昨日のシンポジウム

昨日書いた今日のシンポジウムの続き。

早稲田大学で昨日行われた情報処理学会情報処理教育委員会シンポジウム高校教科「情報」の現状と将来に参加した。というか,私は「中の人」なんだろう。

このシンポの目的は情報処理学会情報処理教育委員会の「日本の情報教育・情報処理教育に関する提言2005」を宣伝しコメントをいただくことである。提言の中で私にとってのポイントは,高校の教科情報A・B・Cを一本化して大学入試に堪える科目にすることと,さらに「手順的な自動処理」(プログラミングの類)を学びたい生徒のための選択科目を置くことである(さらにいえば,Microsoft社製品への依存を薄めたい)。

最初にご講演いただいた文科省教科調査官の永井氏も同様の「私見」をご披露くださった。ただ,教科「情報」の立ち上げに複数科目が必要であり,かといって最初から2コマは無理だったので,A・B・Cは苦渋の策だったのだろう。

久野先生「プログラミングはおもしろいから教える。整列や探索のアルゴリズムを勉強してからそれをプログラムに直すという入り方はおもしろくない」。大岩先生「『おもしろいから教える』だけでは説得力がない」。フロアの水島先生@神戸女子短大「かつてN88BASICでプログラミングを教えようとしたときの失敗をまず総括しなければ」。天良先生(のご発言だったかな? 記憶があいまい)「情報科の人数は少なく力関係では他教科に負けるので上級の情報科目も他教科との選択ではなく複数の情報科目からの選択必修としてほしい」。フロアの東京都の進学校の先生:「3年生で情報をやっているが数学Bを教えている」。

もうちょっと書いておくと,水島先生は教科書にはHTMLで間違いと言えないまでもおかしい記述があるとおっしゃったが,明らかにValidatorでエラーになるHTMLが例として載っている教科書がある。その他にも情報教育Wikiの「教科書あら探し」や「読書会」に多数誤りの例が。私は昔高校数学の教科書の執筆者だったことがあるが,文部省に持っていくと数表の末位桁の誤りまで正してくださった。今の検定はそこまで見ないのだろう。

教科書の誤り

白表紙の段階から,それを見た多くの教員がつっこみ入れまくってたんですが(私も修正意見を数社に送りましたし)その分さえ全部直ってはいないようです。

わたやんさん,どうも

わざわざ東京までありがとうございました。わたやんさんのシンポを終えても拝読いたしました(段落の頭に付いている緑の「¢¡」は何だろうかと悩みましたがCSSに文字コード指定されていないのでSafariが判定を間違えたようです)。確かに「手順的な自動処理」はその通りなんですが,筧先生のお話から情報処理学会の理事会を納得させるためというふうに取られてしまったかもしれませんがもっと複雑なようです(追記:すみません,筧先生のお名前を誤変換していました)。

あ,そういえばCSSの方

あ,そういえばCSSの方は文字コード指定してないです。ご指摘ありがとうございます。
筧先生は半分くらいジョークとしてあのようなことを言われたのだろうとは思っているのですがそれはそれとして,私としてはあの提言やいろんな話にわくわくさせられてしまって,来たるべき変化が待ち遠しい,多くの人(情報担当以外の「大人」たちも)があの話に目を向けてほしい,そんないろんな思いがぐるぐるしてて全然まとまりません。

シンポが毎日に載りました

シンポジウムが毎日の記事になりました:情報教育:教科「情報」の見直しなどを提言 情報処理学会

小原先生のコメント

情報処理?データ処理?

情報処理学会の提言に対するパブリックコメントの募集があったので,コメントしました.とりあえず,マイクロソフトリテラシから脱却しようというのはいいのですが,いつになったら「データ処理」から「情報処理」になってくれるのか,正直,日本の未来は暗いと感じる.

atsumi先生,パブリック

atsumi先生,パブリックコメントありがとうございます。そのうちわれわれのほうにも流れてくるものと思いますが,

> いつになったら「データ処理」から「情報処理」になってくれるのか

のあたりをぜひ詳しくお聞かせいただきたいところです。

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