後注を含む文章を書いているのですが,hyperref を使ったリンクが正しく張れなくて困っています.ちょっと長いのですが再現ソースを示すと同時に,dvipdfmx で作った PDF ファイルを添付します.解決策はあるでしょうか?
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\documentclass[uplatex,dvipdfmx,ja=standard,b5paper,11pt,openany]{bxjsbook}
\usepackage{amsmath}
\usepackage[T1]{fontenc}
\usepackage{lmodern}
\usepackage{enotez}
\newcommand\myendnotesize{\small\baselineskip=12pt}
\DeclareInstance{enotez-list}{myendnote}{paragraph}{heading=\section*{#1},notes-sep=3pt,format=\myendnotesize}
\setenotez{list-style=myendnote,list-name={後注},reset=false,backref=true}
\usepackage[dvipdfmx, colorlinks=true, bookmarks=true, bookmarksnumbered=true,%
bookmarkstype=toc, filecolor=blue, urlcolor=blue, linkcolor=blue,%
linktocpage=true, citecolor=red, menucolor=black,%
pdfnewwindow=true, breaklinks=false]{hyperref}
\begin{document}
\chapter{脚注と後注}
\section{脚注と後注の使い分け}
一般に脚注はできるだけ避けるべきだが,読んでいるページの下部にちょっとした注\footnote{ちょっとした注とは,単語の別称などの短く形式的な内容が望ましい.\label{fn:Simple footnote}}があるのはページをめくる必要がないので便利だ.
しかしときに本文とは別に長い注を書きたくなる場合がある.翻訳本で訳者が著者と異なる見解を持っていて,訳者なりの論旨を展開したい場合%
\endnote{これは訳者の役割を逸脱した越権行為だと言われるかもしれないが,学術本ではときどき見かける.著者から拒否される場合があるだろうが,それは翻訳出版の契約次第だ.\label{enote:Translator's role}}%
や,数式の導出の補足%
\endnote{空気密度,対気速度,揚力係数,抗力係数,代表面積をそれぞれ$\rho$, $v$, $C_\mathrm{L}$, $C_\mathrm{D}$, $S$とすると,揚力$L$と抗力$D$はそれぞれ,
\begin{align}
L &= (1/2)\rho v^2 S C_\mathrm{L}, \\
D &= (1/2)\rho v^2 S C_\mathrm{D},
\end{align}
と書ける.}\label{enote:Lift and drag}%
を行いたい場合などだ.ただし脚注と後注の併用は避けるべきだ.番号や記号の付け方をどう区別したとしても読者を混乱させてしまう可能性があるからだ.
\section{脚注や後注へのリンク}
ところで脚注自体を本文や他の注の中から参照したい場合は\verb|footnote{}|\,のカッコ内に\verb|label|を書いておくことで脚注番号が正しく得られ,\verb|hyperref|パッケージを使ってリンクも張れる\footnote{実は\texttt{hyperref}のマニュアルには\texttt{footnote}も\texttt{endnote}も\emph{サポートしない}と明記してある.}.さきほど挿入した第1の脚注の番号とリンクは\ref{fn:Simple footnote}だ.
ところが後注の場合,最近開発中のパッケージである\verb|enotez|を使うと,同じやり方では第1の後注の番号が\ref{enote:Translator's role}となって正しく得られない,がリンク先は正しい.\verb|endnote{}|\,のカッコ外側直後に\verb|label|を置けば第2の後注番号は正しく\ref{enote:Lift and drag}と得られる.しかし張られたリンクが指すのは後注自体ではなく本文中の注番号なのだ.これでは不便だ.脚注と同じように後注本文を指すようにするにはどうすればよいのだろうか?
\printendnotes
\end{document}
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脚注や後注へのリンク
- Toshio Otaguro の投稿