ロスレス圧縮のMPEG標準

192kHzでサンプリングしたクラシック音楽などを15%に可逆圧縮!!(ASCII24),ロスレスオーディオの「MPEG-4 ALS」が国際標準に承認(AV Watch)などで報道されていたので書こうかどうか迷っていたら,NTT主導のロスレス音声圧縮技術「MPEG-4 ALS」が承認される(/.J)で話題になっていた。MPEG標準になったことはめでたいことだが,今まではiTunesでもロスレスは50%くらいなのに,15%にもできる画期的な技術が開発されたのかと思う人がいそうなので,ちょっとだけ書いておく。ロスレス圧縮技術は,まさにエントロピーを測っているようなもので,処理時間と圧縮率を天秤にかけて,最後の1ポイントを減らせるかといった域にある。192kHzのような高サンプリングレートにすれば一般に波形は滑らかになるので圧縮しやすくなるので,同じサンプリングレートで比べなければならない。また,サティのピアノ曲と怒濤のワーグナーとではまったく比べ物にならない。こういった条件を指定しないで何%になるかというのはほとんど無意味であるが,44.1kHzサンプリングのクラシック音楽は平均して半分程度になると思えばいいだろう。私はCDをロスレス圧縮して保存している。

そんなに縮まないのでは使う意味がないという声もありそうだが,たとえ半分になっただけでもスループットが倍増するので,ロスが生じてはならないなら,ロスレス圧縮をぜひ使うべきである。もっとも,通常は1/10以下に縮めたロッシーで十分であろう。