Excelで折れ線グラフ

次のデータを考えましょう。

出生数
2014年1003609
2015年1005721
2016年977242
2017年946146
2018年918400
2019年865239
2020年840832

これをExcelにコピペして,A1〜B8を選択し,「挿入」→「折れ線グラフ」(マーカー付き)を選んでください。

例1

とりあえずグラフができました。

「折れ線グラフ」の代わりに「縦棒グラフ」を選んでも,やはり750000から始まるグラフになります。「折れ線グラフ」と「縦棒グラフ」はExcelにとっては同じ仕組みになっていて,横軸は文字列(順序尺度のカテゴリー変数)として扱います。

上の例では「年」の列をわざと「○○○○年」のような文字列にしましたが,データ作法としては,余計な「年」を取って数値だけにするほうがいいでしょう。

出生数
20141003609
20151005721
2016977242
2017946146
2018918400
2019865239
2020840832

同じようにExcelにコピペしてやってみましょう。

例2

あれれ? なんか意図通りになっていませんね。

「縦棒グラフ」にしても,やはり変です。

例2a

試しに,データ作法としてはまずいかもしれませんが,列名の「年」を消してから,A1〜B8を選択し,「折れ線グラフ」を描いてみましょう。

例3

なぜか,これならうまくいきました。

あるいは,折れ線グラフや棒グラフを描く範囲は「出生数」B1〜B8 だけにして,あとでグラフエリアを右クリックして「データの選択」で「横(項目)軸ラベル」を A2〜A8 に設定する方法もあります。

[2022-02-17追記] 年を数値ではなく日付型(例えば2014/1/1と入力して書式yyyyで年のみ表示)にすればうまくいくと教えていただきました。さらに,一度散布図として作った後に「グラフの種類の変更」で折れ線グラフに変更するという手も教えていただきました。

もっと簡単に意図通りにするには,普通に A1〜B8 を選択して,「折れ線グラフ」ではなく,「散布図」(マーカー付き,線分で結ぶ)を選びます。

例4

このくらいのちっぽけなデータなら,散布図も折れ線グラフもあまり変わりませんが,もうちょっと大きなデータになると,見栄えの違いは顕著になります。

出生数
19712000973
19722038682
19732091983
19742029989
19751901440
19761832617
19771755100
19781708643
19791642580
19801576889
19811529455
19821515392
19831508687
19841489780
19851431577
19861382946
19871346658
19881314006
19891246802
19901221585
19911223245
19921208989
19931188282
19941238328
19951187064
19961206555
19971191665
19981203147
19991177669
20001190547
20011170662
20021153855
20031123610
20041110721
20051062530
20061092674
20071089818
20081091156
20091070036
20101071305
20111050807
20121037232
20131029817
20141003609
20151005721
2016977242
2017946146
2018918400
2019865239
2020840832

まず「折れ線グラフ」です。

例5

「散布図」です。

例6

「散布図」で,横軸の「軸の書式設定」で最小値を1970,最大値を2020にしてみました。

例7

ここまでは横軸のデータが等間隔(等差数列)でしたが,このデータのように等間隔でないこともよくあります。気が向いたときに測定した体温のデータのように,時刻が不規則なこともあります。このような場合も,散布図ならうまく描けます。

RやPythonで描く折れ線グラフは,Excelでいう「散布図」に相当します(つまり横軸は文字列ではなく数値です)。Excelでも「折れ線グラフ」でなく「散布図」を使いこなすようにしましょう。


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