情報処理学会が緊急コメント

情報処理学会情報処理教育委員会が2005年後半から2006年初頭にかけての事件と情報教育の関連に関するコメントを発表。要約:情報処理教育をちゃんとやらんから変な事件が続くんじゃ。

[追記] メディアでの扱い:

HAL9000

将来の大人も大事だけど,今の大人もなんとかしないといけないんだろうとは思います。職場のコンピュータ関係の多くの部分を長年抱えこんでしまった結果,私自身がブラックボックス視されているのを感じます。

今の大人

久野です。今の大人を何とかというのはそうなんでしょうけど、具体的にどうするんでしょうね。それはよく分からないです。私としては、とにかく教育を何とかして、それで教育を受けた人たちが大人になるまでは耐え忍ぶのかなとか思ってます ^_^;

ああっ

こっそり思ってたことを久野先生に言われてしまった(^^;;
私も教員の端くれとして次の世代に同じ轍を踏ませたくないというか,本当はそれができれば御の字なのかもしれないとも思ってます。とてもついていけないような携帯文化をひっさげた彼らが進む方向がいいようになればいいなと。

朱に交われば赤くなる

>とにかく教育を何とかして、それで教育を受けた人たち
>が大人になるまでは耐え忍ぶのかなとか思ってます

で、だれがそういう教育をできるのでしょう!(^^)!
 まっとうな情報教育を受けていない「センセイ」が、コンピュータを使えうことを「情報教育をしている」と勘違いして「情報」の免許を持たされて授業してるってることもあるし。
 情報処理システム部門で何かの実績がないとトップマネージメントにつけない、とでもしない限り、経営層は勉強しないだろうし、そうなると不幸は続きます。
 

「副学長の中にCIOがいる」

大学での話です。

本来なら「CIOを副学長にする」というのが正しいが、
現状は「副学長からCIO担当を選ぶ」という大学がほとんどでしょう。

という話を思い出しました。

農工大にはCIOがおられ

農工大にはCIOがおられるのですか。三重大のCIOっているのかな。

そこで「提言」ですよ!

久野です。教育者の問題は「鶏と卵」ですね、でも提言には社会人大学院で現職の先生がたもきちんと学び直して欲しいと言う内容がいちおう含まれています。国民全体の情報民度が上がってくれば、情報システムの分からないトップマネジメントなんて考慮外ということになるでしょう、絶対にそうなってほしいな〜。

教育も大切ですが啓蒙も

「提言」にあるような教育も大切ですが、「コメント」のような啓蒙のほうが今は重要な気がします。
船は綻びだらけで氷山にぶつかりそうなのに舵も切らず、船員や乗客に「船っていうのはスクリューがくるくる回っていて、、、」っていうのは悠長すぎるような、、、

啓蒙も教育もやります

氷山にぶつかりそうだから舵を切れ(コメントのこと)と叫んでいます。

でも、船の航海免許を出す時に「船っていうのはスクリューがくるくる回っていて、、、」って教えないで済ませている現状への指摘(提言のこと)も必要でしょ?それを悠長と言っていいのでしょうか?

それから、PC操作を船の操縦に例えるなら、船の乗客に対応するのは、自らはPCを操作せずに、他人にお金を払ってメールを作ってもらったり印刷してもらったりする人に対応します。そういう人にも、提言もコメントも必要でしょう。「『コンピュータでできそうなこと』の直観がないままお金を出せばどうにでもなる」って姿勢は、CIO不在ということにつながって…(以下、「コメント」へどうぞ)ということです。

何を教育、啓蒙するか

何を教育、啓蒙するかですね。
コンピュータの仕組を教えるだけでいいという話ではないですよね。(それが大切じゃないという話ではないです。念のため)

https://www.tokai-ic.or.jp/whats_net/
もぜひ御覧ください。

リツゼンとしますよね。

久野です。これ、すごいですね。しかしこの恐ろしさが分かる人がどれだけいるか。普通の高校生にも普通の大学生にも分からないでしょう。だからこそまともな管理者も育たないという気がして。

いかん、情処大会に行かなければ。

tssさんは

tssさんは有名なe-ontap事件のほかいろいろインターネットを救うための活動をされています。本当は怖いDNS。DNS勉強会出たいのですが時間が……

tssさんのコメントの繰り返しになってしまい

情報処理学会の方々は,何を教えるのが良いとお考えなのでしょうか?多分,DNSの仕組みとか使い方ではないですよね.そう思うと,教育すべきは,情報科学とか情報工学に属することではなくて,論理的思考力とか,仕事を請ける姿勢とか,そういうものではないかと思ってしまいます.

反論します。

まるで「情報処理学会の人は、何故教えるのか、何のために教えるのか」ばかりで、「何を教えるのか」「どう教えるのか」については全く考えてないチャランポランと批判されているようなので、反論します。

「何を教えるの?」への回答ですが、我々は「試作教科書」というアプローチを取っています。ご存知でしょうか?我々の広報が足りないということかも知れませんが、もう、7年も前から公開していますし、現在検討されている新しい指導要領に対しても、すでに半年以上前から作っているのです。

まず、
http://ce.tt.tuat.ac.jp/InformationStudy/index.html
に、1998年10月に公開したものを置いてあります。

「情報」の学習指導要領は1999年3月に公表されていますから、それより前に公開したということになります。確か、試作教科書を作る前に、「情報A」「情報B」「情報C」の3つを置くことや、それぞれの性格づけについては公開されていて、そこで、それに沿った具体的な提案としての試作教科書だったと覚えています。ということで、上記試作教科書の「情報B」のところに、プログラム作成などが入っていますが、情報Aや情報Cでも、HTMLをスクラッチする話がでています。「こういう教科書が使われるような指導要領であって欲しい」という意味で作りました。

また、
http://ce.tt.tuat.ac.jp/sigps/
の下の方に「試作教科書」というリンクがあります。これが、現在作成中の中途半端なものですが、次の指導要領改訂のことを考えて作っているものです。

これを御覧頂いて、是非とも、御意見を賜わればと思います。できれば、informationstudy ML でおねがいします。http://ce.tt.tuat.ac.jp/ML/ から御登録下さい。

それから「どう教えるか」については、オーム社から「情報科教育法」という本を出しています。著者の主要なメンバーは情報処理学会CE研究会のメンバーです。いまみると、ちょっと古くなったような気もしますが、これもまた「何もしていない」というわけではないです。

それとも、こういうことではなく、別のことで「情報処理学会の方々は,何を教えるのが良いとお考えなのでしょうか?」の回答をお望みでしたら、是非教えて下さい。取り組みますので。

どこで議論するのがいいでしょうね

> まるで「情報処理学会の人は、何故教えるのか、何のために教えるのか」ばかりで、「何を教えるのか」「どう教えるのか」については全く考えてない

まるっきり反対のような気がしますが、、、

どこで議論するのがいいでしょうね。
教科「情報」をどうしたらいいとか、情報処理教育という範疇の議論ではないと思っています。

議論する場所

議論はここでもTSSさんのところでも辰己さんのところでもオープンにしていただいたほうが情報教育課程の学生に読んで考えさせるためにありがたかったりします。

さすがに「全く考えてない」とは

さすがに「全く考えてない」とは思っていません.ただ,あの提言からは,何を教えようとしてるのかが漠然としか伝わってこないと感じています.提言からすると,「情報処理と情報システムの原理」を教えることになると思います.しかし,情報処理の原理・情報システムの原理というのは,専門家内であっても解釈の分かれる用語ではないでしょうか?ある人は,プログラムの(動作の)原理・コンピュータシステムの原理と解釈するでしょうし,別の人は情報理論的な解釈をするでしょう.あるいは,さらに別の解釈をする人もいると思います.
 また,私の言語感覚では,1番目の解釈が近いのですが,その場合,現状の問題点の解決にはならないだろうとも考えています.では,この解釈が間違っているかというと,
http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/blog/node/473#comment
で紹介された筧先生へのインタビューからは,それほど間違っているようには感じられないのです.そうすると,現在のアプローチに対して,「それで良い方向に向かうのだろうか?」という疑問が涌いてしまうのです.

 なお,ここまでは「提言」に絞って書いたのですが,ここから先は,辰己さんにご紹介いただいたドキュメントを読まずに議論するわけには行かなさそうですね.まだ,斜めにしか読んでいないので,少し時間をください.あと,ご紹介いただいたページは,高校教育のもののようですが,小・中学教育に関する情報があれば,教えていただけるとありがたいです.(高校教育のベースになっているようですので.)
 また,議論の場ですが,適当な場所を持ち合わせていないこともあって,ここに書かせていただきました.ご迷惑であれば,言っていただければ立ち去りますので,今回はご容赦ください.

ご意見ありがとうございます

どうぞここで議論してください。自分のサーバですので容量制限もdat落ちもありません

インターネットは慄然とする代物なのです

慄然としていただけたら、
「多くの国民がその基盤技術に不信感をもったまま」(コメントより)なんてのはまだまだ不十分な不信感であることもおわかりいただけるでしょう。
そして、インターネットがそもそも「適切な設計手法や開発体制を通じて重大な影響を避ける技術」(コメントより)で動いているものではなく、そのうえの情報システムはすべて砂上の楼閣であることをしっかり教育してもらえるならば良しとしましょう。でも皆がそれを理解したとして社会はどうなるのでしょうね。

一応そう知っておけばいいんでは。

久野です。どうしたらいいかの解答なしっていうのはずるいなあ。将来はネットというのは認証つきのVPNを通すだけの媒体になったりしてね、それはそれでしかたないような気がします。とりあえずDNSなんて信用できない「ことがある」というのはさっさと教えたいですね。ご教示ありがとうございました。

1番目の解釈でいいのでは。

久野です。提言は「すべての国民に手順的な自動処理の経験を持たせたい」という内容を書いたつもりですけど、それじゃ具体的じゃないでしょうか。または、それを持たせるとかえって悪いことが起きるというご主張でしょうか。

> 信用できない「こと

> 信用できない「ことがある」
という状態は「信用できない」とほとんど等価ではないでしょうか。たとえば、電子証明書にしても信用できないことがあると言う状態でどうやって信用すればいいのでしょう。(実際そうなりつつあります)

解決策がなければ、しょうがないからそのまま進むというのも変ですね。立ち止まって考えなくてはいけないのではないでしょうか。

# やっぱりblogで議論というのは無理があるかな

でも傍から読ませてい

でも傍から読ませていただいている者には今までよりお二人の論点の違いがわかるようになりました(一つ上はtssさんでしょうか)。
私は壊れているものを調べて考えるのが楽しいのでインターネットは大好きです。

事実と向かい合うしかない

>(一つ上はtssさんでしょうか)
はい。

私もインターネットはstupid networkであるところが好きだったのですが、それはEndがintelligentであることが前提でした。結局、幻想でしたね。かつてのインターネットは死にました。現在のゾンビ状態も長くは続かないでしょう。(頼りにすればするだけだめになっていくでしょう)
オーバーレイネットワークに救いを求める人たちもいますが、問題を見てみぬふりをするための技術です.IPv6もIPv4と手を切らない限り同類です。

インターネットは駄目

インターネットは駄目だ,の次に,だからこうするべきだ,がないので,久野さんの「どうしたらいいかの解答なしっていうのはずるいなあ」になって,議論が進まないのではないでしょうか。

どうするか

一緒に模索しましょう。

そうですね,一緒にが

そうですね,一緒にがんばりましょう。

まずはシューマッハー

解決策ってわけでもないですが、まずはこのあたりから、、、http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061587307/

tssさんが朝日新聞に

政府のウィニー対策 打つ手なく「使うな」と呼びかけ(朝日)に山口英先生の「乱暴だと言われるのは覚悟の上」,tssさんの「ウィニーに全責任を負わせても根本的な問題解決にはならない。政府はネット社会のリテラシー(活用能力)教育が教育現場でなされていない現状を直視し、充実させるきっかけにすべきだ」とのコメントが載っていました。

# シューマッハーの本,ひょっとしたら前にも読んだかもしれませんが,改めて注文しました。

スラドにすごい説明の

スラドにすごい説明のJPEGへのリンクがありますね
JPEGの中身は・・・

(1)ウィニーをつかわない
(2)(ネタばれしないように伏せます)

(1)だけでも方向性が違うのに(-_-;;

某TVのキャプチャです

某TVのキャプチャですね。すごい!コメンテータはどなたでしょうか

教育と啓蒙

"初等/中等/高等教育全体にわたり、すべての児童/生徒/学生が、情報の本質と情報処理の原理について学ぶ体制"
違う分野/業界で同じような思いを持っているので興味深く拝見しました。
おっしゃられることは、とても良くわかります。
問題は情報だけではなく、同じように教育が不十分であったり、まったくされていなかったりすると思っています。
重要な事柄の教育を考えると(そもそも出来ていない事がほとんどですが)
基本的な、コミュニケーションやマネジメントでさえ、十分な教育が行われていないですし。
各分野では、直接命にかかわる、例えば、交通事故を減らすには、事故にあっても死なないためには。とか、安全な食物とそうではない食物とか。信頼できる医療とそうではない医療。など
各々の業界で同じように思っていると思います。
そして、このような状態を改善していくには、どのような事を(各々の分野の専門家が)考えていけば良いでしょうか?
また、その分野でまともだと思える教育を初中高等教育で実施して行くことは可能でしょうか?
教育は、大切です。しかし、教育だけではなくもっと啓蒙のような活動も重要ではないでしょうか?

Re: 技術者残飯論と違いのわからない男達

トラックバックありがとうございます。
私は一行要約をブログに書かせていただいただけで,提言・緊急コメントを起草したのは情報処理学会の情報処理教育委員会です。委員会の立場上,情報処理教育という土俵の中での提言となっていますが,「技術者残飯論……」でお書きになったことは私自身も強く感じていることですし,おそらく他のかたがたも同様だろうと思います。これからも情報関係の諸学会が積極的にいろいろな発言を社会に対して行っていくことが大切だと思っています

奥村先生も…

久野です。バラしていいのかどうか知りませんけど、奥村先生、提言WGのメンバーですから。幕張合宿にもいらしていたし。ですから奥村先生に遠慮なく意見をブツけてください(w

はい,書いている雰囲

はい,書いている雰囲気から皆さんに察していただけているかとは思いますが,私も提言合宿に参加させていただきました。ここでもスラドでもおおいにご意見いただければ幸いです>皆様。

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