名前: 奥村晴彦 日時: 2003-01-16 09:28:29 IPアドレス: 210.236.176.*
私の本などに $dx$ と書いてあるが正しくは $\mathrm{d}x$ でないかという ご質問をメールでいただきました。いちおう掲示板にお願いしますと書きまし たが,とりあえず少しだけ書いておきます。 過去にも,$\Delta$ 記号は右下が鈍角になるべきだといった議論があり, $\Delta$ か $\varDelta$ かという話で,ISOの数学記号の書き方の規格では オペレータは立体で書くことになっているので $\Delta$ なんだろう,でも $\mathrm{d}x$ は? といった話が出ていたと思います。ISOは(自動的に) JISにもなっています。 ISO信者なら,$\mathrm{d}x$ ですし,自然対数の底も $\mathrm{e}$ ですし, 円周率も $\pi$ ではなく立体のパイを書かなければならなくなります。積分 記号も $\int$ を立てなければなりません。オーダーは $\mathrm{O}(x)$ と なります。では一般の関数も $\mathrm{f}(x)$ なのか? となると,だんだん わからなくなってきます。 伝統的には sin,cos の類や kg 等の単位を除いてはイタリック体で組まれて いますし,Knuth の本をはじめ米国のものは今でもイタリック体が多く,日本 の教科書も岩波数学辞典(私の持っているのは古い?)もイタリック体です。 ISOのお膝元のヨーロッパでは立体派が多いようですが,Elsevierの本をちょっ と見てみても,必ずしも統一されていないようです。 各方面のご専門のかたのご意見をお聞きできれば幸いです。
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