最近出た本のいくつかはヒラギノ+Palatinoで組んであるものがあり,美文書の影響かもしれませんし,Mac上でDTP感覚でpTeXが使われるようになった証左かもしれません。
Mac OS X 10.5,10.6のヒラギノはAdobe-Japan1-6に対応しているはずです。また,JIS2004対応のProNが入っています。
しかし,今のptexliveのデフォルトではProのほうを使うようになっています。また,otfパッケージもAdobe-Japan1-5止まりだと思います。
ProNにしてCMapを変えてJIS2004対応にする方法は0213:2004対応CMap?のスレッドで教えていただきましたので,さっそく私もJISX0213-2004-HとUniJIS2004-UTF16-Hを使ってやってみました。
一方,otfパッケージ(とdvipdfmx)をAdobe-Japan1-6対応にするのはどなたかされているでしょうか。せっかくの1-6対応ヒラギノですので何とかならないかと思っています。
奥村先生、
「TeX Q&A」においてここ2週間くらい「otfパッケージ」と「hiraprop」について、モリサワPr6Nフォントへの対応の仕方を3人の方の指導を受けながら作成をしている方がおられるようです。これに取り組んでいるのが、今泉さんとかいう方でしたね…。
モリサワPr6Nフォントへの対応ができれば、自ずとヒラギノProNフォントにも同様の方策が適用できるはずです。
ヒラギノProNフォントはAJ1-6規格(・JIS2004対応)の真部分集合からなっているからです。
OTFパッケージ・hiraprop自体はヒラギノProフォント(AJ1-5規格・JIS2000対応)を想定して作られており、JIS2004対応を考えるなら、ofm・tfm・vfといったファイルの作成を0から作るところから始めなければなりません。
もし、可能でしたら、彼に何かしらの支援(アドバイス)をしていただけると先生のお望みになっていることが実現すると思うのですが…。
以上、よろしくお願いいたします。
>・otfパッケージを開発版にする
直すべきところがたくさんあるので、ちょっとお待ち下さい。
>・ProNがあればそちらにもシンボリックリンクをはる
やってみました。ProN は違う名前にして、共存させます。
>・例えば updmap-sys --setoption kanjiEmbed hiragino とすれば従来通りの字形で,hiraginoN などとすれば2004字形になるという具合に切り替えられるようにする
やりたいのですが、どの CMap を使えばよいのか、よくわかりませんでした。Identity-H/V はそのままですよね。UniJIS-UTF16-H/V は何に差し替える?H/V はどうなんでしょう?
UniJIS-UTF16-HはUniJIS2004-UTF16-Hに,
HはJISX0213-2004-Hに,
それぞれ差し替えればいいだろうと思います。
UniJIS2004-UTF16-H/Vはたしかすでにptexliveでインストールできましたよね(記憶違いかもしれません。O'ReillyのサイトのLundeの本のサンプルにあるのが元のものだと思います)。
JISX0213-2004-H/Vはこのスレッドの2番目のメッセージで本田さんが紹介してくださっているttkさんのパッケージの中にありました。
質問ですが、2004字形に切替えることと、ProN フォントを使うことは、独立した話のようにも思えるのですが、従属扱いでよいのでしょうか。つまり、非埋め込みで2004字形という選択肢には意味がないのでしょうか(今のところ?将来永劫?)。ProN を従来字形で使いたいという需要は無視してよいでしょうか。
(追記・Pro と ProN のフォントは、使いわけができるように異なるシンボリックリンクを用意しようとしています。hiragino を指定した場合は、Pro を用いて従来字形というふうに理解しました。しかし ProN のある環境では Pro は用いないという戦略であれば、考えなくてよい問題です。)
違うことが書いてあるページを見つけたので,10.5についての私の記憶が間違っているのかもしれません。怪しげな記憶に基づいて書いてすみません。m(__)m
本当はOpenTypeフォントの中にCMapテーブルも入っているはずなので,それを取り出すのが一番なのでしょうが,どうやればいいのかよくわかっていません。
いつも参考にさせていただいている直井さんのブログです:
http://d.hatena.ne.jp/NAOI/20071206/1196924599
http://d.hatena.ne.jp/NAOI/20080108/1199763564
土村様、奥村先生
Pro, ProN ともにある環境(Leoperd・Snow Leopard)についてですが、下記の方がいいのではないかと思うのですが…。
updmap へのオプション |
用いるフォント |
字形 |
hiragino |
Pro |
2000(旧) |
hiraginoN |
ProN |
2004(新) |
updmap へのオプション |
用いるフォント |
字形 |
morisawa | Pr6 |
1990(旧) Windows NT 5.0以前 |
morisawaN |
Pr6N |
2004(新) ※NT 5.1・NT 5.2はオプション導入でこうなります。 |
これを試してみました。ptexlive-20090227で、otf-ipa.mapを使うよう設定し
\documentclass{jsarticle}
\usepackage{otf}
\begin{document}
森\UTF{9DD7}外と内田百\UTF{9592}とが\UTF{9AD9}島屋に行くところを想像した。
\CID{7652}飾区の\CID{13706}野屋
\end{document}
というサンプルをコンパイル、dvipdfmxで変換すると
test.dvi -> test.pdf
[1]
** WARNING ** UCS-4 TrueType cmap table...
** WARNING ** Format 12 cmap table ... untested
** WARNING ** No Unicode mapping available: GID=13706
** WARNING ** UCS-4 TrueType cmap table...
** ERROR ** Invalid glyph index (gid 13706)
Output file removed.
となりました。IPAフォントは新しい003.02版(.ttf)を使いました。
> IPA フォントを OTF と組み合わせたら動いてなかったのでは...
これは恐らくサロゲートペアで構成される文字をPDFで表示したいで報告されているのと同じ現象だと思います。これは要するに、dvipdfmx のバグ(または制限仕様)ということになります。
まさかインチキ ToUnicode CMap を表立って使用するわけにはいかないので、dvipdfmx に対応してもらうしかなさそうです…。
Z.R. 様、奥村先生、
ヒラギノがAJ1-6規格・JIS2004対応といっても、完全対応ではないはずです。ヒラギノProNフォントはAJ1-6規格・JIS2004対応ですが、23,058グリフではなく、20,325グリフしかない(AJ1-6規格のサブセット・JIS2004対応である。)という点が小塚Pr6Nフォント・モリサワPr6Nフォントとの明確な違いです。
「W32TeX」ではその点が一応クリアーされていますが、従属欧文周りの整備を行い、CID番号の振られたグリフすべてに対し、純粋な和文のみならず従属欧文についても、遅かれ早かれいっきにカタをつけなければならない問題のように、掲示板の書き込みをみていて見受けられましたが…。
Z.R.様はいろいろとご指導なさっておられるとは思いますが、是非とも彼の求める、psitau様の着想をなぞることにさらなる一助になっていただければありがたいです。
奥村先生、おはようございます。
お調べになった通り、ヒラギノProNフォントはヒラギノProフォントより8グリフ多いだけです。
国家規格の変更に伴い、中国語繁体字のAdobe-CNS1-5がAdobe-CNS1-6に拡張された(新仕様書はまだ公開されていません。)ように、Adobe-Japan1-6N(以下このように略記します。)も年内にはAdobe-Japan1-7Nに拡張される可能性もありますね。しかし大日本スクリーンはこれ以上ヒラギノに数千にのぼるグリフの追録を行わないとの旨の考えを表明していますので、Adobe-Japan1-6N完全対応になる見込みは低そうです。
「Windows NT6.1(7) (32 / 64bit)」でも「Mac OS X v10.6」搭載のヒラギノ・Adobe-GB1-4規格完全準拠の中国語簡体字をそれぞれパッケージからインストール可能です(64bitOSの「Windows NT5.2(XP x64 Edition)」・「Windows NT6.0(Vista) (64bit)」にはインストールできないそうです)。