Re: 多書体について

名前: 山本和義
日時: 2012-02-26 13:03:29
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>>56670 えーと,特に有益なアドバイスはできないのですが,みかちゃんフォントぐらいは 使えないといけないだろうということでこちらでもやってみました.若き日の若雲 さんの多書体化パッケージを使えばそれだけでできるのだと思いますが,やはり 自分でやってみなければということでいくつかやってみました.全部書くと長大なもの になるので,詳細は書きません.気になったところだけ詳しく書きます. 1) ターゲットは,みかちゃん と みかちゃん-PB にする.縦組も試してみる. ttf だけではなく otf もあるのでそれも使ってみよう(ttc もあったけど,ttf の方が 扱いが素直なので,今回は ttc は使わない).TeX 側の tfm は jis.tfm 等を rename copy するだけ.vf と dviware 側の tfm は,makejvf で作る. みかちゃん-PB はプロポーショナルなので,最初は dviout に含まれる propw.exe を 使ってみたのだけど,ppltotf で何やら文句を言われ,出来上がったものをそのまま 使うと約物が詰まりすぎるので,単に jisg.tfm の copy を使った.ああ,あと 従属欧文はちゃんとやりだすと面倒なようなので今回はパスです. 2) 実フォントのファイル名が日本語であるのは扱いにくいので,それは英語に直して システムフォントフォルダに入れました.ちなみにこちらの環境は Windows で ありまして,以下に述べる dviware からは実フォントが読めるような設定にして あります. 3) TeX に対する設定部分は次のようなもの.tasyotai.sty を参考にちょこちょこっと 書き換えてみただけ.これで太字や縦組みも試せる. \DeclareKanjiFamily{JY1}{mika}{} \DeclareKanjiFamily{JT1}{mika}{} \DeclareFontShape{JY1}{mika}{m}{n}{<->s * [0.961] mika}{} \DeclareFontShape{JY1}{mika}{bx}{n}{<->s * [0.961] mika-PB}{} \DeclareFontShape{JT1}{mika}{m}{n}{<->s * [0.961] mikat}{} \DeclareFontShape{JT1}{mika}{bx}{n}{<->s * [0.961] mikat-PB}{} \newcommand{\mikadefault}{mika} \DeclareRobustCommand\mikafamily {\not@math@alphabet\mikafamily\relax \kanjifamily\mikadefault\selectfont} \DeclareTextFontCommand{\textmika}{\mikafamily} 4) dviout は設定さえすればすぐに動く.ただ,設定をしないといきなり落ちたりする のですね,驚きました.縦組みでの表示で約物(「 と 」)が変な風にずれたりしていま す.印刷すれば大丈夫なのかな,試していません.ああ,dviout では otf は試して いません. 5) dvipdfmx も簡単.ただ,ttf と otf を両方入れたので,map の設定でのフォント ファイル名には拡張子をちゃんとつけてあげないといけない(省略すると otf が優先 されたような記憶がある).ttf でも otf でもうまくいきます.できた pdf を Adobe Reader で見て,プロパティだかを見てフォント名を調べておくといいです (これがたぶん英語の ps font name). 6-1) dvips -> ghostscript がちょっと厄介かな.まず,dvips の map には次のような ものを付け加えました. mikaps Mikachan-Regular-H mikatps Mikachan-Regular-V mika-PBps Mikachan-PB-Regular-H mikat-PBps Mikachan-PB-Regular-V ttf で出力するのなら,cidfmap に, /Mikachan-Regular << /CSI [(Japan1) 3] /FileType /TrueType /Path (mikachan.ttf) /SubfontID 0 >> ; /Mikachan-PB-Regular << /CSI [(Japan1) 3] /FileType /TrueType /Path (mikachan-PB.ttf) /SubfontID 0 >> ; を付けてそれでOK.ps2pdf でも gsview でもうまくいきます.ただ,縦組はきれいには なりません.これは,-dWINKANJI の機能を使うことにして,kconfig.ps に /Mikachan-Regular 4300400 (みかちゃん) win32BMkanji /Mikachan-PB-Regular 4300600 (みかちゃん-PB) win32BMkanji 等を設定しておけばOK.手元の gsview は -dWINKANJI が設定してあるので,これで 縦組もきれいに表示されます. 6-2) otf で出力するのがちょっと頭痛かったです.これは,みかちゃん の方だけで, なおかつ横組みだけで試しています.まず,gs/gs9.05/Resource/Font に Mika-Regular-H という名前で /Mika-Regular-H /H [/Mika-Regular] composefont pop という内容のファイルを作っておく.あとは,gs/gs9.05/Resource/CIDFont に拡張子 無しで otf font file を置いておけばいいのですが,このファイル名が ps font name に厳密に一致していなければならないのですね.みかちゃん_o の英語の ps font name は多分 mikachan_o です.この名前で(拡張子無しで) gs/gs9.05/Resource/CIDFont に otf font を置いておきます.さらにこれは gs が取り扱うフォント名とも一致しな ければならないので,cidfmap には, /Mikachan-Regular /mikachan_o ; と書いておきます(このときには ttf 用の設定は消しておきます).これでやっと otf で出力できました.ただ,pdf のサイズも大きくなってしまいますし,縦組み をやった場合にはきれいではないでしょう.みかちゃんフォントの場合には ttf が あるのでそちらを使った方がいいのでしょう.

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