Re: [解決] Re: まる秘の書き方

名前: misc
日時: 2004-02-13 17:22:18
IPアドレス: 211.4.123.*

>>25936 # Type1 形式のフォントを用いるか,METAFONT で記述されたものを # 用いるかといった,個々のフォント(の実体)の形式とは関係なく, NFSS においては,(“サイズ”を含む)個々の書体の(論理的な)属性と 実際に用いるフォント(に対応する tfm ファイル)との対応関係は “フォント定義”によって与えられます. トニイさんが 25938 で挙げてくださった例で type1cm パッケージを 使用しない場合に 40pt にならないというのは, 単に,LaTeX でのデフォルトの直立のローマン体(属性: OT1/cmr/m/n)に対する フォント定義が(ファイル ot1cmr.fd によれば) \DeclareFontShape{OT1}{cmr}{m}{n}% {<5><6><7><8><9><10><12>gen*cmr% <10.95>cmr10% <14.4>cmr12% <17.28><20.74><24.88>cmr17}{} となっていることによります. (詳しいことは然るべき解説書を参照していただくことになりますが) ここでは,<5> のような指定が使用できるサイズの宣言になっていることに 注意してください.例えば,上記のフォント定義の下では 5pt, 6pt, 7pt, 8pt, 9pt, 10pt, 10.95pt, 12pt, 14.4pt, 17.28pt, 20.74pt, 24.88pt の各サイズでしか用いないようになっているわけです. それ以外のサイズは,適宜“サイズ代用”(あるいは“サイズ置換”)されます. # なお,10pt 以上 15pt 未満のような指定は <10-15> のようになり, # <10-> は 10pt 以上(上限なし),<-10> は 10pt 未満(下限なし)です. # また,<-> は“任意のサイズ”という指定になります. 一方,type1cm パッケージでは,今と同じ属性に対するフォント定義を 次のように変更しています. \DeclareFontShape{OT1}{cmr}{m}{n}{ <-6> cmr5 <6-7> cmr6 <7-8> cmr7 <8-9> cmr8 <9-10> cmr9 <10-12> cmr10 <12-17> cmr12 <17-> cmr17 }{} これは,17pt 以上のサイズに対しては“cmr17 をそのサイズに拡大したもの”を 用いるという具合に,あらゆるサイズがカバーされています. (<10-12> といった指定によって表される個々の範囲をすべて集めてみてください.) そのため,40pt でも問題なく用いることができるわけです. # 丁寧には… type1cm パッケージを読み込んだ時点においてすでに # 定義されてしまっているかもしれないフォント識別子の存在の可能性にも # 注意を払わなければならないのですが…少なくとも \OT1/cmr/m/n/10 に # および \OMX/cmex/m/n/10 に関しては(type1cm パッケージを用いたとしても # 実際に用いられるフォントが変更されないので)問題ありません. \textcircled(の丸になっている文字,\bigcirc と同じ)に関しても, 用いられるフォントの属性が異なるだけで,状況は上記の例と同じです. # 今考えているような“サイズ代用”が起こるか否かに関して重要なことは, # <5> のようなサイズ指定以外の部分に記述されているフォント名 # (を割り出すための記述)よりもむしろ,サイズ指定たちが # あらゆるサイズをカバーしているか否か,という点です. # # 極端な話,(\DeclareFontFamily{OT1}{ptm}{} あるいは # \DeclareFontFamily{T1}{ptm}{} を実行した後) # \DeclareFontShape{OT1}{ptm}{m}{n}{<10> ptmr7t}{} # あるいは # \DeclareFontShape{T1}{ptm}{m}{n}{<10> ptmr8t}{} # としてしまうと(通常,Type1 フォントを用いる)Times-Roman ですら # “10pt に固定”されてしまうでしょうし,逆に # \DeclareFontShape{OT1}{cmr}{m}{n}{<-> cmr10}{} # とすると,Computer Modern Roman ですら(せっかくデザインサイズに応じて # cmr12 etc. を用意しているのを無視して) # 常に cmr10 を適宜拡大・縮小して使用するようになってしまいます.

この書き込みへの返事:

お名前
題名 
メッセージ(タグは <a href="...">...</a> だけ使えます)