情報教育特集号

情報処理学会から情報教育~理論・評価・展望~特集への論文投稿のご案内。今回は編集委員でなくなったので,投稿するチャンスだが,11月26日に間に合うか。

新しい教授法が従来の方法より効果があることを示すのは難しい。医学のように二重盲検法が適用できない。そもそも教育の場ではランダマイズするだけでも難しい。アンケートに頼らざるをえないことも多い。その場合,例えば5段階で評価してもらうといったリッカート尺度になる。平均を出したりt検定したりして論文に載せると,回答1-2-3-4-5はそもそも間隔尺度でないので平均をとることは無意味だとか,正規分布でないのでt検定は無意味だとか,いろいろ難癖が付けられる。

しかしt検定に意味がないわけではない。回答1-2-3-4-5が何尺度か何分布かにかかわらず,その平均は人数がある程度多ければほぼ正規分布になる(中心極限定理)。昔ただのrand()を12個足して6引いて正規分布 N(0,1) にほぼ従う乱数を発生させることがあったが,6σ以上は出ないものの,通常問題になる2σや3σまではほぼ正規分布と見なして問題なかったことを考えれば,各群に12人ほどいれば,新しい教授法の効果がない(したがって両群の平均値に差がない)という帰無仮説をt検定するのは実用上問題ない(そもそもp値は1桁の精度があれば十分足りる)。間隔尺度から外れていても,平均値は両群の違いを調べるためのパラメータとして有用であるし,下手なノンパラメトリック法を使うより検出力がある。

平均値という間隔尺度的な概念を一掃するにはメジアンを使えばいいが,タイが起こりやすくなるので,タイを破る方法を考えなければならない。これはこのブログでも何度か書いた投票の問題でRange Votingが平均値を使うのは妥当かという問題とも関連する。

投稿される方は かな

投稿される方は
かならず
「新しいLaTeXのスタイルファイル」を
入手してくださいね.
レイアウトが大幅に変わっているので
旧来の印刷冊子用のスタイルで作ってしまうと
著者校正も大変ですよ.

新しいLaTeXのスタイルファイル

論文誌ジャーナル執筆案内 にあるものですね。ちょっと見つけにくいところに置いてありますね。このLaTeXスタイルは今はどなたがサポートされているのでしょうか。

この横置きの形式が流行ると,せっかくディスプレイを縦置きにしたのを元に戻さなければならなくなるなぁ。デュアルディスプレイにして片方を縦,片方を横にすればいいのか。

.rsrc

今気がつきましたが(前にも気がついたことの再発見かもしれませんが)ipsj-unix.tgz を展開するとできる .rsrc というディレクトリ(とその中の64バイトのファイル多数)は何でしょう? Macのリソースフォーク?

UNIX用(tgz),Mac用(sit,sea),DOS用(lzh)があって,Windows用(zip)がないのは,何か意図があるのでしょうか。:-)

不思議なことに

 ああ、きちんとしたものが書けそうにないんで応募できません。
 で、不思議なことに、「情報科学・情報工学、教育学的見地からの」云々となっているのに、編集委員長、幹事、委員がほぼ情報科学・情報工学の分野の人だけで構成されているように見えるのは僕の目の錯覚でしょうか。(初等中等の現場経験のある人も一人か二人ぐらいだし)
 教育学や教育評価の専門家がいないような。

12個の一様乱数から正規乱数

RubyのrandがMersenne Twisterなのでrand+…+rand-6をちょっとやってみました(大昔もやってみたと思うけれど)。|z|>2が本来ならば4.55%起きるところが4.45%,|z|>3が0.27%起きるところが0.20%程度といったところでした。12個くらいあればp=5%とか1%あたりは十分近似できることが言えるだろうと思います。これはその次の記事のコメントで「分布の分散が大きくなるので,正規分布とみなせるサンプル数が多く必要になる」と書いていただいたことに対して,一様分布という分散が大きい分布でも十分速く正規分布に近づくということをいうための実験でした。

乱数生成という点からは,今の計算機は十分速いのでこんな便法を使う必要はないのですが,中心極限定理の例としておもしろいと思います。

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