学力テスト,40%抽出しないと正確でない?

昔このブログでも何度か取り上げたが,2008年9月24日に就任した中山成彬国土交通相は,「日教組が強いところは学力が低い」などの発言で,5日後の28日に辞職。中山氏が文科相のとき始めた全国学力調査は日教組と学力の関係を調べるためのものだったとの発言もあった。

民主党に政権が移り,学力調査は抽出でよいという話になる。しかし,毎日新聞の記事によれば,

全員方式から抽出方式への転換を模索していた文科省の政務三役が、コストを削減した上で、調査の精度を保てる抽出率を統計の専門家に問い合わせるなどしていた。

その結果、……40%程度が必要と判断。

統計の専門家なら,1%で十分と答えるのではないだろうか。

同記事には「国際的な学力調査を日本で行う場合も、抽出率は10%程度」とあるが,これは何かの間違いだろう。例えばPISA 2006は,文科省のページからリンクされている要約(PDF)によれば,高校1年120万人中約6000人を抽出している。また,TIMSS 2007は,国立教育政策研究所のページからリンクされている概要(PDF)によれば,小学4年4487人,中学2年4312人を抽出している。いずれも抽出率は1%にも満たない。

どなたに問い合わせて、どの様な回答が帰ってきたかを

 公開するのも、民主党の旗頭の一つの「情報公開」の一環だとは思いますが、情報公開制度を使う手間の時間が確保できそうになく…。

 ついでに書くと、恐らく文科省詰めの記者の記事なのでしょうけど、この点を質問しない/できない程度の統計リテラシーの記者が詰めているとすると、いわゆる理系の発表にも突っ込みを期待できないということになるわけで…。

学力テストというのは生活環境のアンケートと共に詳細な分析を

学力テストというのは生活環境のアンケートと共に詳細な分析をするという建前ですが、きっと「10人兄弟で家にペットとしてパンダを飼っている年収10億の家に育った子供」と「国語の点数」の相関などのように、すごい分析をするためでしょう(棒読み)

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