モリサワフォントのライセンス問い合わせ結果

名前: 村上
日時: 2010-01-24 14:58:43
IPアドレス: 218.227.12.*

OpenType 基本7書体がリニューアルした事もあり、ライセンスの詳細について 問い合わせてみました。藪蛇になるかとも思いましたが、Linux での LaTeX 解説本を執筆に辺り、ヤバい使用法を書くわけにはいかないので問い合わせま した。実際一部藪蛇な事実も分かりましたが、結果を報告します。 まず、基本7書体の旧版と新版の違いですが、 ・オンライン認証システムに移行 ・Windows7 や 64bit 版などに対応。ハイブリッドに。 そして実はライセンスが変更になっています。 OpenType エンドユーザライセンスから、MORISAWA PASSPORT エンドユーザラ イセンスに変わっています。 これはびっくりしました。その為に結構ちぐはぐなやり取りになりました。そ の勘違い中に分かった事も一緒に書きますが、ちゃんと聞き直しては居ません。 1. デバイスの変更は無償 現在価格を設定していないので、変更は無償。オンライン認証システムなので、 M/B や CPU の交換の前には一度アンインストールを。故障や盗難による変更 は電話連絡。 2. OS のバージョンアップは可能 例えば Windows 8 にアップデートしても、ライセンス上はそのまま使えます。 3. インストールに、正規のインストーラ以外を使用することは禁止 手動でファイルをコピーしてインストールしたり、異なるデバイスに移動する ことは禁止だそうです。 4. 仮想OS やデュアルブートでの使用は可。但し、全て正規のインストーラを 使う事。その間でのコピーや移動は禁止。また、VMware の場合は M/B と PC 識別情報が異なるので、ライセンス上の問題ではなく技術上の問題で、 もう 1ライセンス必要。 この根拠は第4条第7項の、「本フォントに含まれる、マニュアルやユーティリ ティの全部や一部のコピー禁止」から来るそうです。 が、これを何度読んでも、問い合わせても、「移動」を禁止しているようには 読めません。これ以上追求しても無駄と悟ったので諦めました。 また、この「全部や一部」と言うのは「マニュアルやユーティリティ」に掛っ ていて、フォント自体はコピー・移動は OK かと思いきや、「全部や一部」は 冒頭の「本フォント」に掛っていると、非常に紛らわしいです。 この書き方だと、「田中が持つ鉛筆等を貸す」と書けば、鉛筆以外の車や家を 貸す事にもなってしまう、と訊いてみましたが、「これはフォントについて言っ ているもので、モリサワの財産への言及ではない」と変な回答が来ました。 しかし、複数デバイスで使うためコピーを禁止するのは分かるんですが、1台 で使うために禁止するメリットがさっぱり分かりません。 また、旧 OpenType ライセンスでの 3条7項にある「本ライセンス下で使用に 必要なものを除き、コピー禁止」と言うのは、C:\windows\fonts ではなく、 自分専用のディレクトリにフォントが無いと動かないソフトの為にあるのかと 思っていました。が、これは「インストーラが作る環境ファイルはコピーして 良い」と言う意味だそうです。モリサワのライセンスを理解するにはかなりの 想像力が必要なようです。 5. インストールにブラウザとメールは必須だが、別PC でも良い。 認証用のメールが送られてくるが、それを別PC で受信後、インストール用の PC で URI にアクセスすれば良いそうです。 6. シンボリックリンクは保障対象外 最初「シンボリックリンクでの移動は禁止」とか分かっていない回答をしてい ましたが、説明してどうにか「遠慮」とか「禁止」ではなく「保障対象外」と の回答を得ました。 7. 同一 OS 内なら移動は可。 C:\windows\fonts にインストールしたものを、C:\Program Files\App\fonts に移動した後、インストーラを使い、C:\windows\fonts に再びインストール する事は可能だそうです。 これは驚きました。 8. 一般製品での、インストーラやフォントの Linux での動作検証は行ってい ないが、サーバ用のは検証を行っている。 どうやら一見同じに見えるフォントでも、サーバ用とそうでないのとでは違う 管理をしているようです。 サーバ用として送られてきたフォントが、一般用のフォントと全く同じだった ら、「検証してない製品版と同じ物が来た。ちゃんと検証をしたものを送れ」 と言えるかも知れません。 以上のことから、Linux でライセンス違反無く使用するためには、 a. デュアルブートの Windows 領域を mount した後、しかるべき場所にシン ボリックリンクを張る。 b. WINE で正規のインストーラでインストール後、シンボリックリンクか移動 を行う。 の 2種類の手段が考えられます。 試すまでも無く、a. は技術的に出来るとは思います。問題は b. です。 CPU や M/B の情報を読み出すことから、CPUZ みたいな動作をしていると思い ます。ただ、CPUZ の動作報告を見ると、WINE を XP モードで動かすと駄目だ が、98 モードで動かすと可、みたいな報告があり、ちゃんと動かないかも知 れません。 本当は自分で人柱になりたいのですが、金銭面で余裕がなく、今直ぐ検証する ことができません。誰か試せる人がおられたら、結果が知りたいです。

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