こんにちは.
https://okumuralab.org/tex/mod/forum/discuss.php?d=3612
で質問をさせていただいた者です.
恐らく TeX Live のパスの設定の問題だと思い,別にスレッドを立てさせていただきました.
さて,私は Adobe Acrobat 2020 を2台のPCにインストールしています.1台は Windows 10 機,もう1台は Windows 11 機です.
フォント KozMinPr6N-Regular.otf は両機それぞれ
C:\Program Files (x86)\Adobe\Acrobat 2020\Resource\CIDFont
にあります.また,どちらの C:\Windows\Fonts にもありません.
https://okumuralab.org/tex/mod/forum/discuss.php?d=3612
で教えていただいた方法は,Windows10機では成功しましたが,Window11機では
Package fontspec Error: The font "KozMinPr6N-Regular" cannot be found.
というエラーが出て,止まりました.
Acrobat インストールの際は標準設定のまま進めました.また,上記の方法を試す際,フォント関係の設定は何もいじっていません.よって,恐らく TeX Live をインストールする際,後者では何かパス関係の設定を忘れており,これが原因で失敗するのではないかと考えております.
そこで質問ですが,TeX Live のパス関係の設定を後からやり直す方法はありますでしょうか.それとも TeX Live を最初からインストールし直すしかないのでしょうか.
ご存じの方,ご教示賜れば幸いです.
山下
Adobe Acrobat 未所有なので的を得ない回答かもしれません。
以前の投稿で W32TeX を利用されていたとのことなのでその影響も考えられるので、
PATH TEXMF TEMFLOCAL TEXMFHOME などの環境変数から調べる方法もありますが、
10/11 両方で実行した時作成されているる .log を比較されてはどうでしょうか?
このログファイルには、pdf 化する際に利用する map ファイルやフォントファイルのパスが記録されています。
見易く整形はしましたが、以下のようなものが記録されます。
{/opt/texlive/2023/texmf-var/fonts/map/pdftex/updmap/pdftex.map}
/texlive/2023/texmf-dist/fonts/opentype/public/lm/lmroman9-regular.otf>
/texlive/2023/texmf-dist/fonts/opentype/public/lm/lmsans10-bold.otf>
/i-wada/Library/Fonts/HaranoAjiMincho-Regular.otf>
/texlive/2023/texmf-dist/fonts/opentype/public/lm/lmroman10-regular.otf>
/texlive/2023/texmf-dist/fonts/opentype/public/haranoaji/HaranoAjiGothic-Medium.otf>
ですので 10 で読み込んだ小塚フォントのパスと同じになるように 11 で設定すれば良いかと思います。
比較することが困難であれば、添付していただければ代わりに比較検討します。
以前の投稿で W32TeX を利用されていたとのことなのでその影響も考えられるので、
PATH TEXMF TEMFLOCAL TEXMFHOME などの環境変数から調べる方法もありますが、
10/11 両方で実行した時作成されているる .log を比較されてはどうでしょうか?
このログファイルには、pdf 化する際に利用する map ファイルやフォントファイルのパスが記録されています。
見易く整形はしましたが、以下のようなものが記録されます。
{/opt/texlive/2023/texmf-var/fonts/map/pdftex/updmap/pdftex.map}
/texlive/2023/texmf-dist/fonts/opentype/public/lm/lmroman9-regular.otf>
/texlive/2023/texmf-dist/fonts/opentype/public/lm/lmsans10-bold.otf>
/i-wada/Library/Fonts/HaranoAjiMincho-Regular.otf>
/texlive/2023/texmf-dist/fonts/opentype/public/lm/lmroman10-regular.otf>
/texlive/2023/texmf-dist/fonts/opentype/public/haranoaji/HaranoAjiGothic-Medium.otf>
ですので 10 で読み込んだ小塚フォントのパスと同じになるように 11 で設定すれば良いかと思います。
比較することが困難であれば、添付していただければ代わりに比較検討します。
現在のadobeのインストール設定については推測になりますが、
実体のあるC:\Program Files (x86)\Adobe\Acrobat 2020\Resource\CIDFont
に対するシンボリックリンクを昔はC:\Windows\Fontsに作っていたものと思います。
現在では、$LOCALAPPDATA/Microsoft/Windows/Fonts//
つまり
C:\Users\ユーザ名\AppData\Local\Microsoft\Windows\Fonts\
にリンクが張られると推測します(変更後インストールしてない)。
ユーザ名は日本語でしょうか?(その場合portable モードでのインストールがお勧めですが)
lua以外については
C:\texlive\202x\texmf-var\fonts\conf\local.conf
に
<fontconfig>
<dir>C:\Program Files (x86)\Adobe\Acrobat 2020\Resource\CIDFont</dir>
</fontconfig>
と追加することで読みに行ってくれるでしょう。
luaについては
C:\texlive\202x\texmfcnf.lua
の中の下記の行に同様に追加
OSFONTDIR = "$SystemRoot/fonts//;$LOCALAPPDATA/Microsoft/Windows/Fonts//",
ということかと思います。
実体のあるC:\Program Files (x86)\Adobe\Acrobat 2020\Resource\CIDFont
に対するシンボリックリンクを昔はC:\Windows\Fontsに作っていたものと思います。
現在では、$LOCALAPPDATA/Microsoft/Windows/Fonts//
つまり
C:\Users\ユーザ名\AppData\Local\Microsoft\Windows\Fonts\
にリンクが張られると推測します(変更後インストールしてない)。
ユーザ名は日本語でしょうか?(その場合portable モードでのインストールがお勧めですが)
lua以外については
C:\texlive\202x\texmf-var\fonts\conf\local.conf
に
<fontconfig>
<dir>C:\Program Files (x86)\Adobe\Acrobat 2020\Resource\CIDFont</dir>
</fontconfig>
と追加することで読みに行ってくれるでしょう。
luaについては
C:\texlive\202x\texmfcnf.lua
の中の下記の行に同様に追加
OSFONTDIR = "$SystemRoot/fonts//;$LOCALAPPDATA/Microsoft/Windows/Fonts//",
ということかと思います。
和田 勇様,Takashima Jun 様
ご回答ありがとうございました.結果として解決しました.
まず,Takashima 様のアドバイスに従い,
C:\texlive\2023\texmfcnf.lua
の
OSFONTDIR = "$SystemRoot/fonts//;$LOCALAPPDATA/Microsoft/Windows/Fonts//",
を,
OSFONTDIR = "$SystemRoot/fonts//;$LOCALAPPDATA/Microsoft/Windows/Fonts//;$LOCALAPPDATA/Microsoft/Program Files (x86)/Adobe/Acrobat 2020/Resource/CIDFont//",
や
OSFONTDIR = "$SystemRoot/fonts//;$LOCALAPPDATA/Microsoft/Windows/Fonts//;C:/Program Files (x86)/Adobe/Acrobat 2020/Resource/CIDFont//",
にしてみましたが,うまく行きませんでした.
次に和田様のアドバイスに従い,Win10機でのログを見てみました.
結果,ここに
c:/texlive/texmf-local/fonts/opentype/Adobe/KozMinPr6N-Regular.otf
を発見し,改めて確認したところ,上記のシンボリックリンクを作っておりました.もう1か月以上前の作業で,完全に忘れておりました.
まずWin10機でLuaLaTeXへの変更作業を行い,ひと段落したところで結果をWin11機に移植する,という手順で作業していたため期間が随分と空いてしまい,ほぼ無意識で行った作業を忘れるというポカをしてしまいました.
Win11はWin10と何か違っているのでは妙な疑いをし,お二方にはご迷惑をおかけしました.しかし,新しい知識が増え,ありがたく思っております.ありがとうございました.
山下
ご回答ありがとうございました.結果として解決しました.
まず,Takashima 様のアドバイスに従い,
C:\texlive\2023\texmfcnf.lua
の
OSFONTDIR = "$SystemRoot/fonts//;$LOCALAPPDATA/Microsoft/Windows/Fonts//",
を,
OSFONTDIR = "$SystemRoot/fonts//;$LOCALAPPDATA/Microsoft/Windows/Fonts//;$LOCALAPPDATA/Microsoft/Program Files (x86)/Adobe/Acrobat 2020/Resource/CIDFont//",
や
OSFONTDIR = "$SystemRoot/fonts//;$LOCALAPPDATA/Microsoft/Windows/Fonts//;C:/Program Files (x86)/Adobe/Acrobat 2020/Resource/CIDFont//",
にしてみましたが,うまく行きませんでした.
次に和田様のアドバイスに従い,Win10機でのログを見てみました.
結果,ここに
c:/texlive/texmf-local/fonts/opentype/Adobe/KozMinPr6N-Regular.otf
を発見し,改めて確認したところ,上記のシンボリックリンクを作っておりました.もう1か月以上前の作業で,完全に忘れておりました.
まずWin10機でLuaLaTeXへの変更作業を行い,ひと段落したところで結果をWin11機に移植する,という手順で作業していたため期間が随分と空いてしまい,ほぼ無意識で行った作業を忘れるというポカをしてしまいました.
Win11はWin10と何か違っているのでは妙な疑いをし,お二方にはご迷惑をおかけしました.しかし,新しい知識が増え,ありがたく思っております.ありがとうございました.
山下
> フォント KozMinPr6N-Regular.otf は両機それぞれ
> C:\Program Files (x86)\Adobe\Acrobat 2020\Resource\CIDFont
> にあります.
以下のAdobe公式の引用のとおり、このC:\Program Files (x86)\Adobe\Acrobat 2020\Resource\CIDFont\KozMinPr6N-Regular.otfは、アドビソフトウェア製品における制限付きフォントに該当すると存じます。
したがいまして、このC:\Program Files (x86)\Adobe\Acrobat 2020\Resource\CIDFont\KozMinPr6N-Regular.otfは、他のソフトウェアであるTeX Live(に含まれるソフトウェアを用いてご自身のドキュメント)で使用することが許可されていません。
Adobe Type と字体技術のリソース
最終更新日 : 2023年6月23日
https://helpx.adobe.com/jp/fonts/using/adobe-type-resources-faq.html
> フォントの権限
> 制限付きフォントとは?
>
> アドビソフトウェア製品には、制限付きフォントはほとんど含まれていません。制限フォントは、メニュー表示、インターフェイス、ドキュメント処理など、ソフトウェア自体の独占的な用途に使用できます。このようなフォントは、お客様自身のドキュメントで使用するためにライセンスされているわけでなありません。
>
> (中略)
>
> EULA では、特定のフォントをアドビソフトウェアの操作の目的に限り許可しています。そのような限定的な EULA 条件が適用されるフォントを以下に示します。
> KozGoPr6N-Medium.otf
> KozMinPr6N-Regular.otf
> C:\Program Files (x86)\Adobe\Acrobat 2020\Resource\CIDFont
> にあります.
以下のAdobe公式の引用のとおり、このC:\Program Files (x86)\Adobe\Acrobat 2020\Resource\CIDFont\KozMinPr6N-Regular.otfは、アドビソフトウェア製品における制限付きフォントに該当すると存じます。
したがいまして、このC:\Program Files (x86)\Adobe\Acrobat 2020\Resource\CIDFont\KozMinPr6N-Regular.otfは、他のソフトウェアであるTeX Live(に含まれるソフトウェアを用いてご自身のドキュメント)で使用することが許可されていません。
Adobe Type と字体技術のリソース
最終更新日 : 2023年6月23日
https://helpx.adobe.com/jp/fonts/using/adobe-type-resources-faq.html
> フォントの権限
> 制限付きフォントとは?
>
> アドビソフトウェア製品には、制限付きフォントはほとんど含まれていません。制限フォントは、メニュー表示、インターフェイス、ドキュメント処理など、ソフトウェア自体の独占的な用途に使用できます。このようなフォントは、お客様自身のドキュメントで使用するためにライセンスされているわけでなありません。
>
> (中略)
>
> EULA では、特定のフォントをアドビソフトウェアの操作の目的に限り許可しています。そのような限定的な EULA 条件が適用されるフォントを以下に示します。
> KozGoPr6N-Medium.otf
> KozMinPr6N-Regular.otf
2つある話題の前後を逆にして、コメントいたします。
■\ajMaru:原ノ味フォントでも利用できます
> \ajMaru や \ajKakuMaru を使いたかったのですが,諦めた方がよさそうですね.
TeX Live 2020以降、標準の漢字フォントに原ノ味フォントが設定されています。
以下のようなLaTeX文章ファイルを uplatex + dvipdfmxでタイプセットすると、丸数字が埋め込めます。
(もっとも、upTeXでしたら、丸数字を直打ちすれば十分です)
%#!ptex2pdf -l -u
\documentclass[dvipdfmx,papersize,uplatex]{jsbook}
\usepackage{otf}
\begin{document}
人生で初めて\ajMaru{1}\ajMaru{2}\ajMaru{3}を使いました。
①②③
%\ajKaku{1}%←原ノ味明朝で利用できない!?
\end{document}
■Adobe Fonts
もし下記の何らかのライセンスを所有しているのでしたら、
小塚フォントは、(古いAdobeのCS製品に同梱されていたものを除き、)
現状、Adobe Fontsから利用可能です。
システムおよびサブスクリプション要件
最終更新日 : 2023年7月11日
https://helpx.adobe.com/jp/fonts/system-subscription-requirements.html
* Creative Cloud コンプリートプラン
* 有料のデスクトップアプリプラン←実は、これは「Acrobat有償ライセンス」、つまり、「Acrobat Pro」も含まれます。
該当のAdobe製品を、Adobe IDのアカウントに適切に登録(アクティベート)していれば、そのAdobe IDのアカウントでCreative Cloud DesktopからAdobe Fontsが利用できます。
(なお、わたしはAdobe Creative Cloud コンプリートプランなので、実際にAdobe Acrobat Proの単体ライセンスで確かめたわけでないですが、知人の手元では、Adobe Acrobat ProのサブスクリプションやAdobe CC Illustrator単体プランでも、問題なくAdobe Fontsを利用できております)
ちなみに、最近、ネットメディアのASCII.jpでも取り上げられています。
Acrobat有償ライセンスならAdobe Fontsで好みのフォントを使い放題!
2023年06月28日 10時30分更新
https://ascii.jp/elem/000/004/140/4140283/
■\ajMaru:原ノ味フォントでも利用できます
> \ajMaru や \ajKakuMaru を使いたかったのですが,諦めた方がよさそうですね.
TeX Live 2020以降、標準の漢字フォントに原ノ味フォントが設定されています。
以下のようなLaTeX文章ファイルを uplatex + dvipdfmxでタイプセットすると、丸数字が埋め込めます。
(もっとも、upTeXでしたら、丸数字を直打ちすれば十分です)
%#!ptex2pdf -l -u
\documentclass[dvipdfmx,papersize,uplatex]{jsbook}
\usepackage{otf}
\begin{document}
人生で初めて\ajMaru{1}\ajMaru{2}\ajMaru{3}を使いました。
①②③
%\ajKaku{1}%←原ノ味明朝で利用できない!?
\end{document}
■Adobe Fonts
もし下記の何らかのライセンスを所有しているのでしたら、
小塚フォントは、(古いAdobeのCS製品に同梱されていたものを除き、)
現状、Adobe Fontsから利用可能です。
システムおよびサブスクリプション要件
最終更新日 : 2023年7月11日
https://helpx.adobe.com/jp/fonts/system-subscription-requirements.html
* Creative Cloud コンプリートプラン
* 有料のデスクトップアプリプラン←実は、これは「Acrobat有償ライセンス」、つまり、「Acrobat Pro」も含まれます。
該当のAdobe製品を、Adobe IDのアカウントに適切に登録(アクティベート)していれば、そのAdobe IDのアカウントでCreative Cloud DesktopからAdobe Fontsが利用できます。
(なお、わたしはAdobe Creative Cloud コンプリートプランなので、実際にAdobe Acrobat Proの単体ライセンスで確かめたわけでないですが、知人の手元では、Adobe Acrobat ProのサブスクリプションやAdobe CC Illustrator単体プランでも、問題なくAdobe Fontsを利用できております)
ちなみに、最近、ネットメディアのASCII.jpでも取り上げられています。
Acrobat有償ライセンスならAdobe Fontsで好みのフォントを使い放題!
2023年06月28日 10時30分更新
https://ascii.jp/elem/000/004/140/4140283/
「ヒラギノ買ったらMacが付いてきた」のヒラギノが使えるのかと思ってCreative Cloud Desktopをインストールしてみました。結果わかったことは、サブスクリプション版でないライセンスは月額 5 ドル以下のプランということなのでしょう、多くのフォントはCC アプリのみで使用可能でインストールはできない、ということです。
しかし、\ajMaru (unicode外の51-100)や \ajKakuMaruを使いたいだけならば、2002年バージョンのkozminproregular.otfが非商用なら利用可能として入手できるようですからそちらで十分でしょうね。
しかし、\ajMaru (unicode外の51-100)や \ajKakuMaruを使いたいだけならば、2002年バージョンのkozminproregular.otfが非商用なら利用可能として入手できるようですからそちらで十分でしょうね。
Yamamoto Munehiro 様,Takashima Jun 様
また色々と情報をくださり,ありがとうございます.
原ノ味フォントの \ajMaru ですが,せめて100まで使いたかったため,ちょっと不十分でした.
なお,やはり小塚フォントは諦め難かったため,ご紹介いただいた
https://helpx.adobe.com/jp/fonts/using/adobe-type-resources-faq.html
https://helpx.adobe.com/jp/fonts/system-subscription-requirements.html
を読んだり,色々と相談したりした結果,私は小塚フォントを TeX Live で使えるだろうと判断できました.
よって,取り敢えず私に関しては,この問題は解決です.
たくさんのアドバイス,ありがとうございました.
山下
また色々と情報をくださり,ありがとうございます.
原ノ味フォントの \ajMaru ですが,せめて100まで使いたかったため,ちょっと不十分でした.
なお,やはり小塚フォントは諦め難かったため,ご紹介いただいた
https://helpx.adobe.com/jp/fonts/using/adobe-type-resources-faq.html
https://helpx.adobe.com/jp/fonts/system-subscription-requirements.html
を読んだり,色々と相談したりした結果,私は小塚フォントを TeX Live で使えるだろうと判断できました.
よって,取り敢えず私に関しては,この問題は解決です.
たくさんのアドバイス,ありがとうございました.
山下