名前: 稲垣 日時: 2004-08-13 20:10:50 IPアドレス: 219.126.174.*
>>30846 ハイフネーションが話題にあがっていましたので,便乗してBabelのケースを いくつかとりあげてみます。全くの余談です。 新正書法によるドイツ語では,語頭の1文字も分綴の対象となります。語末は 最低2文字を残して分綴することになっています。これを Babelでは \providehyphenmins{\@ne\tw@} と定義します。従来は共に2です。 一例をあげると従来の "uber-fl"us-sig(余計な)は "u-ber-fl"us-sig という 分綴が可能になります。組幅が狭いような場合に苦労が軽減するかもしれません。 しかし,現時点では新正書法用ハイフネーションパターン dehyphn.tex は 語頭の1文字の分綴に対応していません。この辺の事情は同パターンの末尾に コメントが載っています。 語頭の1文字の分綴を許す言語は他にギリシャ語があります。greek パッケージ では \providehyphenmins{\@ne\@ne} と定義されているので,語末の1文字も 分綴の対象になります。 上記2言語が値1を設定するのと全く異なるのがエチオピア語(CTAN のethiop パッケージ)です。ethiop パッケージでは \providehyphenmins と同じ意味で \ethiophyphenmins{99}{99} と定義しています。これは,語頭から 99 文字, 語末も 99 文字残して分綴することを意味し,事実上分綴を禁止しています。 その上,ハイフネーションパターンもありません。 では,ジャスティフィケーションをどうするかというと,単語間のスペース, 伝統的に単語を区切る際に用いる記号 `:' の両端のスペースを伸び縮みさせて 対応しているようです。記号 `:' の前後にスペースが無ければ,フランス語の 場合と同様に自動でスペースを挿入します。なお,同パッケージでは,これで うまく行かない場合のヒントをいくつか紹介しています。\- を使うとか,文章 そのものを書替えるとか... 文中で,語頭あるいは語末の,と書きましたが,正しくは \lefthyphenmins \righthyphenmins です。アラビア語のような R-L の言語がありますので。
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