[改訂第5版]LaTeX2e 美文書作成入門
奥村晴彦『[改訂第5版]LaTeX2e(ラテック・ツー・イー)美文書作成入門』(技術評論社,,ISBN978-4-7741-4319-4,2色刷,DVD-ROM付,3180円+税)のサポートページです。
技術評論社の紹介ページ /
Amazon.co.jpのページ
付録I「LaTeX2eによる多言語処理」サポートページはこちら
ご質問はメールではなく TeX Forum
または TeX Q&A にお願いします。
第4版との違い
- Windowsでのインストーラに阿部紀行さんの「TeXインストーラ3」を採用しました。これでインストールが超簡単になります。阿部さんにはインストーラのカスタマイズにあたりたいへんお世話になりました。
- W32TeXに加え,Windows(Cygwin)・Mac(Intel・PowerPC)で共通に使えるptexlive for TeX Live 2009ベースの2Gバイトもある網羅的なシステムをDVD-ROMに収録しました。
- お薦めの使い方をTeXworks(MacではTeXshopも)によるPDFプレビューに変更しました。SyncTeXと併用すれば,組版結果に影響を与えずエディタとプレビュー画面の間をCtrl+左クリックで往復できます(日本語(pTeX)でのSyncTeX対応はW32TeXのみとなります)。
- 新しいe-pTeXをお薦めしました(本書もe-pTeXで組みました)。これでもうレジスタ不足に悩まされず,海外で人気のパッケージ(biblatexなど)も使えるようになります。
- upTeXを収録しました(解説は多言語処理の章にあります)。
- 黒木裕介さんのご協力で,Beamerを中心としたプレゼンテーションの章を充実させました。
- 本文の組み方を,新しいotfパッケージ(ベータ版)を使ったぶら下げ組みにしました。
- 本文をヒラギノProNによる2004字形にしました。
- ……
本文のサポート
付録Iについては「LaTeX2eによる多言語処理」サポートページをご覧ください。
- p.197 下5行目および下3行目 ``squashed Courier'' のフォントが正しく処理されていないようです(Thanks: 北川さん)。最後に読み込ませているdvipdfmxのmapファイルの最後に
pcrr8r 8r ucrr8a
pcrr8rn 8r ucrr8a -e .85
と入れるとよいみたいです。2行目だけではうまくいかないのが不思議です。
- Optimaフォントの例示が別のフォント(Computer Modern)に置き換わっていました。特にp.216上の表は次のようになります:
- pp.217-210のTeX Gyreフォント集の組見本のBoldItalicがRegularの書体になっていました。これはTeX環境のトラブルではなく単純ミスです。Thanks: 稲垣さん
- p.221 boisic→boisik(Thanks: nimuさん)
- p.227傍注2の下から3行目:「jarticle」→「jsarticle」(Thanks: 大石さん)
- p.304下,Corollaryの訳語は「補題」ではなく,正しくは「系」です。
\deftranslation[to=ja]{Corollary}{系}
- p.314下5-4行 /usr/local/texlive/p2009 の texlive が抜けていました(Thanks: sibelian さん)
- その他,編集上のミスや用語の不統一などについて,大石さん [qa:55127],[qa:55133],[qa:55209],ZRさん [qa:55129] からたくさんのご指摘をいただきました。どうもありがとうございます。
付録ソフトのサポート
- Windows版はWindows 8でも問題なく動作するようです(32ビット・64ビット)。
- Mac版はOS X Lion・Mountain Lionでも問題なく動作します。
- Mac版でnkfが収録漏れのようです。TeXShopやTeXworksからタイプセットする分には問題ありませんが,ターミナルからplatexをオプション
-kanji=...
なしで起動すると,nkfが見つからないというエラーになります。eplatex -kanji=utf8
のようにオプションで文字コードを指定してください。あるいは,Intel Mac用のnkfを置いておきますので,パスの通ったところに置くか,nkfプロジェクトのサイトからソースをダウンロードしてmakeしてください(Thanks: 黒木さん)
- Asymptoteが使えない(Windows)という問題が報告されています。同様な報告は SourceForge.net: Asymptote: Topic: Problem with installation on Windows にもあり,Windows版Asymptote 1.97と特定バージョンのWindowsの相性の問題だろうと思われます。SourceForge.net から最新のWindowsインストーラ asymptote-X.YY-setup.exe(X.YYはバージョン番号)をダウンロードしてお試しください。
- Mac OS X 10.5 Intel上で動かないというご報告をいただいています。申し訳ありませんがPATHをIntelでなくPPC用にセットしてください。Rosettaで動くはずです。10.5 Intelネイティブバイナリはもう環境がないため作成できていません。
- 本書付録DVD-ROMのTeX Liveに欧文フォントGaramondとOptimaを補うためのパッケージ addenda.tar.bz2 を置いておきます。/usr/local/texlive の中で展開してください。W32TeXを使っておられる場合は不要です。
- Cygwin版のptexliveは,ヒラギノフォントを持っていないと,dvipdfmxなどで正常に動作しませんでした。Cygwin Bash Shellなどから,
updmap-sys --setoption kanjiEmbed noEmbed
を実行すれば,特別なフォントを持っていなくても使えるようになります。
(おまけ)本書のW32TeXでotfパッケージを使う方法の詳細
本文p.240の下に書いたことですが,詳しく書いておきます(QA: TeXworksで「蕤」を出力する!参照。Thanks: 黒木さん)。
まず,C:\w32tex\share\texmf-local\fonts\map\dvipdfmx\cid-x.map
というファイルをテキストエディタ(TeXworksでもかまいません)で開き,その最後に次のように付け加えて,上書き保存します。
otf-ujmr-h UniJIS-UTF16-H ipaexm.ttf
otf-ujmr-v UniJIS-UTF16-V ipaexm.ttf
otf-cjmr-h Identity-H ipaexm.ttf/AJ16
otf-cjmr-v Identity-V ipaexm.ttf/AJ16
hminr-h H ipaexm.ttf
hminr-v V ipaexm.ttf
otf-ujgr-h UniJIS-UTF16-H ipaexg.ttf
otf-ujgr-v UniJIS-UTF16-V ipaexg.ttf
otf-cjgr-h Identity-H ipaexg.ttf/AJ16
otf-cjgr-v Identity-V ipaexg.ttf/AJ16
hgothr-h H ipaexg.ttf
hgothr-v V ipaexg.ttf
otf-ujmb-h UniJIS-UTF16-H ipaexm.ttf
otf-ujmb-v UniJIS-UTF16-V ipaexm.ttf
otf-cjmb-h Identity-H ipaexm.ttf/AJ16
otf-cjmb-v Identity-V ipaexm.ttf/AJ16
hminb-h H ipaexm.ttf
hminb-v V ipaexm.ttf
otf-ujgb-h UniJIS-UTF16-H ipaexg.ttf
otf-ujgb-v UniJIS-UTF16-V ipaexg.ttf
otf-cjgb-h Identity-H ipaexg.ttf/AJ16
otf-cjgb-v Identity-V ipaexg.ttf/AJ16
hgothb-h H ipaexg.ttf
hgothb-v V ipaexg.ttf
これだけでとりあえず \UTF{...}
が使えるようになると思います。
関連リンク