はい,これらのフォントをインストールして,pxbabel パッケージを用いて使用しています.ただし,Haranoaji 自身のように otf + pxchfon を使って7種類のフォントを使い分けることはできず,例えば,
\usepackage[schinese,japanese]{pxbabel}
\setschinesemichofont{HaranoAjiMichoCN-Regular.otf}
\setschinesegothicfont{HaranoAjiGothicCN-Regular.otf}
として,明朝とゴシックの2種類を使い分ける程度です.Noto-OTC では簡体字や繁体字を含めて7種類のフォントの使い分けができていたので,それが出来るようにならないのかな?という質問&要望です.
kanji-config-updmap-sys --ja haranoaji kanji-config-updmap-sys --sc haranoaji
\documentclass[uplatex,dvipdfmx]{jsarticle} \usepackage[uplatex,multi,deluxe]{otf} \usepackage[schinese,japanese]{pxbabel} \begin{document} 日本語の直\par 中国語簡体字の\foreignlanguage{schinese}{直}\par 日本語Unicode指定の\UTF{76F4}\par 中国語簡体字Unicode指定の\UTFC{76F4}\par {\bfseries 日本語の直\par 中国語簡体字の\foreignlanguage{schinese}{直}\par 日本語Unicode指定の\UTF{76F4}\par 中国語簡体字Unicode指定の\UTFC{76F4}\par } \end{document}
\documentclass[uplatex,dvipdfmx]{jsarticle} \usepackage[uplatex,multi,deluxe]{otf} \usepackage[schinese,japanese]{pxbabel} \DeclareFontShape{J22}{hmc}{l}{n}{<->s*[0.924690]utfcml--h}{} \DeclareFontShape{J22}{hmc}{m}{n}{<->s*[0.924690]utfcmr--h}{} \DeclareFontShape{J22}{hmc}{bx}{n}{<->s*[0.924690]utfcmb--h}{} \DeclareFontShape{J22}{hgt}{m}{n}{<->s*[0.924690]utfcgr--h}{} \DeclareFontShape{J22}{hgt}{bx}{n}{<->s*[0.924690]utfcgb--h}{} \DeclareFontShape{J22}{hgt}{eb}{n}{<->s*[0.924690]utfcge--h}{} \DeclareFontFamily{J22}{mg}{} \DeclareFontShape{J22}{mg}{m}{n}{<->s*[0.924690]utfcmgr--h}{} \DeclareFontShape{J32}{hmc}{l}{n}{<->s*[0.924690]utfcml--v}{} \DeclareFontShape{J32}{hmc}{m}{n}{<->s*[0.924690]utfcmr--v}{} \DeclareFontShape{J32}{hmc}{bx}{n}{<->s*[0.924690]utfcmb--v}{} \DeclareFontShape{J32}{hgt}{m}{n}{<->s*[0.924690]utfcgr--v}{} \DeclareFontShape{J32}{hgt}{bx}{n}{<->s*[0.924690]utfcgb--v}{} \DeclareFontShape{J32}{hgt}{eb}{n}{<->s*[0.924690]utfcge--v}{} \DeclareFontFamily{J32}{mg}{} \DeclareFontShape{J32}{mg}{m}{n}{<->s*[0.924690]utfcmgr--v}{} \begin{document} {\mcfamily {\ltseries 明朝・細\par 日本語の直\par 中国語簡体字の\foreignlanguage{schinese}{直}\par} {\mdseries 明朝・中\par 日本語の直\par 中国語簡体字の\foreignlanguage{schinese}{直}\par} {\bfseries 明朝・太\par 日本語の直\par 中国語簡体字の\foreignlanguage{schinese}{直}\par}} {\gtfamily {\mdseries ゴシック・中\par 日本語の直\par 中国語簡体字の\foreignlanguage{schinese}{直}\par} {\bfseries ゴシック・太\par 日本語の直\par 中国語簡体字の\foreignlanguage{schinese}{直}\par} {\ebseries ゴシック・極太\par 日本語の直\par 中国語簡体字の\foreignlanguage{schinese}{直}\par}} {\mgfamily {\mdseries 丸ゴシック\par 日本語の直\par 中国語簡体字の\foreignlanguage{schinese}{直}\par}} \end{document}これと同様の設定を ZR さんの pxbabel 内部でするようにしていただくことができれば、使いやすくなるのではないかと思います。
ご指摘ありがとうございます。
pxbabel にプルリクしたのですが、そのまま無条件に適用してしまうのは良くなさそうですね。
プルリクをマージしていただきまして、最新の PXbase ver. 1.2 では以下のように forcedeluxemulti オプションを付けることで中国語・韓国語がマルチウェイト対応になるようになりました。ただし、 t tk さんご指摘の通り、中国語・韓国語が約物に配慮していない状態となります。中国語・韓国語も約物に配慮する必要があるならば forcedeluxemulti オプションを外せばよいですが、そうすると現状では日本語のみマルチウェイト対応、中国語・韓国語はマルチウェイト非対応となります。
\documentclass[uplatex,dvipdfmx]{jsarticle} \usepackage[multi,deluxe]{otf} \usepackage[schinese,tchinese,korean,japanese,forcedeluxemulti]{pxbabel} \begin{document} {\mcfamily {\ltseries 明朝・細\par 日本語の直\par 韓国語の\foreignlanguage{korean}{直}\par 中国語簡体字の\foreignlanguage{schinese}{直}\par 中国語繁体字の\foreignlanguage{tchinese}{直}\par} {\mdseries 明朝・中\par 日本語の直\par 韓国語の\foreignlanguage{korean}{直}\par 中国語簡体字の\foreignlanguage{schinese}{直}\par 中国語繁体字の\foreignlanguage{tchinese}{直}\par} {\bfseries 明朝・太\par 日本語の直\par 韓国語の\foreignlanguage{korean}{直}\par 中国語簡体字の\foreignlanguage{schinese}{直}\par 中国語繁体字の\foreignlanguage{tchinese}{直}\par}} {\gtfamily {\mdseries ゴシック・中\par 日本語の直\par 韓国語の\foreignlanguage{korean}{直}\par 中国語簡体字の\foreignlanguage{schinese}{直}\par 中国語繁体字の\foreignlanguage{tchinese}{直}\par} {\bfseries ゴシック・太\par 日本語の直\par 韓国語の\foreignlanguage{korean}{直}\par 中国語簡体字の\foreignlanguage{schinese}{直}\par 中国語繁体字の\foreignlanguage{tchinese}{直}\par} {\ebseries ゴシック・極太\par 日本語の直\par 韓国語の\foreignlanguage{korean}{直}\par 中国語簡体字の\foreignlanguage{schinese}{直}\par 中国語繁体字の\foreignlanguage{tchinese}{直}\par}} {\mgfamily {\mdseries 丸ゴシック\par 日本語の直\par 韓国語の\foreignlanguage{korean}{直}\par 中国語簡体字の\foreignlanguage{schinese}{直}\par 中国語繁体字の\foreignlanguage{tchinese}{直}\par}} \end{document}
TrueRoad さん,PXbase の作者の方,
迅速にご対応いただき深謝いたします.
ところで,新しい PXbase が落ちてきたことを確認して,ご提示のソースをコンパイルしてみたのですが,日本語以外の部分がうまくマルチウェイトになりません.
具体的には,\mcfamily の部分の日本語以外のフォントがすべて,それぞれの単一ウェイトの文字に,\gtfamily と \mgfamily の日本語以外のフォントがすべて,原の味ではない単一ウェイトの楷書体のようなフォントにフォールバックしているように見えます.PDF のプロパティで見ても,原の味では別のフォントのようです.
何がいけないのでしょう?必要であればログファイルを示します.
日本語の部分は原ノ味になっているけど、中国語や韓国語の部分は原ノ味になっていない、ということでよいでしょうか。そうだとすると単にフォントの設定をしてないのではないかと思います。pxchfon のプリセット設定は日本語フォントの設定だけだったと思います。個別設定にしても中国語や韓国語のマルチウェイト設定はできないと思います(非プリセットの個別設定を可能とするプルリクは出しています)。
Linux 等であれば、
$ sudo kanji-config-updmap-sys --ja haranoaji $ sudo kanji-config-updmap-sys --sc haranoaji $ sudo kanji-config-updmap-sys --tc haranoaji $ sudo kanji-config-updmap-sys --ko haranoaji
Windows 等であれば、
> kanji-config-updmap-sys --ja haranoaji > kanji-config-updmap-sys --sc haranoaji > kanji-config-updmap-sys --tc haranoaji > kanji-config-updmap-sys --ko haranoaji
のようにコマンドを実行すればすべて原ノ味の設定になると思います。その上で再度やってみるとできるのではないでしょうか。
TruRoad さん,
ビンゴでした!CJK のすべての言語でマルチウェイトで出力できました.素晴らしいです.また pxchfon のプリセット設定を CJK 言語で可能にするプルリクエストを出してくださったことも承知しました.大変ありがたいです.
これまでの私のやり方は,otf と pxchfon で日本語のマルチウェイトを指定しているのですが,プリセットをデフォルトから少々変更して,明朝 Bold を Mincho-SemiBold に,ゴシック中字を Gothic-Regular に,丸ゴシックを Gothic-Normal に変更して使っています.私にとってはこのほうがバランスよく感じるので.
これが CJK でも可能になれば非常に自由度が高くなるので,大変期待しております.約物の問題が残るとのことですが,私の使い方だと,日本語の文章の中に中国語の固有名詞がポツリ,ポツリと出てくる程度なので,ほとんど影響はないと思います.
いずれにせよ,ありがとうございました.
ソースファイルはこちらの test/uplatex/cjk-{mltwght,pxbabel}-{h,v}.tex です。
> せっかくNotoや原の味で東アジアの統一された字体で
源ノや Noto CJK のような Pan-CJK フォントであっても、例えば「直」や「骨」など言語によって形が違うものがあるので、何らかの方法で言語を指定する必要はありそうだなと思っています。
> もともと7書体という制限に合理性はないと思いますので.
7 書体という制限があるのは otf パッケージの仕様だと思っています。(日本語の)原ノ味フォントは全 14 書体ありますが、upTeX + otf パッケージでは半分の 7 書体しか使えません。「抜本的な変革」ということであれば LuaTeX に移行するのが良いと思います。 LuaTeX ならば 14 書体すべて使うことができますし、その上でさらに源ノも併用するようなこともできます。
TrueRoadさん,
コメントありがとうございます.大変参考になります.
「統一された字体」というのは,グリフのことではなくてデザインの意味です.骨のようにグリフ自体が異なる文字や,グリフのトポロジーは同じでも形が微妙に異なるものもあります.これらの多様性を保ちながら統一されたデザインで作られているところに源ノの価値があると思います.混植しても全く違和感がありません.
LuaTeXはほとんど使ったことがありませんが,始めてみようかと思います.
将来的な希望としては,Webデザインの世界で進みつつあるvariable fontの機能がTeXにも取り込めるといいなと思います.源ノ角ゴシックは最近対応したようです.どう実装するかは全くわかりませんが,ウェイトやスラントなど自由自在です.出版に要求される品質が保てるかはわかりませんが.