名前: 永田善久 日時: 2006-09-12 16:33:26 IPアドレス: 133.100.107.*
>>44816 > あと多国語の章ですが,どなたか永田先生を引き継いでいただけないでしょうか。 > 現状のままという手もあるのですが。 反応が遅れて済みません。 思い起こせば,単なる LaTeX ユーザに過ぎない私に奥村先生が お声をかけてくださったのは,2000年10月6日(金),駒場の数 理科学研究科大講義室で開催された研究集会「非欧文言語におけ るTeX」がはねた後の渋谷での懇親会の席でのことでした。 当時,「TeX はドイツ語やフランス語で用いられる特殊文字の 『ワードプロセシング』といったレベルにとどまらず,ドイツ 語やフランス語といった言語を表記する際に固有の組版慣習を も正確に反映させた『テクストプロセシング』とでも呼びたい レベルまでをも実現してくれているんだぞー」ということがも っともっと強調されてもよい,と感じていた私は,鼻を膨らま せてそのことを奥村先生に熱く説かせていただいたきました (^^; が,奥村先生は,未熟ではあるがそれなりに真剣でもあった若 僧の訴えを,真正面から受け止めてくださり,『美文書[改訂版]』 への寄稿を勧めてくださったのでした。 爾来,6年が経とうとしていますが,その間,『美文書』も[改 訂第3版]となり,『美文書』と相補関係を持つ TeX Q & A や TeX Wiki といった場も新設され,そこでは多くの TeXnician 達のご活躍によって,日々,有益な情報が蓄積され続けていっ ています。 (数式処理のみならず)TeX/LaTeX が多言語処理においても 極めて高いポテンシャルを有しているという点は,もう十分に 人口に膾炙したと思いますし,また,例えば TeX Wiki の投稿 記事「pTeXと多言語処理」にも典型的に確認できるように,私 の願った方向性は,多くの方々によって,発展的に継承されて いっているものと理解しています。 つまり,私の所期の目的は達せられましたし,私の役目(その ようなものが仮にあったものとしての表現ですが)のような ものも既に終了したと考えています。 しかしながら『美文書』という「紙」媒体にも,やはり「多言語」 関連の記述がまだまだ必要である,ということでしたら,私よりも 深い知識と,広いパースペクティヴをお持ちの安田さん,稲垣 さん,栗山さん(勝手にお名前を挙げさせていただきすみませ ん)等々の方々が執筆者としてより適任でいらっしゃることも 明らかであると思います。 私は,以前そうであったように,『美文書』の一読者 & ファンに 戻り,今後は TeX Q & A や TeX Wiki にてささやかな貢献を果た していくことができればと願っております。
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