\documentclass[uplatex,dvipdfmx]{jsarticle}
\usepackage[deluxe]{otf}
\kcatcode`α=15
\usepackage[utf8]{inputenc}
\usepackage[LGR,T1]{fontenc}
\usepackage[greek,english,japanese]{babel}
%\usepackage[greek,english,japanese]{pxbabel}
\usepackage{lmodern}
\begin{document}
\foreignlanguage{greek}{γ}-GTが高いと,
\textbf{\textsf{アルコール性肝障害}}の可能性が高いです。
\end{document}
(本題から外れた話ですが。)
一般的には、「γ-GT」のような術語の中に現れるギリシャ文字は、ギリシャ語(\foreignlanguage{greek})ではなく数式として扱う(つまり $\greek とする)のが通例だと思われます。
(8ビット欧文の)LaTeXにおいて、数式中のギリシャ文字を直接(\gamma でなく“γ”で)入力したい場合は、alphabeta というパッケージを利用します。
※XeLaTeX/LuaLaTeXの場合は unicode-math パッケージを利用すると任意のUnicode文字を数式で利用できます。
\documentclass[uplatex]{jsarticle}
\usepackage[deluxe]{otf}
\kcatcode`α=15
\usepackage[utf8]{inputenc}
\usepackage[T1]{fontenc}% LGR不要
% babel不要
\usepackage{lmodern}
\usepackage{alphabeta}
\begin{document}
$γ$-GTが高いと,% 数式モードでギリシャ文字を書く
\textbf{\textsf{アルコール性肝障害}}の可能性が高いです。
\end{document}
ただし、この場合“γ”は \gamma と入力したのと等価なので、通常は斜体で出力されます。
先日は早とちりしてすみません。
ま,早とちりしたからこそ,ためになるお話が聞けたのですが。)
えっ,数式扱いなんですか!
実は式とは思えなかったので,最初$\gamma$と書いたのを,いろいろ調べて \foreignlanguage{greek} って書いたのです。
ところで,γ-GT のγって何でしょうね。化学・生物は詳しくありませんが,3番目の炭素につく,という意味なのかな? なおさら式とは思えない…。
でも,そういう「術語」は数式扱いという習慣なんですよね。ためになる情報をありがとうございました。
(そして,いつも役立つパッケージをありがとうございます。いくつかは積極的に活用させていただいております。)
> ところで,γ-GT のγって何でしょうね。
> 化学・生物は詳しくありませんが,3番目の炭素につく,という意味なのかな?
これは簡潔には正解です。
γ-GT(= γ-グルタミルトランスフェラーゼ)は「γ-グルタミル基」を転移する酵素で,
γ位=主官能基に隣接する炭素(α炭素)から数えて3番目にあるグルタミル基ですね。
> そういう「術語」は数式扱いという習慣
という習慣はよく知りませんが,私自身はどこかで
「置換基の位置を示すギリシャ文字は italic でなく upright なんだ」
という主張を聞いたことがある気がします。
(この時,その文字が数式扱いなのかどうかは明言されなかったという記憶もある。)
こういう場合にギリシャ文字をどう LaTeX で記述するか,興味あるところでもあります。
例えば mhchem パッケージや chemgreek パッケージなどがどのくらい使われているのか?
もちろん、世間において“数式”と“数式以外”が明確に区別されているわけではないので、自分が思った「数式か否か」というのは、「LaTeXの都合」に流された話だったかも知れません。
例えば、左旋性を表す“(−)”は普通は“数式”とは見なされないでしょうが、普通のLaTeXの知識では「マイナス記号は数式専用」と思われているため、LaTeXでは数式($(-)$)として扱われることが多いでしょう。位置番号の数字についても、“2,4′-ビピリジン”みたいにプライムが付く場合もあるので、自分なら数式と($2,4'$)して扱いたいと考えるでしょう。
そういう「LaTeXの都合」に流されずに、「“γ-GT”のγは数式でない」と捉えるのも可能な気がしました。
ただ、「数式でない」と見なしたとしても、“γ-GT”のγは「ギリシャ語」ではないので、\foreignlanguage{greek} はやはり奇妙な気がします。
妥当なのはフォントエンコーディングのLGR(ギリシャ文字)への切替だけを行う、でしょうか。
\documentclass[uplatex]{jsarticle}
\kcatcode`α=15
\usepackage[utf8]{inputenc}
\usepackage[LGR,T1]{fontenc}% LGR有り
% babel無し
\begin{document}
{\fontencoding{LGR}\selectfont γ}-GTが高いと,
\end{document}
実は、alphabetaパッケージには、「非数式においてギリシャ文字のフォントエンコーディング切替を自動化する」という機能もあるため、 この場合もalphabetaで簡略化できます。
\documentclass[uplatex]{jsarticle}
\kcatcode`α=15
\usepackage[utf8]{inputenc}
\usepackage[LGR,T1]{fontenc}
\usepackage{alphabeta}
\begin{document}
γ-GTが高いと,
\end{document}
(この例と前の例は等価です。)
なるほど,ギリシャ語ではなくギリシャ文字ですね。
この説明が一番腑に落ちました。
帯田 木偶太 様
そういえばそうですよね。日本語の中で見かけるギリシャ文字は,大文字が立体,小文字がイタリック体のことが多いですね(ま,高校数学の範囲ですけど)。
実際のところ,何か表記のルールはあるんだろうか?
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ZR さんのソースを試すと,TeXLive ではうまく通るのに,W32TeX では dvipdfmx でエラーになりますね。
Tagengo.dvi -> Tagengo.pdf
[1
kpathsea: Running mktexpk --mfmode / --bdpi 600 --mag 1+0/600 --dpi 600 ecrm1000
The command name is C:\w32tex\bin64\mktexpk
kpathsea: Appending font creation commands to missfont.log.
dvipdfmx:warning: Could not locate a virtual/physical font for TFM "ecrm1000".
dvipdfmx:warning: >> There are no valid font mapping entry for this font.
dvipdfmx:warning: >> Font file name "ecrm1000" was assumed but failed to locate that font.
dvipdfmx:fatal: Cannot proceed without .vf or "physical" font for PDF output...
Output file removed.