以下では \
は Windows では ¥
と表示されるかもしれません。また,R の中では /
で置き換えられることがあります。
以下で x.y.z(または x.y)は R のバージョンです(例えば R 4.2.0 なら x は 4,y は 2,z は 0)。
Mac と違って,日本語環境の Windows での R や RStudio のインストールには,いろいろ落とし穴があります。システムの文字コードが UTF-8 でなく Shift JIS(を拡張した CP932)であること,昔からのアカウントやローカルアカウントではホームディレクトリ名に全角文字が含まれることがあること,最近の Windows ではいろいろなディレクトリがクラウド(OneDrive)上に置かれることが原因のようです。特に,R のユーザライブラリの場所が R 4.2.0 より前は「ドキュメント」になっていて,それが OneDrive 上にあると C:/Users/名前/OneDrive/ドキュメント
になり,ライブラリを C:/Users/名前/OneDrive/ドキュメント/R/win-library/x.y
に作ろうとして,仮に「名前」が半角文字でも「ドキュメント」が文字化けして ??????
になり・・・ということが生じていたようです。
R 4.2.0 からはデフォルトのユーザライブラリの場所は「ドキュメント」ではなく隠しフォルダ C:\Users\名前\AppData\Local\R\win-library\x.y
に変わりましたので,OneDrive が原因のトラブルはなくなると思われます。
また,R 4.2.0 からは UTF-8 がデフォルトになったようです(少なくとも Windows 10 1903 以降)。
ちなみに,「ドキュメント」を OneDrive にするかどうかは,タスクバーの ☁️ をクリックして,⚙ → 設定 → アカウント → フォルダーの選択 で設定できます。チェックを外すと中身が消えますが,OneDrive 上に残っています。あらかじめローカルフォルダに移動しておくといいでしょう。
ホームディレクトリが全角の場合は,ちょっと厄介です。まず,自分の Windows 機のホームディレクトリがどこにあるか調べてみましょう。エクスプローラー(Internet Explorer ではなくアイコンがフォルダー 🗂 の形のツール)を立ち上げ,そのアドレスバーに %HOMEPATH%
と打ち込んでみましょう(小文字でもかまいません)。アドレスバーが 🗂 > Windows (C:) > ユーザー > 名前 > になります。この「名前」の部分は自分の名前(最近のアカウントなら登録時に使ったメールアドレスの頭の部分だが,全角の名前になることもある)が入ります。
R 4.2.0 で以下は要確認:
「名前」が全角文字のときは,Windows (C:) まで戻って,そこに例えば
work
のような半角の名前のフォルダーを作り,C:\work
を作業場所とします。作業場所が決まったら,スタート→設定⚙で「環境変数」と打ち込んで検索し,「環境変数を編集」を見つけて,ユーザー環境変数の「新規(N)...」を押し,変数名
R_USER
,変数値として上で決めた作業場所を設定します。
R は CRAN(Comprehensive R Archive Network,シーランまたはクランと読む)と呼ばれる世界中に分散した多数のサイトで公開されています。日本では統数研の https://cran.ism.ac.jp/ が該当しますが,ときどき潰れているので,その場合は R Project サイトの左の「CRAN」というリンクから適当なサイトを選びます。
CRAN にアクセスし,「Download R for Windows」→「base」とたどって,「Download R x.y.z for Windows」をクリックし,「保存」します。デフォルトでは「ダウンロード」フォルダに保存されるはずです。保存された R-x.y.z-win.exe
というファイルを実行します。
ユーザーアカウント制御(UAC)の画面が「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と聞いてくるので「はい」を選びます。セットアップに使用する言語の選択は「日本語」のまま「OK」します。ライセンス(GNU General Public License)の説明の英語が出ますので,「次へ」を選びます。インストール先の指定はデフォルト(C:\Program Files\R\R-x.y.z
)のまま「次へ」を選びます。コンポーネントの選択では「32-bit Files」は不要なのでチェックを外してもかまいません。起動時オプションは,よくわからなければ「いいえ(デフォルトのまま)」でもかまいませんが,私は「はい(カスタマイズする)」を選んで,「次へ」で「MDI」ではなく「SDI」を選んでいます(RStudioから使う場合はこの設定は意味がありません)。それ以外はデフォルトのままでいいでしょう。インストールが始まり,しばらく待たされます。最後に「完了」を押してインストールを終了します。
もしRをアンインストールしたいときは,他のソフトと同様,「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」で行います。
Rがインストールされる場所はデフォルトでは C:\Program Files\R
です。
続いてRStudioのインストールをします。
Download RStudio Desktop で「DOWNLOAD RSTUDIO DESKTOP FOR WINDOWS」をクリックすると,ダウンロードが始まります。ダウンロードが終わったら,実行し,Rの場合と同様にインストールします。今度はすべてデフォルトの設定で問題ありません。
RStudio の実体は PC の Windows (C:) > Program Files > RStudio > bin > rstudio.exe です。必要に応じてタスクバーにピン留めまたはデスクトップにショートカットを作成しておくと便利です。
スタートメニューから RStudio を探し,起動します。エラーが出ないでしょうか。
コンソール(左下ペイン)に次のように打ち込んで,エラーが出たり文字化け(??????
)したり OneDrive が含まれたりしないか確認してください。
.libPaths()
簡単な計算をしたり,グラフを描いたりしてみてください。例えば
curve(sin(x), 0, 2*pi)
と打ち込んで,サインカーブが 0 から 2π まで描けるでしょうか。
ちょっと難しいことをしてみましょう。適当なデータを Excel で用意します。RStudio の右上ペインの「Import Dataset」から「From Excel...」を選びます(初回に使う際にライブラリ readxl と Rcpp がインストールされていなければインストールが行われます)。右上の「Browse...」から Excel ファイルを選びます。データが読み込まれて左上ペインにデータが表示されます。
上の作業は(例えば hoge.xlsx について)次の R コマンドを自動するのと等価です:
library(readxl) hoge = read_excel("hoge.xlsx") View(hoge)