中学校学習指導要領解説

文科省サイトに中学校学習指導要領解説が昨日から出ているようだが,まだ読む余裕がない。

生物育成

「技術・家庭」の p.34 の生物育成のところですが、僕が聞いた話(流言かもしれません)では、学校で動物を飼って、大きくなったら解体して食べるところまでやるとか。

ほんとうなのか、どなたか御存知でしょうか?

おそらく、ある小学

おそらく、ある小学校で豚の「Pちゃん」を飼育した件のことだと思います。
その小学校教員は現在は佛教大学の講師となって、教員志望の大学生に「命の授業」を深く考えさせているようです。
佛教大学:教育学講読1a:教員 黒田恭史 氏
http://www.bukkyo-u.ac.jp/kyoiku/training_h17/18.html

その授業のドキュメンタリー番組がyoutubeにあります。
命の授業900日 豚のPちゃんと32人の小学生
http://www.youtube.com/watch?v=3XKK_NDXdu8

当初は最終的に食べることを前提にして、小学校で子供たちに子豚を飼い始めさせたとのことです。
しかし、数年間も大事に育ててきたPちゃんをどうするのか、卒業を前にした子供たちが悩み、議論を始めていきます。
くわしくはyoutubeのビデオをご覧ください。

最近だと、アイガモ農法で幼稚園児がアイガモを田んぼに放ち、やはり秋にアイガモを食べさせる予定とのことです。
西日本新聞の記事です。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/33019

現代の風潮だと、どちらもモンスターペアレントが爆発しそうな気がします。

全国でやるのか?

その豚やアイガモの例は、知っているんですが、僕が聞いたのは、今度の中学校学習指導要領に書かれてることをやろうとすると、そういう授業を全国のすべての中学校でやることになる、というものです。

それはほんとうなのか、それとも噂に過ぎない都市伝説なのか、そこに興味があります。

解体して食べるのは法律上無理だと思います。

このようなニュースがありました。 

「と畜場法違反の疑いで書類送検されたのは、沖縄・糸満市の農業の男3人。男らは去年5月、糸満市の海岸で、飼育していたメスのヤギを殺し、解体した疑いが持たれている。定められた食肉処理場以外でヤギを解体することは原則禁止されている。」
沖縄では年間1600頭ヤギが食べられているそうです。このような風習があるところでは食肉処理場に飼っているヤギを持ち込んで処理してもらう事は可能でしょうが、学校で飼っているブタや鶏の持ち込みを許可する処理場があるのでしょうか。結局処分に困るだけでは。

流言あるいは願望に尾ひれ

 p.32からp.35までを2度読んでみました.生物を植物,動物,菌,原生生物,モネラではなく,作物,動物,水産生物に分けて説明しているp.33よりも1ページ手前のp.32の中段で,”生物の育成や成長・収穫の喜びを体験させる”とあります.この”収穫”が動物を対象として含むならば解体して食べるのでしょう.あいまいな表現です.もしかしたら日本全国で動物を育て,解体して食する活動を積極的に展開したいと願う謎の組織からの圧力が掛かった結果かもしれませんね(あるの?).
 豚やヤギを密集住宅街の中で飼育するのは,た易いことではありません.もし上記の”収穫の喜びを体験させる”ことが生物育成に関する技術の目玉であるとしても,ジャガイモや米といった植物の収穫が現実的でしょう.それでも,(先日聞いたばかりの話ですが)学校の水田で育てた稲から収穫できる米の量では,栽培に関わった子供たちのお腹を満足させられないので,お米屋さんから購入して足していると言います.そういえば小学生の頃に学内の荒地を掘り返して埋めたジャガイモ,収穫した記憶が無い.

#カルガモは,農家の方でも愛着が湧いて食べられない,と農協の方に聞きました...全員が全員ではないのでしょうが.

収穫と収獲

収穫なら、禾(ノギヘン)だからこれは植物でしょう。
収獲なら、動物ですけど。

収穫と収獲/的確です

ありがとうございます。
そうですね。やはりあの文章からは、育てた家畜を食べて命の大切さを、全国一律で教えるという流れにはならなさそうですよ。

一応安心

そうですね。一応安心しました。ただ、高校教科「情報」のような例もあるので、内容を現場で曲げて実施される可能性は0ではないですよ。

p. 35に >

p. 35に

> 動物の飼育又は魚介類や藻類などの栽培を選択した場合,
> 育成する場所や時期を踏まえ,適当な飼育環境や栽培環境がないときには,
> 関連する地域機関・施設などとの連携を図り,実習や観察等を実施することも
> 考えられる。

とあるので、どうしても世話から解体、食べるまでやりたければ、近くの養豚場にでも行って、ほんの数時間なでたりエサをやったりして、その後昼食に直営レストランでお食事、というのが(先生側にとっては)いちばん手っ取り早いやりかたですね。

勇気の必要なこと

 "情報"系の授業がパソコンスクールになりがち(学生からもそう要求される)なのは、その方が楽であるというのも一因かと思います。
 生きた食育は多くの障害を乗り越え、多くの人を説得する必要があり、さらにアフターケアにも気遣いといった苦労が伴うので、実施したくても実現できないのが現実でしょうね。
#国歌斉唱を強制するのに比べて設備等の整備が必要なので大変です。それに家畜小屋の整備よりも学校自体の耐震補強工事の方が先という自治体も多そうですしね。

コメントの表示オプション

お好みの表示方法を選択し、「設定の保存」をクリックすると、表示方法を変更することができます。