奥村先生、ご無沙汰しています。自宅のパソコンが壊れて新しく買いなおし、LaTeXも新しく「あべのり」さんのTeXインストーラ30.84r6≪最終更新:2013/07/25)でインストールしました。たいていのLaTeX文書は難なく動くのですが、UTF漢字があるとpdfを全く出力しません。たとえば、次のLaTeXの文書をコンパイルします。
%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%
\documentclass{jsarticle}
\usepackage{utf}
\begin{document}
漢字テスト123 だせき \UTF{579C} 積
土偏に朶の漢字がほしい。
\end{document}
%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%
ここで¥UTFの直前に%を入れれば動きますが、上のままだと
次のエラーメッセージが出ます。
This is e-pTeX, Version 3.14159265-p3.5-141210-2.6 (utf8.sjis) (TeX Live 2014/W32TeX) (preloaded format=platex)
restricted \write18 enabled.
entering extended mode
(./kanji.tex
pLaTeX2e <2006/11/10> (based on LaTeX2e <2014/05/01> patch level 0)
Babel <3.9l> and hyphenation patterns for 79 languages loaded.
(c:/w32tex/share/texmf-dist/tex/platex/jsclasses/jsarticle.cls
Document Class: jsarticle 2014/02/07 okumura
) (c:/w32tex/share/texmf-dist/tex/platex/misc/utf/utf.sty
(c:/w32tex/share/texmf-dist/tex/platex/misc/utf/ajmacros.sty))
No file kanji.aux.
[1] (./kanji.aux) )
Output written on kanji.dvi (1 page, 396 bytes).
SyncTeX written on kanji.synctex.gz.
Transcript written on kanji.log.
(guessed encoding: UTF-8 = utf8)(guessed encoding: ISO-2022-JP = jis)(guessed encoding: ISO-2022-JP = jis)kanji -> kanji.pdf
[1
dvipdfmx:warning: Could not locate a virtual/physical font for TFM "unijmin-h".
dvipdfmx:warning: >> This font is mapped to a physical font "HiraMinProN-W3.otf".
dvipdfmx:warning: >> Please check if kpathsea library can find this font: HiraMinProN-W3.otf
dvipdfmx:fatal: Cannot proceed without .vf or "physical" font for PDF output...
Output file removed.
TeXworks ではpdf出力は全くありません。dviファイルはできているので、問題はTeXではなく、dvipdfmx に問題があるのかもしれません。でも、UTF漢字はdviの段階では見えないので役に立ちません。
古いノートパソコンが生き残っていてそこで2年前のW32TeXがインストールされていますが、そこでは土偏に朶の字がpdfファイルに出ます。そこでもしやパソコンのせいかと思い、古いパソコンのW32TeXをアップグレードしましたら、はじめに書いたと同じようにpdfファイルができません。そこで、バックアップしてあった古いW32TeXをまた生かして和算の文書作成に使っています。
解決策をご教示いただければ幸いです。(フォーラムの膨大な文書のどこかにこの解決策があるのかもしれませんが、見つけられませんでした。)森本光生
dvipdfmx 用のフォント設定に,ヒラギノフォントが必要ということになっているので,
フォントを %windir%\Fonts にインストールしておくか,もしくはTeXシステムのほうで
フォントの設定を変える必要があります.
たとえば https://okumuralab.org/tex/mod/forum/discuss.php?d=1198#p6693
を参考にして cid-x.map を編集するか,
コマンドラインから kpsewhich otf-ms.map や kpsewhich ptex-ms.map を実行して
見つかるなら,
dvipdfmx -f ptex-ms.map -f otf-ms.map kanji.dvi
とでもすれば,MS 明朝/MS ゴシックの文字範囲内で,フォントを埋め込んだPDFができるはずです.
フォントを %windir%\Fonts にインストールしておくか,もしくはTeXシステムのほうで
フォントの設定を変える必要があります.
たとえば https://okumuralab.org/tex/mod/forum/discuss.php?d=1198#p6693
を参考にして cid-x.map を編集するか,
コマンドラインから kpsewhich otf-ms.map や kpsewhich ptex-ms.map を実行して
見つかるなら,
dvipdfmx -f ptex-ms.map -f otf-ms.map kanji.dvi
とでもすれば,MS 明朝/MS ゴシックの文字範囲内で,フォントを埋め込んだPDFができるはずです.
十分新しい W32TeX ならば
texdoc kanjimap
とすると,方法が表示されますが,
(1) dvipdfmx -f ipaex.map dviname.dvi
(2) dvipdfmx -f ipa.map dviname.dvi
(3) dvipdfmx -f msmingoth.map dviname.dvi
(4) dvipdfmx -f noembed.map dviname.dvi
などを試して下さい。(4) はフォントを埋め込みません。
ヒラギノ用のパッケージなので,デフォルトは
ヒラギノになっています。
(1),(2),(3),(4) の場合は,当然表示不可の文字もあります。
texdoc kanjimap
とすると,方法が表示されますが,
(1) dvipdfmx -f ipaex.map dviname.dvi
(2) dvipdfmx -f ipa.map dviname.dvi
(3) dvipdfmx -f msmingoth.map dviname.dvi
(4) dvipdfmx -f noembed.map dviname.dvi
などを試して下さい。(4) はフォントを埋め込みません。
ヒラギノ用のパッケージなので,デフォルトは
ヒラギノになっています。
(1),(2),(3),(4) の場合は,当然表示不可の文字もあります。