このページの内容は次の論文に基づきます(著者たちは韓国人です): Beom Jun Kim, Dong Myeong Lee, Sung Hun Lee, Wan-Suk Gim, ``Blood-type distribution'', Physica A 373, 533-540 (2007).
292組の夫婦のABO血液型を尋ねました:
女A | 女B | 女AB | 女O | |
---|---|---|---|---|
男A | 27 | 26 | 9 | 17 |
男B | 28 | 23 | 6 | 31 |
男AB | 9 | 10 | 1 | 16 |
男O | 31 | 22 | 11 | 25 |
血液型の組合せはランダムでしょうか。これを調べるにはカイ2乗検定を使います。
x = matrix(c(27,26,9,17,28,23,6,31,9,10,1,16,31,22,11,25), nrow=4, byrow=TRUE)
chisq.test(x)
p 値は 0.2964 で,統計的に有意な血液型による相性はなかったようです。
次に,MBTIという性格検査をしてみます。MBTIは次のように性格を類型化します:
例えば内向・外向と血液型とをクロス集計すると次のようになりました:
内向 | 外向 | |
---|---|---|
A | 195 | 102 |
B | 123 | 82 |
AB | 61 | 38 |
O | 144 | 107 |
これ以外の結果も含め,Rで書くと次のようになります:
IE = matrix(c(195,123,61,144,102,82,38,107), nrow=4)
SN = matrix(c(200,111,63,178,97,94,36,73), nrow=4)
TF = matrix(c(181,121,67,149,116,84,32,102), nrow=4)
JP = matrix(c(140,75,42,109,157,130,57,142), nrow=4)
これらを Fisherの正確検定 で調べると,SN(感覚・直感)だけ p = 0.001818 で非常に有意です。
SNをさらに男女別に見てみると,次のようになります:
SNM = matrix(c(146,70,49,125,72,67,27,57), nrow=4)
SNF = matrix(c(54,41,14,53,25,27,9,16), nrow=4)
すると,男だけ有意です(p = 0.007)。
さらに各血液型を見ていくと,B型とそれ以外で分けたときだけ有意になります:
fisher.test(matrix(c(70,67,390-70,223-67), nrow=2))
この p = 0.000837 です。B型の男は感覚派(五感に基づいて行動する現実派)より直感派(空想派?)が多いということです。
これって B型の彼氏 の影響?
[追記] 菊池先生のPhysicaの血液型論文も併せてお読みください。
[追記] 血液型と性格の無関連性――日本と米国の大規模社会調査を用いた実証的論拠――という論文を紹介いただきました。
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