LuaTeX-ja 20151025.0 を出しました.主な変更点は次の 2 点です.
1. メトリックに kanjiskip_{natural,stretch,shrink} キーを追加.
和文文字間のグルーを「メトリックで指定されたもの or kanjiskip」
という二者択一から自由度を広げ,例えば
・通常の文字と開き括弧類の間の空きは,自然長が半角,
縮み量は半角,伸び量は kanjiskip の伸び量と同じ
・開き括弧類と通常の文字の間の空きは,自然長・伸び量はゼロ,
縮み量は kanjiskip の縮み量と同じ
といった指定を可能にしました.
・「kanjiskip 伸び量の 0.4 倍だけ伸びる」といった指定も可能です.
・標準メトリックの jfm-ujis.lua, jfm-ujisv.lua では暫定的な,
適当に思いついた値を使っており,より良い設定値があれば歓迎.
・無効化し,以前の版と同様に「二者択一」にするには,
\jfont \hoge=file:ipaexm.ttf:jfm=ujis;-ltjksp at 10pt
のように「ltjksp feature を無効化」する形にするか,
fontspec の形式なら
\addjfontfeatures{Kanjiskip=False}
のようにします(名前が紛らわしいですが……).
2. 全角英数字が制御綴中に使えなくなっていた問題を修正.
どうやら,漢字・仮名は LaTeX 標準で制御綴中で使える
(catcode が11)ようにいつのまにかなっており,
そのため「LuaTeX-ja 側で catcode の設定の必要なし」と
判定されてしまっていたようです.