatexの力を借りてMarkdown ファイル sample.txt を pandoc を使って PDF に変換しようとすると次のエラーが出ました.(以前(2012/9頃)は正しく処理出来た) 対処方法よろしくお願いします.
--------------------
C:\Users> pandoc sample.txt -o sample.pdf -V documentclass=ltjsarticle --latex-engine=lualatex
! LaTeX Error: *** NFSS release 1 command \define@mathgroup found
*** Recovery not possible. Use \DeclareSymbolFont.
l.53 \define@mathgroup
--------------------
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(現在の返信数: 4)