「platexrelease パッケージを使えば過去のバージョンの pLaTeX をエミュレートできる」
という機能があるのですが,一つ成り立たない例があるので,書いておきます。
以下のソースを
(1) TeX Live 2016 最終版でコンパイル(例えば「TeX を使ってみよう」 https://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/texonweb/ )
(2) TeX Live 2017 最終版でコンパイル
した場合は同じ結果になります。
ところが,
(3) TeX Live 2017 最終版で冒頭に \RequirePackage[2017/01/01]{platexrelease} を加えてコンパイル
← 一応,これは「TeX Live 2017 の環境下で TeX Live 2016 最終版と互換にしたい」場合の正常な書き方。
すると,結果が変わります。
# 具体的には,ヘッダー内の長い英単語が p1--2, p5--6 ではハイフネーションされますが,
# p3--4 ではハイフネーションされなくなります。(Underfull 警告も出る)
# この原因は,p3--4 のヘッダーの組版処理が「verbatim 環境の途中でのページ分割」の途中に割り込んでくるためです。
これは pLaTeX の問題ではなく LaTeX 本家でも起こる非互換なので,pLaTeX でもサポート外になります。
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\documentclass{article}
\addtolength\textheight{-30\baselineskip}
\addtolength\headheight{10pt}
\makeatletter
\def\@oddhead{\parbox{\textwidth}{[\thepage]
Supercalifragilisticexpialidocious
Supercalifragilisticexpialidocious
Supercalifragilisticexpialidocious
\the\language\typeout{lan=\the\language}}}
\makeatother
\begin{document}
verbatim環境がハイフネーションを抑制しても、途中のヘッダーで
ハイフネーションが抑制されないことのテスト。
a $x$
zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz
zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz
zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz\\zzz
\begin{verbatim}
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
\end{verbatim}
\clearpage
\end{document}
% =====