名前: しっぽ愛好家 日時: 2003-08-05 19:55:41 IPアドレス: 210.198.133.*
>>20749 確かに,``不用意なサイズ代用'' が行われないようにすると, 文字サイズのバランス(特に和文部分と欧文部分または数式の バランス)の問題はかなり軽減されますね. %%% ただ,Computer Modern フォントを用いている場合には, %%% デザインサイズに応じて字形が変えてあります. %%% その点を抑制(i.e. サイズによらず単一のフォントを拡大・縮小して %%% 使用)することになる,真にやむを得ない事情がある場合には %%% \DeclareFontShape{OT1}{cmr}{m}{n}{<-> cmr10}{} %%% のようなフォント定義を採用すると,属性 OT1/cmr/m/n では %%% 任意のサイズに対して cmr10 を拡大・縮小して用いるように %%% なります(他の属性についても同様です). 一方,数式の体裁には,フォント定義(および数式グループなどの 数式用フォントの設定)だけでなく,\DeclareMathSizes による 数式用文字サイズの設定も関係しますね. ここで,テキスト部分の文字サイズが 10pt である場合に対する 数式用文字サイズの設定は \DeclareMathSizes{\@xpt}{\@xpt}{7}{5} %%% \@xpt = 10 で,\textstyle,\scriptstyle,\scriptscriptstyle の各々での 文字サイズの比(以下,単に ``サイズ比'' といいます)は 10 : 7 : 5 です. 一方,20.74pt に対する設定は \DeclareMathSizes{\@xxpt}{\@xxpt}{\@xivpt}{\@xiipt} %%% \@xxpt = 20.74,\@xivpt = 14.4,\@xiipt = 12 で,サイズ比は 20.74 : 14.4 : 12 になっていて,これは 10pt に対する サイズ比とは異なっています.このことは,(たとえ ``サイズ代用'' が 問題にならなかったとしても)数式の体裁に直結します. %%% ただ,\DeclareMathSizes による数式用文字サイズの設定が %%% 行われていないような文字サイズ(例えば,30pt)に対しては, %%% \defaultscriptratio,\defaultscriptscriptratio を用いた %%% 数式用文字サイズの計算が行われます.そして,\defaultscriptratio, %%% \defaultscriptscriptratio のデフォルトの値はそれぞれ 0.7,0.5 です. %%% そこで,サイズ代用を抑制した場合,数式用文字サイズが %%% あらかじめ(\DeclareMathSizes によって)設定されているわけではない %%% 文字サイズに対するサイズ比は 10pt の場合のサイズ比と同じになり, %%% サイズ比の問題はなくなります(字形は気になるかもしれませんが…). ここまで来ると,次のような実験をしてみるのも面白いかもしれません. \documentclass{article} \advance\textwidth100pt \advance\oddsidemargin-50pt \parindent=0pt \pagestyle{empty} \usepackage{type1cm} \usepackage{graphicx}%%% 必要に応じてオプションを設定してください. %%% ``サイズ比'' を 10pt の場合のサイズ比に近づけた設定です. %%% 次の 2 行の設定を加えた場合の処理結果も眺めてみてください. %%% \DeclareMathSizes{20.74}{20.74}{14.4}{10} %%% \DeclareMathSizes{24.88}{24.88}{17.28}{12} \begin{document} \def\sample{% \vbox{% \hbox{$\displaystyle \Gamma(x) = \int_0^{\infty} t^{x-1} e^{-t}\,dt$}% \medskip \hbox{$\displaystyle \lim_{j,\, j' \to \infty} | a_{n_j} - a_{n_{j'}} | = 0$}}} \def\test#1#2#3{% #1\,pt相当\par 上段:10\,ptでの出力を#3倍に拡大\par 下段:#2\,ptでの出力\par\bigskip \scalebox{#3}{\normalsize\sample}% \par\bigskip\hrule\bigskip {\fontsize{#2}{#2}\selectfont\sample}\par} \Huge \xkanjiskip=.25zw \test{21}{20.74}{2.074}\newpage \test{25}{24.88}{2.488}\newpage \test{30}{30}{3} \end{document}
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