名前: 安田 日時: 2006-03-21 19:38:35 IPアドレス: 61.195.20.*
>>42187 栗山さん,Tackaschi さん,稲垣さん,こんばんは. 私の知る範囲でコメント申し上げます. 1.ロシア語旧正書法について > ・{I1} , {i1} : и с точкой(→ 後に И, и に統合) > ・\symbol{'43}, \symbol{'53}: ять (→ 後に Е, е に統合) > ・\symbol{'25}, \symbol{'35}: фита (→ 後に Ф, ф に統合) > ・\symbol{'24}, \symbol{'34}: ижица (→ 後に И, и に統合) I1,i1 はロシア語旧正書法にありましたが,現在は Tackaschi さんのおっしゃるとおりИ, иに統合されて しまいました. しかしながらウクライナ語では,ロシア語旧正書法と同じ局面で, 現在も使用されております. X2, T2A ではラテンアルファベットの I, i と同じコードの ようです. фитаについては OT2 の \symbol{'25}, \symbol{'35} が TeX 使いにとっては一般的でしょうが,X2, T2A の 0x90, 0xB0 位置にある "O Barred"(アゼルバイジャン語などで 使用)を使ってもよいとされています. (LH フォント解説 beresta.dvi 参照) 文豪フョードル・ドストエフスキイの「フョードル」はもともと テオドルに由来し、「フ」は旧正書法ではфитаですが, 古い書籍を見ますとギリシア語のテータに酷似しており (ギリシア語のテータから借用しているので当然です), X2, T2A の O Barred のほうがグリフとして近い感じがします. 2.X2 フォントエンコーディングについて X2 はこれだけで主要なキリル言語の文字が利用でき便利です. しかしながら,以下の問題があると思います. 私は面倒でも OT2,T2A,T2B,T2C,T2D を切り替えながら 使っています. (1) T2A とは異なる位置にアサインされている文字は, ハイフネーションパターンが T2A を前提としていると, X2 で記述する場合、うまくハイフネーションされないと思います. 私の知見では,具体的にこの言語のこの例とは示せませんが. 少なくとも Babel ウクライナ語は OT2 か T2A で記述 すべきです. マケドニア語なども同じだと思います. (2) X2 は例えば教会スラヴ語の字母はごく限られた範囲 しか収容していません. この場合,T2D が必要になります. 3.pTeX 「FD がない」エラーについて > > No file X2mc.fd. > > > > ! LaTeX Error: This NFSS system isn't set up properly. のエラーは,Cyrillic Bundle を pTeX で使う場合昔から 悩まされた問題で,私は Cyrillic Bundle 新版を インストールする度に,*.def にパッチをあてていました. これは pTeX の代替フォント選択のバグで, 以前にもこのQ&Aで話題になっていました. アスキーさんにエスカレーションされたのではないかと 思います. 新 pTeX で修正されたのはうれしいですね. それではご自愛ください.
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