upTeXの新版1.24を2月23日頃リリース予定です。
従来とデフォルト動作を変更する項目があるため前もってお知らせします。
以下、主な内容を2個示します。
また新元号対応についてお知らせします。
1. 一部のラテン文字のデフォルトを欧文扱いに変更
従来、ブロック"Latin Extended-B", "Latin Extended Additional"の文字のデフォルトはCJK扱い(その他記号)としていました。
今回の版では、(非英語)欧文との親和性向上のため、デフォルトで該当ラテン文字を欧文扱いするよう変更します。
実装内容としては、以下になります。
(a) 一部のラテン文字のkcatcodeのデフォルト値を欧文扱いに変更
"Latin Extended-B"(U+0180..024F)と"Latin Extended Additional"(U+1E00..1EFF)の
kcatcodeのデフォルト値を15(not_cjk)に変更。
副作用として、
従来UTF-8で直接U+0180..024F, U+1E00..1EFFの文字を記述していた場合
デフォルトでCJKの文字として印字されることがなくなる他、エラーになる場合があります。
例えばkcatcodeの設定のために次のように記述した場合エラーになります。
%% NG (ƀ: U+0180)
\kcatcode`ƀ=18
代わりに次のように書く必要があります。
%% OK
\kcatcode"180=15
副作用に該当する場合は、
お手数ですが記述の変更をお願いいたします。
2. Unicode-12.0.0 対応
Unicode-12.0.0 で仮名が追加されるのに伴い
該当ブロック("Small Kana Extension")のkcatcodeを仮名に設定するなど
Unicode-12.0.0 対応を行います。
◇ 新元号対応について
新元号制定に伴い、新元号の組文字が追加される予定になっています。
(Unicode: U+32FF, Adobe-Japan1-7 CID: 23058, 23059)
upTeX (エンジン,vf等)では U+32FF の文字は以前から使える状態になっています。
CMap については Adobe 配布の Adobe-Japan1-7 で該当グリフが追加、
upTeX独自のものは uptex-fonts 2019-02-09 で対応済みであり、CTANも更新済みです。
U+32FF をUTF-8でプレーンテキストとして記述する方法、
\kchar"32FF と記述する方法のいずれも現状でコンパイル可能で、
あとは実フォントの更新を待つのみの状態になっています。
実フォント更新で対応完了となる予定です。
(u)pLaTeX + otfパッケージ japanese-otf(-uptex) の対応状況は
githubをご参照。