問題は、問題が生じる現場で解決していく

WIDEプロジェクトの声明「ネット有害情報規制法案」に反対します,青少年の問題を国が情報遮断で解決しようとしても,青少年の生きる力を育てることにならない。

[2008-05-03追記] JPNICも青少年のインターネット利用に対して規制を行う法案に関する懸念表明

僕も提案してみました

今週の月曜日に
http://ttmtko.air-nifty.com/a/2008/04/post_f737.html
に書いたんですが、WIDEのそれと僕の提案は、基本思想は同じかなって思いますが、見た目は違います。

僕の提案は「保護者が、市場原理にまかせて選んだフィルタリングサービスを必ず選ぶ」ということをプロバイダ・携帯電話会社に義務づけさせる、という提案です。

「フィルタリングは一律ダメ」という観点で話をしていたのでは、何も進歩がないと思います。むしろ、「よいフィルタリング」「フィルタリング手法の発展」などを阻害しない市場原理を作り出す方が、結果として、初期の目的にかなうんだろうと思っています。

政府で「有害」を判定することや、削除義務に関しては、僕もWIDEの声明に賛成します。

私もそう思うのですが

インターネットの利用が一般化しすぎたせいなのでしょうか?
リテラシを育てるより規制を、という方向になっていますね。
この状態でリテラシにこだわり続けるのは中々難しそうです。
私はこだわり続けたいですけどね。

議員立法の内容

何が有害情報なのかをあとから議論するというのでは本末転倒です。後出しじゃんけんよりひどい。
 これは,後期高齢者医療制度と同じくらいひどい。天引き金額が多い少ないの問題ではなく,天引きされないくらい年金額が低い人は納付書で振り込まなければならない。そんなお金がないから天引きされないのに。それで納付されないと結局は保険証は取り上げられる。そんなことはしないと「口約束」をしているけれども,生活保護を窓口規制していた実績がある以上,行政の「後出しじゃんけん」は全く信用できない。
 これが,いまの議員立法で『有害情報禁止』となったら,何が有害情報なのか「手鏡の持ち方」や「化学反応」の話も有害情報になって,教科書のインターネット掲載すらできなくなる恐れが現実味を帯びてくる。
 いまの議員立法の話をみていると,e-Learningでダビンチの『ウィトルウィウス的人体図』だって「卑猥」とされる可能性を否定できませんからね。

MIAU

インターネットの「利用者」の集まりが何をいっても弱い気がします。サイレントマジョリティな「大多数のユーザ」の「管理してもらったほうが楽」という意識に対して、「先進ユーザ」のせっかくの意見もエゴにしか受け取られない危惧があります。
インターネットに参加している人々にはその「構成員」としてどうあるべきかという意識がないといけないんですよ。
残念ながらMIAUは名前に抵抗が強すぎて応援できません。
これもまた古くさいこだわりなんですけどね。

何を教えたらいいのか

硫化水素 理科 教科書
で検索してみましょう。悩み方が間違ってるぞ>学校

私の中学の恩師は、いろんな死に方を丁寧に教えてくれました。
もちろん、「教えるべきこと」とあわせて。

緊急避難と根本的解決

この手の議論で常々思うのは,「緊急避難」という考え方がしばしば見逃されているのではないかということです.すなわち,

-- 緊急避難そのものを全否定すべきではない
-- しかし,緊急避難はしょせん緊急避難でしかなく根本的解決とは異なることを認識し,緊急避難に過度に依存せず根本的解決を目指すべき

ということです.

「硫化水素合成法のウェブ情報削除」というごく限定的な緊急避難に対して,「総合的な自殺対策こそが必要でウェブ情報削除など無意味」という(重要だが困難で時間がかかる)根本的解決の視点だけで反論しても,議論が噛み合わないのは当然でしょう.
逆に,急速に広まって社会の支持を得たように思える「女性専用車両」についても,それはあくまで緊急避難であって,根本的解決(電車内の治安維持,モラル向上,通勤ラッシュ緩和など)がかえって遠のくことがないように注視すべき,という視点が必要だと思います.

未成年者への携帯電話フィルタリング適用強制は,あくまで緊急避難と捉えるべきだと思うのです.
理想としての根本的解決が「成人と青少年の両方への情報リテラシーの浸透」「フィルタリングの適用が強制でなく保護者の判断と選択に委ねられること」であることは論をまたないと思います.その一方で,緊急避難としてのフィルタリング適用を全否定するのでなく,現実の社会的不安に対処するための緊急避難としていかなる方法が適切か(件の法案が「緊急避難としてさえも過剰で危険」という意見は当然でしょう),そして,緊急避難への依存からいかに脱却して根本的解決への現実的な道筋を見出すかを論じることが,建設的な議論につながるように思えます.

コメント

CPSR/Japan山根です。

> 残念ながらMIAUは名前に抵抗が強すぎて応援できません。

その抵抗感はわかります。特定のユーザ層がインターネットについて語っているという印象があるので応援したくない、インターネット消費者の会とか名乗ってくれれば応援できたのに、ということですね。
 それについては発起人の一人が説明しています。
http://blog.sakichan.org/ja/2007/10/18/miau_startup_and_rfc3271
こういう考え方もあるということで。MIAU以外でも声明を出している・賛同団体として加わってるところがありますので、いろいろ見てみるとよいかと思います。

 また別の方曰く、
> 未成年者への携帯電話フィルタリング適用強制は,あくまで緊急避難と捉えるべきだと思うのです

携帯電話のフィルタリング適用は業界の自主規制によって実現したわけですが、それに対して全否定している人はあまりいないんじゃないでしょうか。議論を呼んだのは、フィルタリングの業者やカテゴリーを選ぶ選択肢がないという点でしょう。つまり子供に責任を負うべき保護者が緊急避難レベルを設定できないのが問題かと。
 今回の法案を携帯電話フィルタリングと同列に伝えているメディアには注意した方がよいと思います。今回の話は特定企業への依頼ではなく、事業者への行政処分を伴う立法です。普通、関係者(青少年問題ならば教育機関とか保護者団体とか電子掲示板サービスとか)に協力依頼する方が先だと思うのですが、それなしにいきなり議員立法という動きなので困ってます。
 私の情報も古いので信頼性が低いのですが、伝えられるところによれば、有害情報は未成年にとっての有害情報でなく「18才未満」というくくりです。あと行政処分の対象となるのは携帯電話会社だけではなくインターネットカフェまでも含む事業者で、教育機関などの例外規定がない。また通信プロトコルがインターネットプロトコルに限られるかどうかも未確定な状況です。そして特に議論になっているのは、適用への反対よりもむしろ行政処分の是非とか、裏サイトとか有害情報とかを判定する手続きの合理性・透明性ではないかと思います。

 とりあえず報道をリンク。
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2008/05/02/19444.html
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0805/02/news056.html

「暫定」が何十年も続くのですから

>「緊急避難」という考え方がしばしば見逃されているのではないかということです.

 この場合の「緊急」とはいつまで続くのでしょう?
道路特定財源の「暫定税率」は1974年に始まったそうですが、今年の4月の1ヶ月間だけ切れました。5月1日からまた「暫定」税率が復活していますが、30年以上も「暫定」と言い張る行政ですから、「緊急」というのはどういう定義なのかの言質をとったとしても、どんな言い訳をあとからしてくるのかを考えただけでもおそろしいですよね(ーー;)

Re: コメント

> http://blog.sakichan.org/ja/2007/10/18/miau_startup_and_rfc3271

もうすでにtssさんはこの崎山さんの記事にコメントしておられますね。

「内容の議論」と「議論のしかたの議論」の区別を

すみません,私は今話題になっている法案の詳細を検討したわけではありませんが,私の前回の意見について,

-- 内容の議論というより,議論のしかたの議論が主眼であること
-- 件の法案の内容を肯定する意図はない(私は件の法案に緊急避難としての妥当性すら認めていない)こと

を補足させていただきます.

落伍弟子さんの「緊急とはいつまで」というご指摘はもっともですが,私は「緊急であれば何でも許される」とは一言も言っていません.「『緊急避難』として何が適切で何が不適切か,一方『本質的解決』として何が適切で何が不適切か,それを(両者をごっちゃにしないで区別して)議論しよう」と呼びかけているのです.

確かに明確でした

>それを(両者をごっちゃにしないで区別して)議論しよう」と呼びかけている

そうでしたね。私の方がごちゃごちゃにしてしまいました。すみません。

 mixiである方のコメントとしてこのようなことを書きました。
---
(「子供に携帯は必要ですか?」というコメントに対して)
それです。それが抜けてるんです。

今回の議員立法では,まずそこをきっちりと定義することが先決だと思うのです。
 あとから自由に解約できるようにする,っていうのなら分かります。

 子供用には,『子ども携帯電話所持免許(という制度を新設して!(^^)!(なお,これはsantaさんが以前にかかれてます)』,それがなければ
  ・GPSつき
  ・インターネットやショートメールの機能はなし
  ・指定の3箇所及び110番などの緊急連絡先以外は通話不可
というような法律でもいいのではないかとおもったりするわけです。

 どうしていきなり「コンテンツ制限の話になったのか」ということになると胡散臭さを感じてしまうわけです。

公衆電話の整備とか

あと,もうひとつ「携帯電話を持たせていない保護者の方から」のコメントに対して,このようにコメントしました。
---
必要なときに,必要な場所に公衆電話がないのが問題なんです。だから,携帯電話を保護者が持たせようと考える。

 私のように田舎に住んでいると,駅から自宅までの間に公衆電話が2台しかありません。
 そのうちの1台は駅にあるし,もう一台はお寺の駐車場のなか。夜間は駐車場の入り口のチェーンをまたぐ必要があります。
 そんな場所で電話するほうが怖い。
 ほかにも,「ようやく公衆電話を見つけたけど故障していた」という話もありますし。

検索すると平成17年度の資料がでてきます(18年度調査結果)。
 第1種公衆電話(市街地では500m四方に1台,それ以外では1Km四方に1台)がNTT西日本では20.6万台といわれています。全体でも33万台程度のようです。

 だから,議員立法で,コンテンツフィルタリングを義務化するなら,その経費で公衆電話を「NTT東西【以外】にも整備」させるとか,そういう方法を考えても良いのではないかとおもってるわけです。

肝心なのは,子どもなどの弱者の救済であって,
 コンテンツフィルタがそれを解決する「唯一の手段」
とは思えないわけです。

公衆電話の整備は

人は便利なものを手放すことなんてしないです。CO2がいくら出ようとも、毎年数千人の死者が出ようとも、自動車をやめません。

公衆電話の整備は無意味だと思います。

ところで、WIDEの声明の最後には「分散システムで起きている社会的な問題に対し、デジタル技術の基盤性を高度に応用し、分散的に解決する手段を講じ、それを実施していくことに関しては、WIDEプロジェクトは全面的に協力することを惜しみません。」とありますが、具体性は何もない。JPNICについては「じゃぁ、どうするか」の議論すらないんですよね。

(いま議員立法されているような)不完全な具体案でも、それがほぼ唯一の具体案の選択肢になっている以上、それを選ばざるを得ないということもあると思います。(高校の検定教科書って、1社からしかでていなければ、そこを選ばないといけないっていう制度になっています。それと似てます。)

反対する人は、もっと頑張らないと…ね。

PS: 「コンテンツフィルタ」(ブロック)が唯一の手段だとは全然思いませんが、技術的で innovative な方法で可能なものを作る必要があります。

僕は、そこを市場原理で作るような市場の確立を国が法的に担保すべきという提案をしています。
http://ttmtko.air-nifty.com/a/2008/04/post_f737.html

Web不可携帯電話

余談ですが,私が所持する携帯電話は「Web閲覧不可,ショートメール可(デフォルト),インターネットメール可(有料オプション)」です(ソフトバンクの2Gプリペイド,既に新規契約終了).
# JRのエクスプレス予約で乗車直前の変更ができなくて困っています(^^;).
確か現在のソフトバンクの何とかプランでもパケット通信自体が有料オプションだったと思います.

つまり,Webやショートメールを無効化する(有効化しない)オプションは現状でも存在するわけで,そういう既存のオプションを利用して,たとえば「使用者が12歳未満ならデフォルトでWeb無効化,適用除外には保護者の書面による承諾が必要」という規制を,業界自主規制にしろ行政指導にしろ法律にしろ実現しようという議論であれば(この例の規制水準が妥当かどうかは別として),コンテンツ制限のような複雑な議論にはならないはずですよね.子どもにWebアクセスの機会を与える必要があれば,家庭や学校や図書館のPCを使わせるなり,その都度保護者が自分の携帯電話を貸すなりして,大人の目が届く範囲で使わせればよいわけです.

----
公衆電話の整備は,子どもの携帯電話不所持対策(?)ではなく,むしろ非常時の通信手段確保という社会基盤整備の観点から議論すべき問題で,子どもと携帯電話の関わりの問題とリンクさせると話がややこしくなるでしょう.

多様な選択肢の提供が重要

常に保護者の監督下にあるというのも、それはそれで成長の機会をとりあげてしまう危険があるので、一概に賛成できるものではありません。(boisewebさんも書いていますが)12歳かどうかは別として、あるところで線をひくことは、とりあえず(←暫定的に)必要という意見は、世間的には説得力はありそうですね。

日本の子どもたち・若者らが携帯電話のweb機能ばかりを使ってしまって、PCを使っていないということについては、世界的にも珍しいといっていた人がいました。僕も、たぶん日本の他には韓国や台湾までの現象だろうと思います。USや、フランス(おそらく他のヨーロッパの国も)では、若者は普通にPCを使っていて、携帯電話での意思疎通もSMS程度で完結しています。

ただ、携帯電話の高機能を利用しているのは日本だけだから、それを是正すべき(海外に合わせろ)ということでもないと思いますが、一方で、PCにあって携帯にない機能を使いこなせない日本人を大量に生産していることも否めないよなあとおもったりもしています。(逆の観点もありますけどね。携帯だからこそできる機能を活用しているという論点。)

本来的には、子どもの成長・教育は保護者に責任があって、ただ、社会の変化についていけてない保護者にはdefaultで安全な選択肢を提供し、一方で自分でリスクを引き受けることができる保護者には、多様な選択肢を提供することができる仕組みが欲しいですよね。そうすれば、年齢で一律という必要はなく、柔軟で、かつ、子どもを守る仕組みを提供できると思います。

ただ、最近一部で聞こえてきたのですが、フィルタリングの設定に学校の先生が介入することは反対です。また、生徒の携帯電話アクセスについてのログに対し、学校が開示・調査権をもてるようにするのも反対です。

こういうところは司直や弁護士などのプロの仕事で、その業界で仕事をチャンとできる人を作ることは重要だと思います。

またもや私がメタ論議にしてすみません

>私が所持する携帯電話は...

私たち夫婦の両親に渡しているAUの携帯電話もパケット契約をしていません。ですから,e-mailもWebも見られません。
 しかし,家族間通話は無料ですし(基本契約料に含まれる),C-Mail(携帯電話間メール)も留守電機能が標準になったおかげで利用できるようになりました。
 でも両親は漢字変換機能を覚えるよりは通話が楽しいようです。電話も,3箇所まではダイヤルしなくて済むし。将来「徘徊しだしたらGPSで追跡」できるようにするためにはパケット契約を追加しないとだめですけど。
http://au.kddi.com/seihin/ichiran/cdma1x/a5528k/index.html

そうそう,「公衆電話」の話は「まったく別の話題」です。こどもが「誰でももってるから」の次に使う言い訳,という程度のつもりでした。

URLアクセスログなら

>生徒の携帯電話アクセスについてのログに対し、
>学校が開示・調査権をもてるようにするのも反対です。

アクセスログは個人情報ですから,司法権のないところに開示権限を持たせる論議が出てくること事態が,すでに異常な発想だと思います。
 逆に,アクセスログが欲しいのなら,iモードセンターなどからインターネットに接続させるのではなく,学校今日言うようネットワーク経由でアクセスして,正式にアクセス記録を採取しておけばよいのです。
 すでに数年前からそういう仕組みをNTTドコモは持っていますが,他社ではまだ見つかりません。
http://ymiwa.exblog.jp/3400952/
 を書いたときは「http://www.espresso.bz/」だったんですが,みつかりませんね。
http://www.docomo-sys.co.jp/products/espresso/

Re: 「内容の議論」と「議論のしかたの議論」の区別を

どうも断固粉砕の反対派がいると思われてますね...。誰のことだろう?

> 緊急避難そのものを全否定すべきではない

全否定って、どの発言ですか? 「彼らは反対のための反対をしている反対派にすぎない」(トートロジーだ)と言ってる人は見掛けるのですが、そんなラベルをつけてる反対派ってどこにいるのかなあ。
 全否定している人はいないんじゃないかと私は先に書きましたが、どの声明も部分賛成、部分反対だと読めました。それを「彼らは単なる反対派なので議論できていない」とみたてるのは生産的ではないでしょう。学生がそういう分析をやったら私は注意すると思います。

 同様に、PTAまで連れてきて教育について多様な問題を提起しているのに、「もっと建設的な議論を! もっとがんばれ!」というのは、いまひとつ分析としておかしい。むしろ「建設的な議論=がんばってる議論=自分の気に入った議論」と言ってくれればすっきりするけど、どうもそうでもないみたいなので難しい。

インターネット消費者の会

> インターネット消費者の会とか名乗ってくれれば応援できたのに、ということですね。

いいえ。わかってもらえなくて悲しいです。

先進的ユーザだろう

先進的ユーザだろうが消費者だろうが、結局「こちら」側の団体でしかないですね。“Internet for everyone”なので、回線やコンテンツを提供する事業者も含めてeveryoneなはずなんですよね。

そこが少なくない人から反発を招いている理由だと思います。

The End of World of the End

イリイチに学ぶ

もうひとつ短く書き下ろしました。http://www.e-ontap.com/blog/20080505.html

緊急避難だと思うのは現実を知らないのでは…

「硫化水素合成法のウェブ情報削除」というごく限定的な緊急避難、とのことですが、それは実態にそぐわないのではないかと思います。

現状のインターネットホットラインセンターの「違法・有害情報」の処理は、パブコメ応募意見に対する見解として優先度キューがないことが示されていて、処理に1ヶ月以上かかるかかるのが通常で、もっとかかるケースも少なくありません。悪質性が高い児童ポルノDVD販売専門サイト(司法管轄の問題のない国内サイト)ですらそういう状況です。4月から予算と人員を増やしたという話ですが、劇的な変化はまだ見られません。また、一度対処したはずのサイトが復活するケースがあり、これはホットラインセンターの処理にバグがあるようです。

そのような状況で、「違法」とさえ言えないものを「警察庁じきじきにホットラインセンターに有害情報として削除対象に含めるよう指示」するという、実は表立ってやるのは禁じ手だったはずのことをやったところで、実効性はありません。通報件数は跳ね上がるでしょうが、処理には時間がかかりますし、そのうち国外の事業者のサーバーに設置されるようになるだけでしょう。「汗かいてます」というポジショントークをしてみたくてやったという話が存在しているだけで、それに多くの人が振り回されるだけです。そんな話は、緊急避難と呼ぶに値しないでしょう。

Re: 緊急避難だと思うのは現実を知らないのでは…

 ちょっと議論がかみあっていない。先のコメントは社会的な緊急避難を本気で提言しているのではなく、教える立場(?)から議論の仕方を指摘する流れで書かれたものでしょう。それに対してリスクの実例を指摘しても、そもそもが社会提言ではないのでやはりかみ合わない。
 この掲示板では、議論よりも学校関係者の情報交換が多いという印象を持っているので、実社会に比べてやや現実から離れた批判や説教が出るのはしかたないかなと思います。教室でやられたら困るようなことは指摘しつつも、専門家の議論とは異なる興味深いサンプルとして拝見しています。

 当初のタイトル「問題は、問題が生じる現場で解決していく」だったわけですが、現場からの各種声明で、リスクについてはだいぶ意識されるようになってるんじゃないでしょうか(リスクの指摘を全否定の反対運動と同一視しないようにしましょう)。インターネット技術者からユーザからサービス運用団体まで広くカバーできている。
 業法関連のバグレポートも進んだ(採用されるかわからないけど)。教育面でのバグ出しは進んでいない(バグ出しできるほどはっきりしたものがまだ出てこない)けど、テキストをつくるという発表する団体まで現れた。法案が出て実装の話になれば技術的手続的なバグ出しはさらに進むでしょう(ただし、実装段階ではもう設計ミスまでは直せないけど)。
 ちなみにSoftware Design誌でも18日発売予定の記事のコメント受付を開始しています。
http://d.hatena.ne.jp/software_design/20080509
 個人的には「今日のHacker君は随分とおとなしい議論をしているね」というくだりに苦笑。エンジニアはダイアレクティクスもわかってますよ!

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