Re: Babelを使った最新版LaTeX2e、pLaTeX2eでの多言語環境構築(第3版-3)

名前: 安田
日時: 2005-08-26 18:19:59
IPアドレス: 210.159.229.*

>>37668 栗山さん、こんにちは。 The LaTeX Companion (2nd.ed.) や Oliver Corff 氏見解など 知見が広がります。ありがとうございます。 >つまり、latin transliteration を使わず、直接入力で記述する >のであれば LaTeX で処理できるわけですね。印欧語だけなら > >\usepackage[T2A,T1]{fontenc} >\usepackage[koi8-r,latin1]{inputenc} > >というような指定も可能のようですが、BabelでもOKでしょうか。 inputenc で複数の文字コードは指定できないはずです。 というのも、koi8-r はロシア独自の文字セットであり、 日本語 JIS と同じ事情にあり、同じ8ビットエンコーディング である Latin-1 や Latin-2 と同一テキストでの混在は不可 だからです。 キリル言語圏のユーザは ASCII だけで表記できない言語と キリル言語の混在した TeX 原稿は Unicode(UTF-8) で準備 するのではないかと思います。 ただし古典ギリシア語などの言語も UTF-8 で記述できますが、 inputenc パッケージだけでは対応しきれず、Unicode パッケージを併用することで直に原稿に書くことができる ようになります。 T2Aでロシア語を組むとハイフネーション・パターンは latex.fmt にT2A のものを読み込ませておく必要があります。 \shouhyphens で確認すると、面白いことにログは Windows CP1251 コードで出力されます。 (UNIX系OSなら iconv -f CP1251 -t EUC-JP 〜.log で 確認できます。) LaTeX の内部(inputenc の先)では、ロシア語は Windows カルチャーなのですね。 サンプル: % -*- coding: utf-8; mode: yatex; -*- \documentclass[a4paper]{article} \usepackage{ucs}% Unicode package \usepackage[utf8x]{inputenc}%UTF-8 text \usepackage[T2A,T1]{fontenc} \usepackage[polutonikogreek,german,french,czech,russian]{babel} \begin{document} \selectlanguage{russian}% .....ロシア語をキリル文字で記述 \selectlanguage{french}% .....フランス語をLatin-1文字で記述 \selectlanguage{german}% .....ドイツ語をLatin-1文字で記述 \selectlanguage{czech}% .....チェコ語をLatin-2文字で記述 \selectlanguage{polutonikogreek}% .....古典ギリシア語をギリシア文字で記述 (複式アクセント、下書きのイオタ付き文字もOK) \end{document} 実際のサンプル原稿をここにおいておきますので latex コマンドでお試しください。 テキストの編集は Unicode 環境が必要です。 dvipdfmx で pdf にしたものも置いておきます。 >UNIX系であれば emacs になりそうですが、Windowsでは最近 >メジャーな Unicode 対応のエディタはあるのでしょうか。 >TeX そのものより周囲の環境が整っているかどうかが問題に >なるかも知れません。 Windows なら Meadow を真っ先にあげます。 最近の有名な Windows エディタならたいてい UTF-8 はOK なんじゃないでしょうか。 多国語 IME も使えます。 >ちなみにギリシャ語もいずれ T7 というエンコーディングに >移行するらしいので、その場合はロシア語と同じ問題が >出現するでしょうか。LGR のように latin transliteration >が出来るものも残して置いてくれた方が何かと便利なのですが。 可能性は大だと思います。 おそらくその際は7ビットの領域に ASCII 文字が割り当てられ 8ビット領域にギリシア文字が指示されるんでしょうね。 latex では inputenc か unicode パッケージが追従するのだと 思いますが。 それでは失礼します。

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