プラズマクラスターイオンはインフルエンザ感染を低減するか

シャープのニュースリリース高濃度プラズマクラスターイオンにより世界初 臨床試験において、ヒトへのインフルエンザウイルス感染率低減の傾向を確認より詳しい技術情報,日経メディカルの解説透析室でのプラズマクラスターイオン発生装置の利用、インフルエンザ感染の発症を抑える効果は確認できず参照。

イオンありのエリアでは1154件中9件感染,イオンなしのエリアでは1274件中14件感染。Rで計算してみる。

fisher.test(matrix(c(9,14,1154-9,1274-14),nrow=2))

p = 0.5304 となる(両側。片側ならこの半分)。シャープによれば「p値片側10%であり有効性の傾向を確認」となっているので,計算の方法が違うのだろう。「コクラン・マンテル・ヘンツェル検定」と書いてある(Rでは mantelhaen.test() で計算できる)が,これを計算するには第3の変数が必要であり,公表されたデータだけでは確認できない。

原理的には多少の効果があってもよさそうだが,統計的に示すのはたいへんそうである。

ついでの話だが,ツイッターで「浄水器が水道水より健康に良いという疫学的証拠があるのかな?」と言っている人がいた。これも簡単には結論が出せそうにない。WikipediaのWater purificationの最後の方に載っている話(ミネラル分を除去した浄水は健康に良くない)は日本のような軟水の地域にもあてはまるのだろうか。どなたか教えてください。