高齢者の交通事故

高齢者の交通事故が増えているように感じる。一方で,高齢ドライバーの事故は20代より少ない 意外と知らないデータの真実という記事もある。実際どうなのか。

以下のデータはe-Statの道路の交通に関する統計>交通死亡事故の特徴等について>年次>2018年の「平成30年中の交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について」のPDF(ファイル名:平成30年中の交通死亡事故.pdf)の26・27ページから抜き出したものである(追記:対人のみの件数も加えた):

年齢,割合,件数,対人割合,対人件数
0-,NA,5,NA,0
16-,11.43,101,1.24,11
20-,4.58,217,1.37,65
25-,3.44,186,1.28,69
30-,2.89,184,1.24,79
35-,2.84,205,1.29,93
40-,2.98,254,1.37,117
45-,2.95,270,1.19,109
50-,3.56,279,1.52,119
55-,3.09,215,1.12,78
60-,3.39,223,1.35,89
65-,3.42,251,1.14,84
70-,4.4,249,1.54,87
75-,6.17,208,1.36,46
80-,9.21,152,1.21,20
85-,16.27,100,1.46,9

これをCSVファイルに保存して,グラフにしてみる:

x = read.csv("x.csv")
par(mgp=c(2,0.8,0))  
t = barplot(x[[2]], names.arg=x[[1]], las=1,
            main="原付以上運転者(第1当事者)の事故類型別・年齢層別\n免許保有者10万人当たり死亡事故件数(平成30年中)")
axis(2, labels="件", at=15, padj=-1, las=1)
text(t, x[[2]], x[[2]], pos=3, cex=0.8, xpd=TRUE)
原付以上運転者(第1当事者)の事故類型別・年齢層別免許保有者10万人当たり死亡事故件数(平成30年中)

高齢者の死亡事故件数は跳ね上がっている。これは免許保有者当たりの数であるが,実際は高齢ドライバーはあまり長距離を走らないとするならば,距離当たりにすればもっと跳ね上がるかもしれない。

一方で,実際の死亡事故件数は,次の通りである:

t = barplot(x[[3]], names.arg=x[[1]], las=1,
            main="原付以上運転者(第1当事者)の事故類型別・年齢層別死亡事故件数(平成30年中)")
axis(2, labels="件", at=250, padj=-1, las=1)
text(t, x[[3]], x[[3]], pos=3, cex=0.8, xpd=TRUE)
原付以上運転者(第1当事者)の事故類型別・年齢層別死亡事故件数(平成30年中)

多いように見えた16歳代と高齢者が,こちらのグラフでは逆に少なく見える。どちらが実態をよく表しているだろうか。

追記:死亡事故といっても自分が死んだのか人を死なせたのかわからない。そこで,対人事故に限って集計してみると,次のようになる:

原付以上運転者(第1当事者)の事故類型別・年齢層別免許保有者10万人当たり死亡事故件数(平成30年中),対人のみ
原付以上運転者(第1当事者)の事故類型別・年齢層別死亡事故件数(平成30年中),対人のみ