黄金分割は神話だった?

昨日は書く暇がなかったが,昨日の日経新聞の最後のページにある 関 隆志 氏の寄稿「黄金分割は神話だった」によれば,古代ギリシアで顧みられたのは黄金分割ではなく,星形五角形の外接円と内側の五角形の外接円の比「魔除けの分割」1:0.38だったという。この中に「一九九七年に国際経験美学会誌の黄金分割特集で、このフェヒナーの実験は「永遠に葬るもの」とされている」とある。黄金比は授業でも扱うことがあるので,少し調べてみた。

まずウィキペディアの黄金比を見たら,まったく同じことが書かれている。この部分が追加されたのは昨日だったので,日経新聞が先のようだ。

国際経験美学会誌って何だろう? ググってみたら,International Association of Empirical Aesthetics (IAEA) の会誌の Volume 15, Issue 1 の最後にFechnerの論文の英訳が載っており,続く Volume 15, Issue 2 が黄金比の特集号になっていた。結論は inconclusive といったところだが,最後の論文は The Golden Section hypothesis - Its last funeral と題してかなり手厳しい。このあたりが「永遠に葬るもの」という引用の元であろうか。