名前: kmns 日時: 2008-11-24 10:45:59 IPアドレス: 218.133.24.*
自著紹介 「TeXで作られた本」に擧げた英語教育批判の書について一筆。 本書を書いたときはまだ氣づいてゐませんでしたが、その後、戰後の國語行政が 間違った前提に基づいてゐたと考へるに到り、歴史的假名遣で書くやうにしてを ります。漢字もまともに書けない世代ですが、なるべく正字を使ふやうに心掛け てをり、引用の際もさうしてをります。このこと、予めご了承願ひます。 本を出すのも、TeX で一册組んでみるのも始めての經驗でした。 TeX で組んだのは發音記號がやたら出てくるからです。 書いてみると新書一册の分量になかなかなりません。やっと書き上げてみると、 畫像を入れて欲しいとのことで、その方法を調べなければならない。一番手間取 ったのは eighth の發音が何故例外的であるかの説明に thorn を入力しなけれ ばならなかったときでした。當時は tipa に thorn はありませんでした。 pdfにするのも勿論初めて。dpi のことなども解らず、最終出力は東京書籍の小 林肇さんのお世話になりました。 版元も著者が組版するのは初めて。擱筆が同時に下版であるといふ流れでないの で、少し間が空きすぎました。奧付まで組んでゐたのもいけなかった。著者紹介 は次のやうになるはずでした。 三省堂で辭書編集と辭書組版支援システム開發に從事。研究社『時事英語』 に「英語教育百家爭鳴」、明治書院『日本語學』に「擴張ヘボン式の提唱」、 『教育新聞』に「私の國語論」を發表。「表音小英和」の編集を手がけて以 來、英語の音聲面の教育は表音文字であるアルファベットをきちんと教へき ることに盡きる、といふ本書の後送を温めて來た。 本書の組版も手掛けた。使用機器類は次のとおり。 パソコン: Windows 98 搭載 DynaBook SS 組版ソフト: TeX 發音記號フォント: TIPA 入力ソフト: WXG, MIFES 刊行までの間に別に奧付が組まれてしまふといふ手違が起り、「本書の組版も手 掛けた」以降が落ちた。これは 奧村先生はじめ TeX 關係者、また TIPA の福井 玲先生への謝辭のつもりでありました。改めて記して感謝申し上げる次第です。 今回公開したpdfは全體の五分の二。四部構成の冒頭の三部です。 Nifty Books に次のやうに書いたことがあります。 ローマ字と英語・國語教育は密接に關係する。アルファベットを表音文字と して身につけさせることは言語教育の基本。ローマ字方式の混亂からの脱却 とあるべき英語教育の方法を説く。英語教育の批判が單に學習者の「役に立 たなかった」とするルサンチマンを滿足させるものであってはならない。英 語教育の問題は同時に學習方法の問題。本書は教育方法のみならず學習方法 の變革をせまる。「輕く讀みとばすわけにはいかないが、得るところの多い 1册」と大修館『英語教育』平成16年9月號の書評にある。 ほかに教育新聞(平成16年5月13日)、南日本新聞(平成16年5月13日)、聖教新 聞(平成16年5月26日)、北海道新聞(平成16年6月6日)、圖書新聞(平成16年7 月3日)、出版ニュース(平成16年7月上旬號)、明治書院『日本語學』平成16 年8月號、ELEC『英語展望』平成16年夏號、西日本新聞(平成16年8月8日)等 で絶贊。 その後、新英語教育(平成17年10月)で採り上げられてゐることを友人から教はり ました。もう新刊紹介といふ譯にはいかない時期。「話題の本pickup」といふ特 別のコラムを設けての扱ひでした。 なほ、『日本語學』「擴張ヘボン式の提唱」は http://www.halcat.com/roomazi/doc/KakutyouHebonSiki/rohmazhi.pdf 『教育新聞』「私の國語論」は http://www.kyobun.co.jp/rensai/kokugo/index.html 北海道新聞の書評は http://www5.hokkaido-np.co.jp/books/20040606/visit.html で讀むことが出來ます。 擴張ヘボン式の實例は眞道重明といふ方のサイト http://home.att.ne.jp/grape/shindo/index.htm の閑人妄語(四)にある懷かしい唄の數々2 http://home.att.ne.jp/grape/shindo/mougo6.htm#NatukasijiUta2 をご覽ください。 水産雜記(三)にある「濫獲」か「亂獲」か? http://home.att.ne.jp/grape/shindo/suisan6.htm#RANKAKU に書いた意見は戰後の國語行政への批判です。 併せて御高覽いただければさいはひです。 (2008.11.24)
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