Asian Journal of TeX (vol. 4) が発行されました.Number 2 のほうには,TeXユーザの集い 2010 の特集も組まれています.
さて,AJT に関する話題として……,
紙媒体向けの原稿は,最終的に Editor in Chief (Jin-Hwan CHO さん) によりタイプセットされているのですが,今回はすべて欧文がメインだったため,XeLaTeX で組まれています.参考文献にだけ和文が混じっているのですが,どうも和欧の比率が見慣れた比率と違ったり,句読点周りの空白量が場所によってまちまちだったりするように見受けられます.いかがでしょうか?
AJT のクラスファイルなど手直ししてくださる方はいらっしゃいませんでしょうか?
最終的にコンパイルされたもののソースがどうなっているのか―少なくとも pLaTeX 用の原稿についてただ単に ajt のクラスオプションを変えただけで和文文字がヒラギノで出力されるはずがなく、何かしているはず―が判らないので判断しづらいのですが…。
句読点周りの空白量が場所によってまちまちだったりする
これは「場所によって非常に bad になっていたりいなかったりしている」からだと思います。thebibliography 環境の中は sloppy 指定であることに注意してください。例えば、0402takahashi.pdf の References の 7 は欧文しかないですが、非常に間延びしています。句読点周りの空きが異なるのも、単に間延びしているからだと思います。――もっとも、そういう場合も、pLaTeX では「和文文字の間が全部間延びする」(\kanjiskip
が正の伸張をもつから)結果になるのですが。
ところで、現在の ajt クラスでは、韓国語の文書を XeTeX で処理する場合は XeTeX-ko パッケージが使われるようです。で、もしかすると、今回の「日本語を僅かに含む英文の原稿」を処理するのにも XeTeX-ko を適用したのかも知れないと思っています。例えば、先述の References の中で、欧文と和文の間にごく僅かな空き(0.15em 程)がありますが、これは韓国語の欧文-ハングル間の空きに近いような気がします。