タミフルと統計

リヴァイアさん、日々のわざ: 日本臨床薬理学会「インフルエンザ罹患後の異常行動をめぐって」 (廣田班の報告は間違いだという学会のコンセンサス),データ解析の方法でいろいろもめているようだ。服薬前に異常行動が発現した群をタミフル非使用者に移動した厚労省の解析の問題については,タミフルで異常行動が半減するという厚労省解析は誤り - NATROMの日記にたいへんわかりやすく解説してある。一方,浜氏による「後づけ」の解析に意味がないという批判については,これだけではよくわからないが,一般論として,data dredging を戒めるために,あらかじめ決めた以外の解析を後付けで行った場合は,有意な結果でもヒントとしてしか扱わないことになっているが,そのことだろうか。

タミフルと統計:説明図

こんなふうに描いたらわかりやすいだろうか。タミフルを飲んだ人(Yes)と飲まなかった人(No)で仮に同じ割合で異常行動が出たとする(下の図の左側)。でも,タミフルを飲んだ人の中にも,異常行動がタミフルを飲むより前(Before)の人もいる。そういうケースは,タミフルを飲まない方に移動しないといけないと考えて,移動すると,あれ不思議,右側のように,タミフルを飲まなかった人のほうが異常行動の割合が高くなってしまった。

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