遅レスなうえに、TeX/LaTeX からは外れた話題になってしまって
申し訳ないのですが…
こういう「配慮」って(小中学生相手ならともかくとして)高校生対象に
必要なものなのでしょうか?
私的な経験でいえば、高校時代、数学の授業で使われたベクトルの副教材の
表記が教科書と違っていたことがありました。教科書は通常のイタリックの上に
右向きの矢印が乗ったもの(LaTeX 流にいえば \vec{a} のような感じ)だったのに
対し、その副教材は、ボールドイタリックで矢印なしでした。副教材の導入に
あたって先生からはその点、何ら説明も指摘もなく(私が聞き落としただけかも
しれませんが)、副教材の方にも断り書きの類いはなく、最初読み始めたときは
「何じゃこら?」でしたが、2~3ページも読み進むうちに、それがベクトルを
意味する、その副教材なりの表記方法なのだと自然に理解しました。
クラスメートの間でも特に話題にもなりませんでしたし、その表記の違いが
混乱を招くとか、理解の妨げになるとは思いませんでした。
積分記号についても、教科書のものはほぼ垂直に立っていた(中央の長い部分が
ほんの少し左上から右下に流れていて、両端の丸まった部分も含めた全体では
縦長の長方形に収まるような感じで、おそらくceo パッケージによるものと
よく似たもの)になっていた(ほんの40年ほど前に使っていた実物が手元に
残っていたので、確認しました)のに対し、ノートに書くときにはかなり
斜め(右上がりに45度くらい)に書いていたような記憶があります(ノートは
処分してしまったので確認はできませんが)。自分の手書きは先生の板書か何かで
初めて見て「カッコいい」と思って真似たものではなかったかと記憶していますが、
最初に見た瞬間、積分記号だと気付けたように思います。
これほど大きな違いのあるものでも、高校生レベルであれば、(何の注釈もなく
いきなり見せたのでは理解するのに時間がかかるかもしれませんが)「こういう流儀も
ある」と一言断れば容易に理解できそうな気がします。まして x の微妙な字形の
違いなんて、問題にならないのではないでしょうか。高校生にもなれば、むしろ、
自分たちの使っている教科書とは違うやり方もあるということを教えてあげる方が
いいのではないでしょうか。そうでないと、かえって、大学レベルになってから
(大学レベルの教科書、さらには一般の技術書ではそのような「配慮」はされて
おらず、また、そのような違いを明示的に教わる機会がないだろうと
思いますので)混乱するのではないでしょうか。