> 下記のリンクのサイトを見つけ手順通りやってみたのですが
> chemobabel.sty not found
chemobabel.sty は私が(遊び半分に)開発したパッケージなので、ダウンロードする必要があります
(このあたりもすべて解説したつもりですが)。記事にリンクが付いているとおり
https://github.com/aminophen/chemobabel.sty
から全ファイルをダウンロードして、そのうち
chemobabel.sty
chemobabel-extract.sty
が本体ですので、この2つをインストールしてください(ほかは解説書等ですのでお読みください)。記事中に
「パッケージのインストールは一般的なパッケージと同様です。$TEXMFLOCAL に置いてもよし、
任意のソースと同じディレクトリに置いてもよし。」
と書いていますが、これは一般的なパッケージのインストール方法を読者が知っている前提です。もしご存じでなければ、
これまた私がつい先日このフォーラム (forum:1846) で解説していますので参考にしてください。
(もしわからなければ、差し当たり2つのファイルをご自分のソースファイルと同じフォルダに置けば認識されます)
しかも、chemobabel パッケージは特殊で、外部ツールである openbabel と inkscape もご自分でインストールする必要があります。
すべてリンクは付けていますが、「パスを通す」などパソコン初心者にはハードルが高い作業かもしれません。
(Windows なら TeX Wiki の“基礎知識” にも少しだけ解説があります。)
# …と説明してきましたが、あまり実用を想定せずに一発ネタとして作ったものですので、あまり役に立たないかもしれません。
# TeX Wiki の「TeX と化学」も私が書いたものです。ご参考まで…
記事は graphicx パッケージの使い方は知っている前提で書いたため特に明記しませんでしたが
日本語の文章を書くときは platex と dvipdfmx のコンボで PDF を作る場合が多そうです。
もしこのように dvipdfmx を使うことが決まっている場合は
\documentclass{jsarticle}
\usepackage{graphicx}
\usepackage{chemobabel}
ではなく
\documentclass{jsarticle}
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
\usepackage{chemobabel}
または
\documentclass[dvipdfmx]{jsarticle}
\usepackage{graphicx}
\usepackage{chemobabel}
と書くことをすすめます(私は個人的に後者を推奨)。graphicx の「ドライバ依存」の話をお読みください。
TeX Live か W32TeX のどちらかをインストールしていれば、最初から入っていて「すぐに使える状態」です。
ただ、初めて使おうとすると覚えるべき LaTeX 命令が多く、複雑な構造を描くのは難しい、という方もいます。
同じく chemfig というパッケージも最初から入っていて「すぐに使える状態」です。こちらもある程度 LaTeX の
命令を覚える必要があります。
なので、「すぐに動く」のは xymtex と chemfig です。
丁寧な「使いかた」の解説記事はそれぞれ TeX Wiki からリンクしてありますので、すぐ動かせます。
TeX Wiki の先ほどリンクした「TeX と化学」には書かなかたのですが、私の個人的な比較は以下のとおりです。
・XyMTeX は「化学的な知識があれば覚えやすい」です。化合物名がコマンドになっていたり、置換基を付ける
といった作業も「化学」の勉強に近いです。簡単な構造はすぐ覚えられて便利。ただ、複雑な構造になると
どこから手をつけて良いのやら、と(私なら)なってしまいます。
・chemfig は「描画、お絵描き」という感じです。結合の角度や線の太さなども細かく、描画命令を駆使して指定
できるので、カスタマイズは一番豊富です。描画なので、あまり化学構造を描いている気分にはなりませんが、
複雑な構造に必要な命令は簡単な構造を描く命令をつなぐだけなので一度覚えれば拡張しやすいでしょう。
・これら2つのような「命令」を覚えたくなければ、全自動化しかないと思います。そこで、ある程度「パソコン
の知識」や「TeX の知識」がある人向けに作ったのが chemobabel です。外部プログラムを呼び出すので、
慣れていないとインストールが一番大変だと思います。
ちなみに私自身は…どれも使っていなかったり(^^;;
ChemDraw で描いて画像化して貼り付けます。
\usepackage{graphicx}
\usepackage{chemobabel}
\usepackage{graphicx}
\usepackage{chemobabel}
Last login: Mon Feb 29 17:48:46 on ttys000
-no-MacBook-Air:~ $ kpsewhich -var-value TEXMFLOCAL
/usr/local/texlive/texmf-local
-no-MacBook-Air:~ $ /usr/local/texlive/texmf-local/tex/latex/chemobabel/chemobabel.sty
-bash: /usr/local/texlive/texmf-local/tex/latex/chemobabel/chemobabel.sty: No such file or directory
-no-MacBook-Air:~ $ /usr/local/texlive/texmf-local/tex/latex/chemobabel/chemobabel-extract.tex
-bash: /usr/local/texlive/texmf-local/tex/latex/chemobabel/chemobabel-extract.tex: No such file or directory
-no-MacBook-Air:~ $ sudo mktexlsr
mktexlsr: Updating /usr/local/texlive/2015/texmf-config/ls-R...
mktexlsr: Updating /usr/local/texlive/2015/texmf-dist/ls-R...
mktexlsr: Updating /usr/local/texlive/2015/texmf-var/ls-R...
mktexlsr: Updating /usr/local/texlive/texmf-local/ls-R...
mktexlsr: Done.
-MacBook-Air:~ $
名前などの情報はカットしました.原因はなんだと思われますか?
先ほどターミナルから
sudo mktexlsr
を実行したとき「2013」ではなく「2015」が表示されていましたよね?
したがって、今書いていらっしゃる
「TexLive というフォルダを開くと library→texlive→2013 となり」
は明らかに見当違いだということに気づいてください。
指示に従ってください。TeXLive というフォルダではなく
/usr/local/texlive/texmf-local
というフォルダを開いてください。
…といってもこのフォルダがどこかわからない、ということでしょうか?
多くの場合隠しフォルダになっているので見つからないのでしょうか。
では、もっと非常に易しいところから手とり足とりしないといけないんだな。
インストールは「MacTeX」というインストーラを使いましたか?
「2016年 02月 28日(日曜日) 15:31」
の私の発言は読みましたか?
chemobabel は「コンピュータの知識はある程度あってターミナルからのコマンド実行・ソフトの
インストールは余裕でできる」けれど「TeX の命令をいちいち書くより ChemDraw などのソフト
で構造式を描くほうが好きだ」という人のためのものです。
chemobabel は「コンピュータ初心者向け」では決してありません。仮に chemobabel のインス
トールが成功しても、そのあと open babel と inkscape という「TeX とは全く関係ないソフト
ウェア」のインストールも完了させなければなりません。ここまでやり遂げられる自信がなければ、
chemobabel は早いうちにあきらめたほうがいいかもしれません。(もちろん、「TeX とは関係
ないソフトウェアのインストール」はこの TeX フォーラムで教えるべきことではありませんので、
別の場所でどうぞ、と言われて突き放されるのがオチです。)
もういちど本当にご自分に合っているのが chemobabel かどうか、考えてみてもよいと思います。
chemobabel は「全自動で構造式が勝手に出来上がる」
というコンピュータ的な面白さを
追求するためのものあって、別に自動でなくてもよければ
「お絵かきソフトで構造式を描く→ \includegraphics{絵のファイル名.pdf} でとりこむ」
とかでもいいわけです。それでも chemobabel が使いたいなら止めはしませんが。
Edward Elric さんが chemobabel を実際に使うことを決断なさるかどうか
は別問題として、私が言う「/usr/local/texlive/texmf-local」という
フォルダの開き方を教えます。絶対に今後 TeX を使ううえで必要な知識なので。
(ただし、以下の方法は MacTeX 以外では通用しないのですが)
Dock の「システム環境設定」を開くと「TeX Distribution」というアイコンが
あります。クリックすると「TeX Live 2015」みたいに表示されているはずです。
これをダブルクリックすると、たくさんフォルダのショートカットみたいなものが
表示されて、そのなかのひとつが TEXMFLOCAL みたいな名前になっているはず。
これが、私の言う「/usr/local/texlive/texmf-local」というフォルダです。
そのフォルダの中に tex というフォルダがあればそれを開き(なければ作る)、
その下に latex というフォルダがあればそれを開き(なければまた作る)、
その下に chemobabel というフォルダを作って例の2つのファイルを置きます。
終わったらターミナルから
sudo mktexlsr
を実行します。これが「パッケージのインストール」。
これで、chemobabel.sty not found はたぶん出なくなります。
たま~にそういう人がいます。原因は分かりません。
(なんか MacTeX とお使いの OS のバージョンの相性が
悪いか、お使いのマシンが壊れているかなにか?)
作戦変更します。では TEXMFLOCAL に置くことは諦めてホームディレクトリ
(Edward Elric さんのユーザ名のフォルダ;Finder の左端のバーに表示され
ていますよね?)に「texmf」というフォルダを作ります。その下に先ほど言った
ように、tex を作って latex を作って chemobabel を作って中にファイルを
置いてください。今度はさすがに大丈夫なはず。
まず、「ファイル」と「フォルダ」という用語を私は区別しています。
これは一般的なパソコン用語の使い方だと思います。
(私は「フォルダ」という言い方が個人的に好きではないけど…)
多くの方もそういう用語を使っていると思います。
texmf
という「フォルダ」を作って、その中に
tex
という「フォルダ」を作って、さらにその中に
latex
という「フォルダ」を作って、さらにさらにその中に
chemobabel
という「フォルダ」を作って、その中に
chemobabel.sty
chemobabel-extract.tex
という2つの「ファイル」を入れてください、といいました。