TeXブック・Metafontブックの原著・翻訳版、改訂新版の違いは何か

TeXブック・Metafontブックの原著・翻訳版、改訂新版の違いは何か

- mow giw の投稿
返信数: 10
1

TeXブックとMetafontブックについて、原著と翻訳版で内容について、欧文組版と日本語組版におけるルールの違いや、英語と日本語の文字によって生じる本文内容の記述の違いはあるのか、ご存じの方がいらっしゃれば教えていただけないでしょうか。


2

「TEXブック」と「TEXブック改訂新版」の内容がどのように違うのか、ご存じの方がいらっしゃれば教えていただけないでしょうか。

mow giw への返信

Re: TeXブック・Metafontブックの原著・翻訳版、改訂新版の違いは何か

- 和田 勇 の投稿

詳しくはないので、訂正・追加事項があったらよろしくお願いします。

なお、かつてこのフォーラムで TeXブックに関する以下の書き込みも参考にしてください

    https://okumuralab.org/tex/mod/forum/discuss.php?d=2271

1 TeXブックとMetafontブックの原著と翻訳版で内容について

  • 欧文組版と日本語組版におけるルールの違いや、
  • 英語と日本語の文字によって生じる本文内容の記述の違いはあるのか

→それぞれの書籍の最後の Appendix を参考にしてください

  • SJIS とかの時代を感じさせる用語もありますが、日本語化対応を垣間見ることができると思います。

    書籍名 タイトル
    TeXブック  Appendix K 日本語 TeX
    Metafontブック  Appendix K 日本語版への補足

2「TEXブック」と「TEXブック改訂新版」の内容がどのように違うのか

  • 私は改訂版は持っていませんが ...
  • 日本語版の違いについての情報は見つけられませんでした
    • → 出版元に照会してください
  • 原著の方は https://ctan.org/tex-archive/systems/knuth/ あたりを参考に http://mirrors.ctan.org/systems/knuth/dist.zip をダウンロードしその中の errata に記述されている変更履歴を調べれば、翻訳版の違いの差異は類推できると思います

    • 書籍発行年情報
    書籍名 発行日
    The TeXbook 1988年10月
    TeXブック 1989年10月21日
    TeXブック改訂版 1992年8月1日
    • dist.zip に含まれている zip ファイル
    dist.zip 内の zip ファイル メモ 
    dist/errata.zip Knuth’s published errata
    dist/etc.zip Tools for virtual font metrics
    dist/lib.zip Core TEX and METAFONT sources from Knuth
    dist/mf.zip A system for specifying fonts
    dist/mfware.zip Supporting tools for use with METAFONT
    dist/tex.zip A sophisticated typesetting engine
    dist/texware.zip Utility programs for use with TEX
    dist/web.zip The original literate programming system
和田 勇 への返信

Re: TeXブック・Metafontブックの原著・翻訳版、改訂新版の違いは何か

- 北見 けん の投稿
おそらく入手を検討している段階で手元にはないでしょうから
> →それぞれの書籍の最後の Appendix を参考にしてください
というのは難しいかもしれません。
大学の図書館などなら収蔵されていると思います。最寄りの図書館を通じて取り寄せる方法などがあるかもしれません。絶版本なので困りますよね。

『TeXブック』と『改訂新版 TeXブック』の違いですが、目次を見比べたところ、全体の章立ては同じで、新版のほうは「14章 TeXの行分割処理」が2ページ分増えているようです(15章以降のページ番号が2ずつ増えている)。同様に「24章 垂直モードのまとめ」も2ページ分増えていて、「付録D ダーティトリック」は2ページ分減っています。詳しく読み比べたことはないのでこのくらいですが。
北見 けん への返信

Re: TeXブック・Metafontブックの原著・翻訳版、改訂新版の違いは何か

- 和田 勇 の投稿
北見さん、フォローありがとうございます。
関連で参照していただきたかった過去のこのフォーラムで「絶版」のことが
書かれていたことを意識していたのですが、付記し忘れてしまいました。 :-(

質問者さんがどこにお住まいかわかりませんが、都立図書館であれば多摩分室に三冊ともありますね。

手持ちの原著と 1991 年改訂の Addison-Wesley の PDF 版 (*1) の 14 章を見比べたところ EXERCISE 14.33 に急カーブ標識が 1/3 ページ分ほど追記になってますね。

(*1) https://archive.org/details/B-001-002-139/page/n117/mode/2up
和田 勇 への返信

Re: TeXブック・Metafontブックの原著・翻訳版、改訂新版の違いは何か

- 北見 けん の投稿
改訂新版での更新内容については「Appendix K 日本語TeX」に1ページほど使って説明されていました。

改訂新版ではその時点での原著の改訂内容を取り入れたということのようです。
主だったものは、TeX のバージョンが 2.** から 3.** に変わったことによる、
・文字コードの8ビット化
・ハイフネーションパターンテーブルの拡張
・リガチャ―の機能拡張
などに対する記述のようです。
北見 けん への返信

Re: TeXブック・Metafontブックの原著・翻訳版、改訂新版の違いは何か

- mow giw の投稿
和田様・北見様
大変丁寧にご回答いただきまして、誠にありがとうございます。

各Appendixの参照について
>TeXブックとMetafontブックの原著と翻訳版で内容について
>→それぞれの書籍の最後の Appendix を参考にしてください

この点に関しましては北見様がおっしゃる通り、購入を検討している段階でして確認することが難しい状況です。県立図書館と市立図書館は既にあたりましたが、所蔵がありませんでした。ただ、大学図書館は調べておりませんでしたので、確認してみたところ改訂前の翻訳版があったので、あたってみたいと思います。

改訂新版の内容について
詳細を記載いただきありがとうございました。大体のところはつかむことができました。



情報が後出しになってしまい申し訳ありませんが、CTANにある原著のソースファイル(texbook.tex)は少し目を通しておりまして、原著版でも読めそうだなと思ったので原著の購入を検討していたところでした。その際に、ふと翻訳版には原著には記載のない日本語組版特有の記述などがあるのではないか(あまり良い例が浮かばないのですが、例えばpTeX等で導入されているzw等の単位に言及されているとか)と思い、質問いたしました次第です。
翻訳版ですが、改めて確認する形になり恐縮ですが、Appendix Kに日本語TeXについて若干の記述がある程度で、原著と比べて特筆すべき内容でもないのでしょうか?

また、MetaFontブックについては、TeXブックよりもさらに情報が少なく、わからない部分が多いのですが、Appendix等で例えばアルファベットではなくひらがなやカタカナ文字の描画を取り扱っていたり、日本語のtfmファイルについて言及があったりとかはないのでしょうか?
mow giw への返信

Re: TeXブック・Metafontブックの原著・翻訳版、改訂新版の違いは何か

- 和田 勇 の投稿

私のところでも県立図書館には見当たらない :-( 大学の方にはいくつかあるけれど改訂版は見当たらない。

さて、入手する気持ちを後押しする思いで、 Appendix K を読み直し、 ご要望に合いそうなものを列挙してみました。参考になれば

Appendix K の抜粋?

  • TeXブック
    • 翻訳原稿ファイルの形態は原著版と同じ
    • 数式や表の原書版テキストファイルに訳文を直接書いている
    • 日本で売られている一般的な書籍体裁に
    • 読者に TeX 組版して作成している意識を持たれないように自然に読める書籍に
    • フォントや版面サイズ、レイアウトの変更
    • コンピュータを使った組版のお手本を目指す
    • マクロファイルの大幅な変更
    • 各章の最初の段落インデント ... 全角1文字分 (1em)
    • 章扉は必ず見開き右に
    • 扉ページの裏は白紙
    • フォントは 9.5 ポイント(科学技術系の論文集や書籍を参考)
    • 欧文用のコンピュータ・モダンフォントにしっくりする日本語フォントを使用
    • 横幅(\hsize) 35文字(345.8ポイント)
    • 縦(\vsize) 35 行(547.75ポイント)
    • 行送り(\baselineskip) 15.76ポイント
    • 日本語に合わせた索引に
    • 株式会社アスキーの「日本語TeX」使用
    • 日本語を扱うための追加プリミティブあり、全角文字・英半角文字を扱える
    • 主な追加プリミティブなど(説明省略)
      • \sjis ・\jis ・ \kuten
      • \prebreakpenalty ・ \postbreakpenalty
      • \kanjiskip ・\xkanjiskip ・\xspcode
      • \autospacing ・\noautospacing
      • \jcharwidowpenalty
      • \jfont ・\jfam
      • zw ・ zh
  • Metafontブック
    • TeX で組版し dvi 貸した後写植機 SAPLS-Laura から四面付けフィルム出力→以降人手介在なし
    • 株式会社アスキーによる日本語化した TeX バージョン 2.99 j1.7 p1.0.9G を使用
    • 図版などを写植機に対応すべくドライバ拡張
    • 一部の図版で原著では手作業と思われる箇所を \spaceial などを利用し dviファイルに埋め込むフィルタ作成
    • 章扉の図版は原著データからスキャンし GIF ファイル化し、それを扱えるようプログラムにより dvi ファイルに取り込む

TeXブックなどを譲るにはどうしたらいいかな

私のプロファイルから、person to person の連絡方法がわかるので、緊急に必要であれば、コンタクトしてください。

ま今年も Covid-19 でオンラインになるのだと思うけど、年一度の face t face のが開催できるようになったら、会場に持ってゆき、これらから TeX LaTeX のメンテなどに貢献していただけそうな方に譲りたいと思っています。

和田 勇 への返信

Re: TeXブック・Metafontブックの原著・翻訳版、改訂新版の違いは何か

- mow giw の投稿
和田 様

返信ありがとうございました。
Appendix K の内容を詳細に記載いただき、大変参考になりました。
日本語版のTeXで追加されているプリミティブなどが載っているのでしたら、翻訳版のほうが魅力的ですね。
また、翻訳版はそのものがTeX+日本語による商業書籍の好例となっているのですね。
時間ができたときに、大学図書館にあるTeXブックを見てからどの版を購入するかまた検討してみます。
漠然とした質問にもかかわらず、ご回答いただきました北見様と和田様に改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。

また、和田様からのTeXブックなどの譲渡の件はほかの皆様にとっても興味深い提案になるのではないかと思います。
私自身は緊急で必要でもないですし、TeX LaTeXのメンテなどに貢献できるほど知識もないもので、うまく活用できるかというところですが・・・

ところで、和田様のプロフィールを拝見いたしましたところ、私と同じ県内にお住いのようでしたので驚きました。
mow giw への返信

Re: TeXブック・Metafontブックの原著・翻訳版、改訂新版の違いは何か

- 北見 けん の投稿
> 日本語版のTeXで追加されているプリミティブなどが載っているのでしたら、翻訳版のほうが魅力的

これについて、
和田さんのコメントが箇条書き的なので
ちょっと意図を読み取れていないかもしれませんが、

> 主な追加プリミティブなど(説明省略)

というのは、
邦訳書の『(改訂新版)TeXブック』では説明が省略されて載っていない、
ということかと思います。
実際、手元の邦訳書には載っていません。
なので、冒頭の期待は満たされないと思います。

日本語化については、古い「日本語TeX」についての説明になると思いますが、
やはりおそらく絶版の『日本語TeXテクニカルブック』とか、
TeXの配付に含まれている(含まれていた? 最近の様子は知りません)
jfm.tex, jtex.tex, jtexdoc.tex, ptexdoc.tex, ptexskip.tex
などの説明書に書かれています。
いずれも最近のシステムを使うユーザー向けではありませんので、
もし興味があるのなら、ということですが。
北見 けん への返信

Re: TeXブック・Metafontブックの原著・翻訳版、改訂新版の違いは何か

- aminophen の投稿
> 日本語版のTeXで追加されているプリミティブなどが載っている

我々コミュニティが執筆している「pTeX マニュアル (ptex-manual)」をどうぞ。
最近の TeX Live に標準でインストールされています。
https://github.com/texjporg/ptex-manual

> TeXの配付に含まれている(含まれていた? 最近の様子は知りません)
> jfm.tex, jtex.tex, jtexdoc.tex, ptexdoc.tex, ptexskip.tex
> などの説明書に書かれています。

これらも ptex-manual の一部として含まれています。
jfm.tex (jfm.pdf) 以外はもはや古い文書であり,
コミュニティは編集する意思がないという意思表示で
ファイル名は _asciimw という接尾辞を付けて変更してありますが
現在 TeX Live にも依然含まれています。

(※私は TeXbook も翻訳版も持ってないです)
aminophen への返信

Re: TeXブック・Metafontブックの原著・翻訳版、改訂新版の違いは何か

- mow giw の投稿
北見様 aminophen様

返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。

>> 主な追加プリミティブなど(説明省略)

>というのは、
>邦訳書の『(改訂新版)TeXブック』では説明が省略されて載っていない、
>ということかと思います。
>実際、手元の邦訳書には載っていません。
>なので、冒頭の期待は満たされないと思います。

北見様、ご指摘&情報提供ありがとうございます。おっしゃる通り、意味を読み違えておりました。

>我々コミュニティが執筆している「pTeX マニュアル (ptex-manual)」をどうぞ。
>最近の TeX Live に標準でインストールされています。
>https://github.com/texjporg/ptex-manual

aminophen様、情報提供ありがとうございます。
現在、一時的に時間が取れない状況でして、落ち着いたら確認したいと思います。
皆様、改めまして情報提供ありがとうございました。
また、TeXブックとは別に参考資料をご教示いただきありがとうございました。