ウィキメディア財団理事選挙

ウィキペディアの各記事の頭に「ウィキメディア財団理事選挙の開票結果が発表されています」というアナウンスが付いている。見ると何やらややこしいマトリックスが。あ,そうだ。Gaming the Voteで読んだんだった。第13章,Debian ProjectがCondorcet(コンドルセ)votingの一種でMarkus Schulze(シュルツェ)による方法を採用。Wikipediaなどのオンラインコミュニティもそれに倣う。

各投票者は全候補者を順位付けする。候補者Aの順位をBの順位より上にする票が逆より多いことをA > Bと書けば,A > B,A > C,A > D,……が成り立てばAがCondorcet winnerで明らかに当選。そうでない場合はループができ,満足できる解決法は一般に存在しない(Arrowの定理)。ではどうしてオンラインコミュニティでSchulzeの方法が好んで用いられるのか。Gaming the Voteの本ではそこまでわからなかった。複雑なアルゴリズムを使わないと勝敗が決まらないところがコンピュータサイエンスっぽいからいいのかもしれない。Gaming the Voteはもっと単純でループの生じないRange Votingを推奨する。

日本語版Wikipediaで起きた落選運動の実例

理事選挙ですか。ユニークですね。しかし日本においては、編集をめぐり他者との関係で問題はあったとしても、Wikipediaの設立期に多大な貢献をした女性の参加者を、いい歳した男達、しかも管理者や常連が寄ってたかって「よくも海外で立候補したな」とばかり、一人を徹底的に集団いじめした挙句、それを正当化して何ら恥じていないという側面も知っておいた方がいいと思います。

http://ja.wikipedia.org/wiki/Wikipedia:%E6%8A%95%E7%A8%BF%E3%83%96%E3%83...
http://ja.wikipedia.org/wiki/Wikipedia:%E6%8A%95%E7%A8%BF%E3%83%96%E3%83...
http://meta.wikimedia.org/wiki/Stewards/elections_2007/statements/Aphaia

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