昨日か今日あたり CTAN に出た 2017-06-01 という日付の graphics-def
(graphicx パッケージの dvipdfmx オプションとかを提供するもの)
で,dvipdfmx オプション \usepackage[dvipdfmx]{graphicx} の挙動に関わる非互換な
変更が入っています。具体的には以下のとおりです。
バウンディングボックス#bbox-dvipdfmx-pdf にあるように,従来のパッケージでは
> extractbb (dvipdfmx) が取得するバウンディングボックスは,PDF に存在する
> CropBox → ArtBox → TrimBox → BleedBox → MediaBox を順に探し,
> 明示されている最初のものとなります。
という挙動に則っていました。この選択則を graphics-def が放棄し,単に
\includegraphics{hoge.pdf}
と書いた場合,PDF に存在する CropBox → MediaBox だけを順に探し,
明示されている最初のものを採用するようになりました。
この影響で,Illustrator CS6 以前を使って作られた PDF 図版などを
取り込んだ時の図周囲の余白量が変化します。
明日 (2017/06/13) 早朝に TeX Live メインサーバにインストールされて,随時
ミラーに降りてくると思いますので,事前にお知らせしておきます。
簡単な対処法は現時点ではありませんので,古い文書のコンパイル結果が
変わるとまずい場合は TeX Live 2017 の更新を控えるようにしてください。
# CS5.5 と書いていたが,doraTeX さんから CS6 以前との指摘があったので訂正
http://doratex.hatenablog.jp/entry/20160609/1465398002#4