MITが今度は全教員の学術論文をオープンアクセスに

MIT のトップニュース: MIT faculty open access to their scholarly articles。全学教授会で満場一致で決定。今後はすべての学術論文をオープンアクセスとする(具体的にはMITのDSpaceに掲載する)。

今までは学術論文は高価かつ入手困難な学術誌に掲載されるだけで,一般の人が容易にアクセスできるものではなかった。インターネットを使えばほとんど金をかけずに全世界に情報発信できる時代になったことと,税金で研究した結果に納税者がアクセスできないのはおかしいという意識の変化などにより,学会や学術出版社は次第に譲歩し,論文そのものあるいは著者稿を,場合によっては一定の猶予期間の後に,ネットで公開することを認めるところが増えた。これがいわゆるグリーンなジャーナルであり,ここを見ればどの学会・出版社がどういう条件で論文の公開を認めているかが一覧できる。

今回のMITの決定は,このような変化を促進するための,大学の側からの強力な意思表示である。すでに同様の決定がHarvardやStanfordの一部の学部でもなされている。

三重大学でもMITと同じDSpace(オープンソースのシステム)を使って教員の研究成果を公開している。図書館に問い合わせれば,その学会・出版社のグリーン度を調べてもらえるので,可能とわかれば,あとは紙の論文あるいは著者稿を図書館に送るだけだ。残念ながら日本はまだ緑に乏しい。