\documentclass[divpdfmx]{jsarticle}
\newcommand{\bm}[1]{{\mbox{\boldmath $#1$}}}
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\def\qed{\hfill $\Box$}
\pagestyle{empty}
\newcommand{\ctext}[1]{\raise0.2ex\hbox{\textcircled{\scriptsize{#1}}}}
\renewcommand{\baselinestretch}{0.7}
\begin{document}
\begin{mawarikomi}{}{</p> <p style="margin:0px;"> \begin{eqnarray*}
g(a_1\ldots a_i)&=&g(a_1*\ldots*a_i)\\
&=&g(a_1)\cdot_N\ldots\cdot_Ng(a_i)\\
&=&f(a_1)\cdot_N\ldots\cdot_Nf(a_i)\\
&=&\bar f(a_1)\cdot_N\ldots\cdot_N\bar f(a_i)\\
&=&\bar f(a_1*\ldots*a_i)\\
&=&\bar f(a_1\ldots a_i)\\
\end{eqnarray*}
}
証明.\ 任意のNと$f:A\rightarrow |N|$に対して$\bar f(-)=u_N$\ ($u_N$はNの単位元),\ $\bar f(a_1\ldots a_i)=f(a_1)\cdot_N\ldots\cdot_Nf(a_i)$によって$\bar f:A^*\rightarrow N$を定義する.\\
この時,\ $\bar f$は任意の$a\in A$に対して$\bar f(a)=f(a)$となり定義により明らかにモノイド準同型となる.\ (存在)\\
任意の$a\in A$に対して$g(a)=f(a)$となる$g:A^*\rightarrow N$があるとする.\ この時,\ 任意の$a_1,\ldots a_i\in A^*$に対して\\
\end{mawarikomi}
\end{document}
と入力して
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<inserted text>
\endgroup
l.30 }
?
上記と同じエラーが出てきました.
よろしくお願いします.
\documentclass[divpdfmx]{jsarticle}
\newcommand{\bm}[1]{{\mbox{\boldmath $#1$}}}
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\usepackage{cancel}
\usepackage{framed}
\usepackage{latexsym}
\def\qed{\hfill $\Box$}
\pagestyle{empty}
\newcommand{\ctext}[1]{\raise0.2ex\hbox{\textcircled{\scriptsize{#1}}}}
\renewcommand{\baselinestretch}{0.7}
\begin{document}
自由モノイド,\ 普遍性\\
Aを集合とする,\ そしてA上の「語」をAの元の有限列(長さが0の列も含む)と定義する.\\
例えばAを小文字のアルファベット全ての集合とする.そうすると''a''や''thisword''や''ctegoriesarefun''はA上の語となる.\\
また,\ 長さが0の列として「空語」は''-''と書きA上の語となる.\ Aの「クリーネ閉包」を$A^*=\{A上の語\}$と定義する.\\
$A^*$上の二項演算''*''を語$w,\ w'\in A^*$に対して$w*w'=ww'$として定義する.\ つまり''*''は語を並置することに過ぎない.\ すると''*''は結合律を満たし,\ 空語は''*''の上で$w\in A^*$に対して$w*-=-*w=w$となるので単位元となる.\ よって,\ $A^*$はモノイドとなり,\ これは「A上の自由モノイド」と呼ばれる.\\
$a\in A$は$A^*$の中で長さ1の語と見なす事ができるので,\ 任意の$a\in A$に対して$i(a)=a$によって写像$i:A\rightarrow A^*$が定義され,\ この写像iを「生成元の挿入写像」と呼ぶ.\\
\vspace{1pt}\\
Mをモノイドとする.\ 部分集合$A\subset M$に「自由」に生成されたモノイドMは以下の条件を満たす:\\
1.\ 任意の元$m\in M$はAの元の積$``\cdot''$で表される:\ $m=a_1\cdot\ldots\cdot a_n,\ a_i\in A\ (1\leq i\leq n)$.\\
2.\ $a_1\cdot\ldots\cdot a_j=a'_1\cdot\ldots\cdot a'_k$が成り立つ時,\ この等式はモノイドの公理によって成り立つ.\\
\vspace{1pt}\\
この定義は集合論によるものである.\ 2に関してはとても曖昧である.\\
全てのモノイドNは台集合|N|を持っていて,\ 任意のモノイド準同型写像$f:N\rightarrow M$は台写像$|f|:|N|\rightarrow|M|$を持っている.\ これは容易に関手ということが分かり忘却関手と呼ばれる(直接的な定義はない).\\
ここで圏論で上記のような曖昧さのない「自由」の正確な定義を与える.\\
\vspace{1pt}\\
\begin{mawarikomi}{}{
\begin{picture}(100,50)
$\begin{array}{cc}
\xymatrix{M(A)\ar@{..>}[r]^{\bar f}&N}\\
\xymatrix{|M(A)|\ar[r]^{|\bar f|}&|N|\\
A\ar[u]^i \ar[ru]_f}\\
\end{array}$
\end{picture}
}
集合A上の自由モノイドM(A)を下記の普遍性を持つモノイドとして定義する.\\
M(A)の普遍性\\
$i:A\rightarrow |M(A)|$が存在し,\ 任意のモノイドNと写像$f:A\rightarrow |N|$に対して,\ $|\bar f|\circ i=f$となるようなモノイド準同型写像$\bar f:M(A)\rightarrow N$が一意的に存在する.\ つまりM(A)からNへのモノイド準同型写像が存在し図の様な可換図式が成り立つということである.\\
\end{mawarikomi}
上記で構成した$A^*$はA上のモノイドの普遍性を持っている.\\
\begin{mawarikomi}{}{
\parbox{60mm}{
\begin{eqnarray*}
g(a_1\ldots a_i)&=&g(a_1*\ldots*a_i)\\
&=&g(a_1)\cdot_N\ldots\cdot_Ng(a_i)\\
&=&f(a_1)\cdot_N\ldots\cdot_Nf(a_i)\\
&=&\bar f(a_1)\cdot_N\ldots\cdot_N\bar f(a_i)\\
&=&\bar f(a_1*\ldots*a_i)\\
&=&\bar f(a_1\ldots a_i)\\
\end{eqnarray*}
}}
証明.\ 任意の$Nとf:A\rightarrow |N|$に対して$\bar f(-)=u_N\ (u_NはNの単位元),\ \bar f(a_1\ldots a_i)=f(a_1)\cdot_N\ldots\cdot_Nf(a_i)$によって$\bar f:A^*\rightarrow N$を定義する.\\
この時,\ $\bar f$は任意の$a\in A$に対して$\bar f(a)=f(a)$となり定義により明らかにモノイド準同型となる.\ (存在)\\
$任意のa\in Aに対してg(a)=f(a)$となる$g:A^*\rightarrow N$があるとする.\ この時,\ 任意の$a_1,\ldots a_i\in A^*$に対して\\
\end{mawarikomi}
よって$g=\bar f$が成り立つ.\ (一意性)\qed\\
モノイドの普遍性の存在を表す部分は集合論の自由モノイドの定義の2を捉えている.\ 例えばM(A)を自由モノイド,\ Nを可換でないモノイドとして可換なM(A)の元a,b存在すると仮定し可換でないNの元c,dとする.\ $f(a)=c,\ f(b)=d$となるような写像$f:A\rightarrow |N|$を定義する.\ M(A)は普遍性を満たすのでモノイド準同型写像$\bar f$が一意的に存在する.\ よって,\\
$cd=f(a)f(b)\bar f(a)\bar f(b)=\bar f(ab)=\bar f(ba)=\bar f(b)\bar f(a)=f(b)f(a)=dc$\\
上記より$cd=dc$となるが$cd\not =dc$なのでこれは矛盾.\ これよりM(A)で可換であるときに成り立つ等式はない(単位元は任意の元と可換だがこれはモノイドの公理によるもの)という具合に等式がモノイドの公理によってのみ成り立つものだということを表している.\\
モノイドの普遍性の存在を表す部分は集合論の自由モノイドの定義の1を捉えている.\ もし生成元のみで作られた元でない元a'がM(A)にあるとすると,\ $\bar f$がモノイド準同型写像であれば$\bar f$でa'をNのどの元へ送っても$|\bar f|\circ i=f$は成り立つが$|\bar f|$が一意的でないことになる.\ よってa'の様な元はM(A)には存在しない.\ ($A^*$を構成する際に用いた空語の様な元は$\bar f$がモノイド準同型写像であることによって対応するNの元は一意的に定まる.)\\
更に自由モノイドの普遍性を用いる事で自由モノイドM(A)が同型を除いて一意的に定まる事が容易に示せる.\\
M,Nをそれぞれ写像$i:A\rightarrow |M|$,\ 写像$j:A\rightarrow |N|$を持ち,\ A上の自由モノイドの普遍性(ここからUMPと略す)を持つモノイドとする.\ その時,\ $|h|i=j$と$|h^{-1}|j=i$となるようなモノイド同型写像$h:M\cong N$が存在する.\\
\begin{mawarikomi}{}{
\begin{picture}(100,50)
$\xymatrix{M\ar@{..>}[r]^{\bar j}&N\ar@{..>}[r]^{\bar i}&M}\\
\xymatrix{|M|\ar[r]^{|\bar j|}&|N|\ar[r]^{|\bar i|}&|M|\\
&A\ar[lu]^i\ar[u]^j \ar[ru]_i&}$\\
\end{picture}
}\qed
証明.\ jとMのUMPより$|\bar j|i=j$となる$\bar j:M\rightarrow N$が存在し,\ iとNのUMPから$|\bar i|j=i$となる$\bar i:N\rightarrow M$が存在する.\ 合成写像$\bar i\circ\bar j:M\rightarrow M$を考えると$|\bar i\circ\bar j|i=i$となる.\ $1_M:M\rightarrow M$もまた$|1_M|i=i$となるのでMのUMPの一意性より$\bar i\circ\bar j=1_M$となる.\ 上記の証明のMの部分をNに置き換えると$\bar j\circ\bar i=1_N$が得られる.\\
\end{mawarikomi}
一般に普遍性は同型を除いて一意的な対象を定義する.\ したがって,\ 2つの対象が同型だと証明する事は,\ すなわち,\ それらが同じ普遍性を満たすことを示す事に等しい.\\
また,\ 与えられた構成の具体的な中身が良く分からなくても,\ その構成が普遍性を満たすならば,\ それらの中身を見なくてすむ.\ つまり,\ その構成について知らなければならない全てのものは既にその普遍性に内包されているのである.\ もし具体的な詳細でなく普遍性が使われたなら,\ 証明は短くなる事が多い.\ 普遍性には他にも幾つか効用がある.\\
\end{document}
\newcommand{\bm}[1]{{\mbox{\boldmath $#1$}}}
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\usepackage{cancel}
\usepackage{framed}
\usepackage{latexsym}
\def\qed{\hfill $\Box$}
\pagestyle{empty}
\newcommand{\ctext}[1]{\raise0.2ex\hbox{\textcircled{\scriptsize{#1}}}}
\renewcommand{\baselinestretch}{0.7}
\begin{document}
ディスプレイ数式は入らないようなので\verb|\parbox|内に押し込めるか
\begin{mawarikomi}{}{
\parbox{60mm}{
\begin{eqnarray*}
g(a_1\ldots a_i)&=&g(a_1*\ldots*a_i)\\
&=&g(a_1)\cdot_N\ldots\cdot_Ng(a_i)\\
&=&f(a_1)\cdot_N\ldots\cdot_Nf(a_i)\\
&=&\bar f(a_1)\cdot_N\ldots\cdot_N\bar f(a_i)\\
&=&\bar f(a_1*\ldots*a_i)\\
&=&\bar f(a_1\ldots a_i)\\
\end{eqnarray*}
}
}
証明.\ 任意のNと$f:A\rightarrow |N|$に対して$\bar f(-)=u_N$\ ($u_N$はNの単位元),\ $\bar f(a_1\ldots a_i)=f(a_1)\cdot_N\ldots\cdot_Nf(a_i)$によって$\bar f:A^*\rightarrow N$を定義する.\\
この時,\ $\bar f$は任意の$a\in A$に対して$\bar f(a)=f(a)$となり定義により明らかにモノイド準同型となる.\ (存在)\\
任意の$a\in A$に対して$g(a)=f(a)$となる$g:A^*\rightarrow N$があるとする.\ この時,\ 任意の$a_1,\ldots a_i\in A^*$に対して\\
\end{mawarikomi}
\vspace{30mm}
あるいは,インライン数式にするか
\begin{mawarikomi}{60mm}{
$\begin{aligned}
g(a_1\ldots a_i)&=g(a_1*\ldots*a_i)\\
&=g(a_1)\cdot_N\ldots\cdot_Ng(a_i)\\
&=f(a_1)\cdot_N\ldots\cdot_Nf(a_i)\\
&=\bar f(a_1)\cdot_N\ldots\cdot_N\bar f(a_i)\\
&=\bar f(a_1*\ldots*a_i)\\
&=\bar f(a_1\ldots a_i)\\
\end{aligned}
$
}
証明.\ 任意のNと$f:A\rightarrow |N|$に対して$\bar f(-)=u_N$\ ($u_N$はNの単位元),\ $\bar f(a_1\ldots a_i)=f(a_1)\cdot_N\ldots\cdot_Nf(a_i)$によって$\bar f:A^*\rightarrow N$を定義する.\\
この時,\ $\bar f$は任意の$a\in A$に対して$\bar f(a)=f(a)$となり定義により明らかにモノイド準同型となる.\ (存在)\\
任意の$a\in A$に対して$g(a)=f(a)$となる$g:A^*\rightarrow N$があるとする.\ この時,\ 任意の$a_1,\ldots a_i\in A^*$に対して\\
\end{mawarikomi}
emath の質問はemath の掲示板で聞くと作者あるいは常用している人から回答が期待できます。
\end{document}
\documentclass[divpdfmx]{jsarticle}
\newcommand{\bm}[1]{{\mbox{\boldmath $#1$}}}
\usepackage[truedimen,margin=10mm]{geometry}
\usepackage[old]{emathMw}
\usepackage{amsmath}
\usepackage{amssymb}
\usepackage{amsfonts}
\usepackage{pdfpages}
\usepackage{mathrsfs}
\usepackage{ascmac}
\usepackage{color}
\usepackage[all]{xy}
\usepackage{cancel}
\usepackage{framed}
\usepackage{latexsym}
\def\qed{\hfill $\Box$}
\pagestyle{empty}
\newcommand{\ctext}[1]{\raise0.2ex\hbox{\textcircled{\scriptsize{#1}}}}
\renewcommand{\baselinestretch}{0.7}
\begin{document}
自由モノイド,\ 普遍性\\
Aを集合とする,\ そしてA上の「語」をAの元の有限列(長さが0の列も含む)と定義する.\\
例えばAを小文字のアルファベット全ての集合とする.そうすると''a''や''thisword''や''ctegoriesarefun''はA上の語となる.\\
また,\ 長さが0の列として「空語」は''-''と書きA上の語となる.\ Aの「クリーネ閉包」を$A^*=\{A上の語\}$と定義する.\\
$A^*$上の二項演算''*''を語$w,\ w'\in A^*$に対して$w*w'=ww'$として定義する.\ つまり''*''は語を並置することに過ぎない.\ すると''*''は結合律を満たし,\ 空語は''*''の上で$w\in A^*$に対して$w*-=-*w=w$となるので単位元となる.\ よって,\ $A^*$はモノイドとなり,\ これは「A上の自由モノイド」と呼ばれる.\\
$a\in A$は$A^*$の中で長さ1の語と見なす事ができるので,\ 任意の$a\in A$に対して$i(a)=a$によって写像$i:A\rightarrow A^*$が定義され,\ この写像iを「生成元の挿入写像」と呼ぶ.\\
\vspace{1pt}\\
Mをモノイドとする.\ 部分集合$A\subset M$に「自由」に生成されたモノイドMは以下の条件を満たす:\\
1.\ 任意の元$m\in M$はAの元の積$``\cdot''$で表される:\ $m=a_1\cdot\ldots\cdot a_n,\ a_i\in A\ (1\leq i\leq n)$.\\
2.\ $a_1\cdot\ldots\cdot a_j=a'_1\cdot\ldots\cdot a'_k$が成り立つ時,\ この等式はモノイドの公理によって成り立つ.\\
\vspace{1pt}\\
この定義は集合論によるものである.\ 2に関してはとても曖昧である.\\
全てのモノイドNは台集合|N|を持っていて,\ 任意のモノイド準同型写像$f:N\rightarrow M$は台写像$|f|:|N|\rightarrow|M|$を持っている.\ これは容易に関手ということが分かり忘却関手と呼ばれる(直接的な定義はない).\\
ここで圏論で上記のような曖昧さのない「自由」の正確な定義を与える.\\
\vspace{1pt}\\
\begin{mawarikomi}{}{
\parbox{40mm}{
$\begin{array}{cc}
\xymatrix{M(A)\ar@{..>}[r]^{\bar f}&N}\\
\xymatrix{|M(A)|\ar[r]^{|\bar f|}&|N|\\
A\ar[u]^i \ar[ru]_f}\\
\end{array}$}}
集合A上の自由モノイドM(A)を下記の普遍性を持つモノイドとして定義する.\\
M(A)の普遍性\\
$i:A\rightarrow |M(A)|$が存在し,\ 任意のモノイドNと写像$f:A\rightarrow |N|$に対して,\ $|\bar f|\circ i=f$となるようなモノイド準同型写像$\bar f:M(A)\rightarrow N$が一意的に存在する.\ つまりM(A)からNへのモノイド準同型写像が存在し図の様な可換図式が成り立つということである.\\
\end{mawarikomi}
上記で構成した$A^*$はA上のモノイドの普遍性を持っている.\\
\begin{mawarikomi}{}{
\parbox{60mm}{
\begin{eqnarray*}
g(a_1\ldots a_i)&=&g(a_1*\ldots*a_i)\\
&=&g(a_1)\cdot_N\ldots\cdot_Ng(a_i)\\
&=&f(a_1)\cdot_N\ldots\cdot_Nf(a_i)\\
&=&\bar f(a_1)\cdot_N\ldots\cdot_N\bar f(a_i)\\
&=&\bar f(a_1*\ldots*a_i)\\
&=&\bar f(a_1\ldots a_i)\\
\end{eqnarray*}
}}
証明.\ 任意の$Nとf:A\rightarrow |N|$に対して$\bar f(-)=u_N\ (u_NはNの単位元),\ \bar f(a_1\ldots a_i)=f(a_1)\cdot_N\ldots\cdot_Nf(a_i)$によって$\bar f:A^*\rightarrow N$を定義する.\\
この時,\ $\bar f$は任意の$a\in A$に対して$\bar f(a)=f(a)$となり定義により明らかにモノイド準同型となる.\ (存在)\\
$任意のa\in Aに対してg(a)=f(a)$となる$g:A^*\rightarrow N$があるとする.\ この時,\ 任意の$a_1,\ldots a_i\in A^*$に対して\\
\end{mawarikomi}
よって$g=\bar f$が成り立つ.\ (一意性)\qed\\
モノイドの普遍性の存在を表す部分は集合論の自由モノイドの定義の2を捉えている.\ 例えばM(A)を自由モノイド,\ Nを可換でないモノイドとして可換なM(A)の元a,b存在すると仮定し可換でないNの元c,dとする.\ $f(a)=c,\ f(b)=d$となるような写像$f:A\rightarrow |N|$を定義する.\ M(A)は普遍性を満たすのでモノイド準同型写像$\bar f$が一意的に存在する.\ よって,\\
$cd=f(a)f(b)\bar f(a)\bar f(b)=\bar f(ab)=\bar f(ba)=\bar f(b)\bar f(a)=f(b)f(a)=dc$\\
上記より$cd=dc$となるが$cd\not =dc$なのでこれは矛盾.\ これよりM(A)で可換であるときに成り立つ等式はない(単位元は任意の元と可換だがこれはモノイドの公理によるもの)という具合に等式がモノイドの公理によってのみ成り立つものだということを表している.\\
モノイドの普遍性の存在を表す部分は集合論の自由モノイドの定義の1を捉えている.\ もし生成元のみで作られた元でない元a'がM(A)にあるとすると,\ $\bar f$がモノイド準同型写像であれば$\bar f$でa'をNのどの元へ送っても$|\bar f|\circ i=f$は成り立つが$|\bar f|$が一意的でないことになる.\ よってa'の様な元はM(A)には存在しない.\ ($A^*$を構成する際に用いた空語の様な元は$\bar f$がモノイド準同型写像であることによって対応するNの元は一意的に定まる.)\\
更に自由モノイドの普遍性を用いる事で自由モノイドM(A)が同型を除いて一意的に定まる事が容易に示せる.\\
M,Nをそれぞれ写像$i:A\rightarrow |M|$,\ 写像$j:A\rightarrow |N|$を持ち,\ A上の自由モノイドの普遍性(ここからUMPと略す)を持つモノイドとする.\ その時,\ $|h|i=j$と$|h^{-1}|j=i$となるようなモノイド同型写像$h:M\cong N$が存在する.\\
\begin{mawarikomi}{}{
\parbox{50mm}{
$\xymatrix{M\ar@{..>}[r]^{\bar j}&N\ar@{..>}[r]^{\bar i}&M}\\
\xymatrix{|M|\ar[r]^{|\bar j|}&|N|\ar[r]^{|\bar i|}&|M|\\
&A\ar[lu]^i\ar[u]^j \ar[ru]_i&}$\\ }}\qed
証明.\ jとMのUMPより$|\bar j|i=j$となる$\bar j:M\rightarrow N$が存在し,\ iとNのUMPから$|\bar i|j=i$となる$\bar i:N\rightarrow M$が存在する.\ 合成写像$\bar i\circ\bar j:M\rightarrow M$を考えると$|\bar i\circ\bar j|i=i$となる.\ $1_M:M\rightarrow M$もまた$|1_M|i=i$となるのでMのUMPの一意性より$\bar i\circ\bar j=1_M$となる.\ 上記の証明のMの部分をNに置き換えると$\bar j\circ\bar i=1_N$が得られる.\\
\end{mawarikomi}
一般に普遍性は同型を除いて一意的な対象を定義する.\ したがって,\ 2つの対象が同型だと証明する事は,\ すなわち,\ それらが同じ普遍性を満たすことを示す事に等しい.\\
また,\ 与えられた構成の具体的な中身が良く分からなくても,\ その構成が普遍性を満たすならば,\ それらの中身を見なくてすむ.\ つまり,\ その構成について知らなければならない全てのものは既にその普遍性に内包されているのである.\ もし具体的な詳細でなく普遍性が使われたなら,\ 証明は短くなる事が多い.\ 普遍性には他にも幾つか効用がある.\\
\end{document}
図は上記で教えていただいた方法だと出来ないのですか.
後出ししてすみませんが,よろしくお願いします.
最小限で手を入れてみました。
強制改行の多さにびっくりしましたが
段落を代えたいのなら空行あるいは\parを入れてください。
\documentclass[divpdfmx]{jsarticle}
\newcommand{\bm}[1]{{\mbox{\boldmath $#1$}}}
\usepackage[truedimen,margin=10mm]{geometry}
\usepackage{emathMw}
\usepackage{amsmath}
\usepackage{amssymb}
\usepackage{amsfonts}
\usepackage{pdfpages}
\usepackage{mathrsfs}
\usepackage{ascmac}
\usepackage{color}
\usepackage[all]{xy}
\usepackage{cancel}
\usepackage{framed}
\usepackage{latexsym}
\def\qed{\hfill $\Box$}
\pagestyle{empty}
\newcommand{\ctext}[1]{\raise0.2ex\hbox{\textcircled{\scriptsize{#1}}}}
\renewcommand{\baselinestretch}{0.7}
\begin{document}
自由モノイド,\ 普遍性\\
Aを集合とする,\ そしてA上の「語」をAの元の有限列(長さが0の列も含む)と定義する.\\
例えばAを小文字のアルファベット全ての集合とする.そうすると''a''や''thisword''や''ctegoriesarefun''はA上の語となる.\\
また,\ 長さが0の列として「空語」は''-''と書きA上の語となる.\ Aの「クリーネ閉包」を$A^*=\{A上の語\}$と定義する.\\
$A^*$上の二項演算''*''を語$w,\ w'\in A^*$に対して$w*w'=ww'$として定義する.\ つまり''*''は語を並置することに過ぎない.\ すると''*''は結合律を満たし,\ 空語は''*''の上で$w\in A^*$に対して$w*-=-*w=w$となるので単位元となる.\ よって,\ $A^*$はモノイドとなり,\ これは「A上の自由モノイド」と呼ばれる.\\
$a\in A$は$A^*$の中で長さ1の語と見なす事ができるので,\ 任意の$a\in A$に対して$i(a)=a$によって写像$i:A\rightarrow A^*$が定義され,\ この写像iを「生成元の挿入写像」と呼ぶ.
\vspace{1pt}
Mをモノイドとする.\ 部分集合$A\subset M$に「自由」に生成されたモノイドMは以下の条件を満たす:\\
1.\ 任意の元$m\in M$はAの元の積$``\cdot''$で表される:\ $m=a_1\cdot\ldots\cdot a_n,\ a_i\in A\ (1\leq i\leq n)$.\\
2.\ $a_1\cdot\ldots\cdot a_j=a'_1\cdot\ldots\cdot a'_k$が成り立つ時,\ この等式はモノイドの公理によって成り立つ.
\vspace{1pt}
この定義は集合論によるものである.\ 2に関してはとても曖昧である.\\
全てのモノイドNは台集合|N|を持っていて,\ 任意のモノイド準同型写像$f:N\rightarrow M$は台写像$|f|:|N|\rightarrow|M|$を持っている.\ これは容易に関手ということが分かり忘却関手と呼ばれる(直接的な定義はない).\\
ここで圏論で上記のような曖昧さのない「自由」の正確な定義を与える.\\
\vspace{1pt}
\begin{mawarikomi}{}{
\parbox{40mm}{
$\begin{array}{cc}
\xymatrix{M(A)\ar@{..>}[r]^{\bar f}&N}\\
\xymatrix{|M(A)|\ar[r]^{|\bar f|}&|N|\\
A\ar[u]^i \ar[ru]_f}\\
\end{array}$}}
集合A上の自由モノイドM(A)を下記の普遍性を持つモノイドとして定義する.\\
M(A)の普遍性\\
$i:A\rightarrow |M(A)|$が存在し,\ 任意のモノイドNと写像$f:A\rightarrow |N|$に対して,\ $|\bar f|\circ i=f$となるようなモノイド準同型写像$\bar f:M(A)\rightarrow N$が一意的に存在する.\ つまりM(A)からNへのモノイド準同型写像が存在し図の様な可換図式が成り立つということである.\\
\end{mawarikomi}
上記で構成した$A^*$はA上のモノイドの普遍性を持っている.\\
\begin{mawarikomi}{}{
\parbox{60mm}{
\begin{eqnarray*}
g(a_1\ldots a_i)&=&g(a_1*\ldots*a_i)\\
&=&g(a_1)\cdot_N\ldots\cdot_Ng(a_i)\\
&=&f(a_1)\cdot_N\ldots\cdot_Nf(a_i)\\
&=&\bar f(a_1)\cdot_N\ldots\cdot_N\bar f(a_i)\\
&=&\bar f(a_1*\ldots*a_i)\\
&=&\bar f(a_1\ldots a_i)\\
\end{eqnarray*}
}}
証明.\ 任意の$Nとf:A\rightarrow |N|$に対して$\bar f(-)=u_N\ (u_NはNの単位元),\ \bar f(a_1\ldots a_i)=f(a_1)\cdot_N\ldots\cdot_Nf(a_i)$によって$\bar f:A^*\rightarrow N$を定義する.\\
この時,\ $\bar f$は任意の$a\in A$に対して$\bar f(a)=f(a)$となり定義により明らかにモノイド準同型となる.\ (存在)\\
$任意のa\in Aに対してg(a)=f(a)$となる$g:A^*\rightarrow N$があるとする.\ この時,\ 任意の$a_1,\ldots a_i\in A^*$に対して\\
\end{mawarikomi}
よって$g=\bar f$が成り立つ.\ (一意性)\qed\\
モノイドの普遍性の存在を表す部分は集合論の自由モノイドの定義の2を捉えている.\ 例えばM(A)を自由モノイド,\ Nを可換でないモノイドとして可換なM(A)の元a,b存在すると仮定し可換でないNの元c,dとする.\ $f(a)=c,\ f(b)=d$となるような写像$f:A\rightarrow |N|$を定義する.\ M(A)は普遍性を満たすのでモノイド準同型写像$\bar f$が一意的に存在する.\ よって,\\
$cd=f(a)f(b)\bar f(a)\bar f(b)=\bar f(ab)=\bar f(ba)=\bar f(b)\bar f(a)=f(b)f(a)=dc$\\
上記より$cd=dc$となるが$cd\not =dc$なのでこれは矛盾.\ これよりM(A)で可換であるときに成り立つ等式はない(単位元は任意の元と可換だがこれはモノイドの公理によるもの)という具合に等式がモノイドの公理によってのみ成り立つものだということを表している.\\
モノイドの普遍性の存在を表す部分は集合論の自由モノイドの定義の1を捉えている.\ もし生成元のみで作られた元でない元a'がM(A)にあるとすると,\ $\bar f$がモノイド準同型写像であれば$\bar f$でa'をNのどの元へ送っても$|\bar f|\circ i=f$は成り立つが$|\bar f|$が一意的でないことになる.\ よってa'の様な元はM(A)には存在しない.\ ($A^*$を構成する際に用いた空語の様な元は$\bar f$がモノイド準同型写像であることによって対応するNの元は一意的に定まる.)\\
更に自由モノイドの普遍性を用いる事で自由モノイドM(A)が同型を除いて一意的に定まる事が容易に示せる.\\
M,Nをそれぞれ写像$i:A\rightarrow |M|$,\ 写像$j:A\rightarrow |N|$を持ち,\ A上の自由モノイドの普遍性(ここからUMPと略す)を持つモノイドとする.\ その時,\ $|h|i=j$と$|h^{-1}|j=i$となるようなモノイド同型写像$h:M\cong N$が存在する.\\
\begin{mawarikomi}{}{
\parbox{50mm}{
$\xymatrix{M\ar@{..>}[r]^{\bar j}&N\ar@{..>}[r]^{\bar i}&M}\\
\xymatrix{|M|\ar[r]^{|\bar j|}&|N|\ar[r]^{|\bar i|}&|M|\\
&A\ar[lu]^i\ar[u]^j \ar[ru]_i&}$\qed}}
証明.\ jとMのUMPより$|\bar j|i=j$となる$\bar j:M\rightarrow N$が存在し,\ iとNのUMPから$|\bar i|j=i$となる$\bar i:N\rightarrow M$が存在する.\ 合成写像$\bar i\circ\bar j:M\rightarrow M$を考えると$|\bar i\circ\bar j|i=i$となる.\ $1_M:M\rightarrow M$もまた$|1_M|i=i$となるのでMのUMPの一意性より$\bar i\circ\bar j=1_M$となる.\ 上記の証明のMの部分をNに置き換えると$\bar j\circ\bar i=1_N$が得られる.\\
一般に普遍性は同型を除いて一意的な対象を定義する.\ したがって,\ 2つの対象が同型だと証明する事は,\ すなわち,\ それらが同じ普遍性を満たすことを示す事に等しい.\\
また,\ 与えられた構成の具体的な中身が良く分からなくても,\ その構成が普遍性を満たすならば,\ それらの中身を見なくてすむ.\ つまり,\ その構成について知らなければならない全てのものは既にその普遍性に内包されているのである.\ もし具体的な詳細でなく普遍性が使われたなら,\ 証明は短くなる事が多い.\ 普遍性には他にも幾つか効用がある.
\end{mawarikomi}
\end{document}