名前: トノ 日時: 2004-05-08 13:55:43 IPアドレス: 218.226.20.*
>>28797 1ページに納まるかどうか微妙なケースで正しく判別できるかどうかが 悩むところだと思うのですが、ソースの最後でラベルを書き出して、 \@oddhead の中で現在のページ番号と比較すればよさそうな気がします。 \documentclass[a5j]{jarticle}\relax \linespread{1.243} % 1.242 だと1ページに納まる \makeatletter \AtEndDocument{% \clearpage % \end{document} の直前で最終ページが \shipout された \bgroup % 場合に備えて、一旦 \clearpage してからページ番号を \advance\c@page by\m@ne % 減らす \immediate\write\@auxout{% \string\newlabel{FINALPAGE}{{\@currentlabel}{\number\c@page}}% }% \egroup } \def\@oddfoot{% \ifx \r@FINALPAGE \@undefined \else \ifnum \expandafter\@secondoftwo\r@FINALPAGE=\thepage \else \hfill 裏面に続く \fi \fi } \makeatother \begin{document} 桜の樹の下には屍体が埋まっている! これは信じていいことなんだよ。 何故って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて 信じられないことじゃないか。 俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。 しかしいま、やっとわかるときが来た。 桜の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。 どうして俺が毎晩家へ帰って来る道で、俺の部屋の数ある道具のうちの、 選りに選ってちっぽけな薄っぺらいもの、安全剃刀の刃なんぞが、 千里眼のように思い浮かんで来るのか ―\kern-.5zw ―\kern-.5zw ―おまえはそれがわからないと言ったが ―\kern-.5zw ―\kern-.5zw ―そして俺にも やはりそれがわからないのだが ―\kern-.5zw ―\kern-.5zw ―それもこれも やっぱり同じようなことにちがいない。 いったいどんな樹の花でも、 いわゆる真っ盛りという状態に達すると、 あたりの空気のなかへ一種神秘な雰囲気を撒き散らすものだ。 それは、よく廻った独楽が完全な静止に澄むように、 また、音楽の上手な演奏がきまってなにかの幻覚を伴うように、 灼熱した生殖の幻覚させる後光のようなものだ。 それは人の心を撲たずにはおかない、 不思議な、生き生きとした、美しさだ。 しかし、昨日、一昨日、俺の心をひどく陰気にしたものもそれなのだ。 俺にはその美しさがなにか信じられないもののような気がした。 俺は反対に不安になり、憂鬱になり、空虚な気持になった。 しかし、俺はいまやっとわかった。 おまえ、この爛漫と咲き乱れている桜の樹の下へ、 一つ一つ屍体が埋まっていると想像してみるがいい。 何が俺をそんなに不安にしていたかがおまえには納得がいくだろう。 \hfill (桜の樹の下には / 梶井 基次郎) \end{document}
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