Re: Babel+ArabTeX+α

名前: 大足
日時: 2004-03-18 02:19:09
IPアドレス: 210.151.143.*

>>27290 議論、興味深く拝見しております。 >>TeX は 今後 e-TeX に収斂していくことや, >>新しい LaTeX では inputenc に utf8 サポートが付け加わることを見ても, >e-TeXがデフォルトでサポートされるならばアラビア系言語ももっと >私たちTeXユーザーにとって近いものになるでしょうか。 >ちょっと期待してしまいます。 そうですね。ただArabTeXユーザがどの程度移行したがるかは少々疑問が残ります。 現在のArabTeXでも\usepackage{utf8} \setcode{utf8}したあとでUTF8(n)の文書を \includeしてやればアラビア・ペルシア語等については、ほぼ正確にタイプセット できることはできます。 ArabTeXユーザが重宝しているのは実は転写機能でして、イスラーム世界の研究を している場合、アラビア語などは必ずローマ字転写をしなければいけません。ア ラビア文字の講釈になって恐縮ですが、アラビア文字は普通短母音を表記しません。 したがって、最初に稲垣さんのしめされた gUyand kasAn behe^st bA .hUr _hwo^s ast \\ という節では、アラビア文字の出力を得たいだけならば gUynd ksAn bh^st bA .hUr _hw^s ast \\ で済んでしまうのです。UTF8の場合も同様です。ところがそれでは転写が正確に出力 されないという問題が残ってしまいます。なぜなら子音と長母音しか示されていない からです。この点で現行のArabTeXユーザの需要とズレが生じてしまう気がします。 ArabTeXのシステム自体がUNICODEとかなり違ったものであるという点も気になります。 ArabteXは文字列の生成の際、一文字一文字に一つ一つグリフを対照させつなげている わけではなく、漢字の偏と旁のグリフを個別に持っていてそれをいちいち合成して、 一つの文字を作っています。イメージとしてはUNICODEのCombining Diacritical Marks を3つも4つも重ねて一文字を作るという感じでしょうか。 以上のようなことを考えるとe-TeXがデフォルトでサポートされても、従来のArabTeX ユーザはe-TeX上でASCII区画だけとArabTeXを用いてアラビア文をつづるという錯綜した 状況が現出しそうな気がしています。 少々悲観的な話になってしまいましたが、現状のArabTeXの1ユーザのとらえ方として 書かせて頂きました。 蛇足ですが、ArabTeXマニュアル草稿のVer.4.00版が公開されています。

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